ahamoの影響は、MVNOにも及ぼすだろう。主要MVNOの20GBプランとまずは比較してみよう。
IIJmioは20GBプランを用意しておらず、オプションで20GBの増量ができる。「ミニマムスタートプラン」(3GB)と「データオプション20GB」を組み合わせると、月額4700円になり、ahamoより1720円も高くなってしまう。OCN モバイル ONEとmineoは20GBプランを提供しているが、それぞれ料金は4400円、4590円とahamoには及ばない。
3社とも低速時の速度が200kbpsに制限されることと、かけ放題がオプション扱いになっていることも不利だ。20GB程度の容量が必要な人にとっては、MVNOを選ぶ意味はなくなってしまう。
では、ahamoを下回る料金だとどうか。IIJmioは6GBの「ライトスタートプラン」が月額2220円、OCN モバイル ONEは6GB/月コースが月額1980円、mineoはAプランの6GBが月額2190円となる。MVNOは低容量のユーザーが中心のため、6GB程度の利用で十分という人ならahamoに乗り替える必要性はなくなる。
一方、6GBから1段上のプランを見ると、IIJmioは12GBの「ファミリーシェアプラン」が月額3260円、OCN モバイル ONEは10GB/月コースが月額2880円、mineoはAプランの10GBが月額2980円となり、ahamoの2980円に近づくか、同額になるか、逆転されてしまう。
【訂正:2020年12月17日12時45分 初出時に、IIJmioのファミリーシェアプランのデータ容量を10GBとしていましたが、正しくは12GBです。おわびして訂正致します。】
ファミリーシェアプランはデータ容量を他の回線とシェアできるメリットはあるものの、単身で使うのならahamoより高くなってしまう。OCNも10GB/月コースはahamoより100円安いものの、100円差なら20GBでいいかも……と思う人もいるだろう。mineoの10GBプランはAプランならahamoと同額だが、Dプランは3070円、Sプランは3420円とahamoよりも高くなってしまう。10GB前後の中容量プランの立ち位置も厳しくなりそうだ。
そんな中で注目したいのが日本通信だ。同社はahamo発表の翌日、12月4日に対抗プランを発表。12月10日から「合理的20GBプラン(今は16GB)」として提供している。月額1980円で16GBのデータ通信を利用でき、ahamoが提供開始されたら20GBに増量するという。70分の無料通話が付いており、70分を超えた分も通常(ドコモ含む)の半額となる30秒あたり10円に抑えている。
月額料金はahamoより1000円安く、通話料金も70分で十分という人なら、ahamoの5分かけ放題と同等と言っていい。16GB(20GB)を超えると低速通信になってしまうが、データ通信の追加チャージはahamoの半額となる1GBあたり250円。文字通り、ahamoに徹底的に対抗した内容となっている。ただし初期手数料として3000円は発生する。他社も日本通信に続く対抗策を出していくのか、注目したい。
【更新:2020年12月17日11時38分 日本通信の合理的20GBプラン(今は16GB)を追記しました。】
【訂正:2020年12月18日2時00分 表にて、日本通信のチャージ料に誤りがありました。おわびして訂正致します。】
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