法人ユーザーには、映像と5Gを掛け合わせたさまざまなサービスを展開している。
2020年12月には、JR東日本と「空間自在プロジェクト」を立ち上げた。このプロジェクトではポストコロナ社会を見据え、交通と通信の融合により、場所や時間にとらわれない分散型まちづくりの実現を目指している。20社以上が参加してプロジェクトを進めており、リモート会議をスムーズに進めるための課題解決などに取り組んでいるという。
他キャリア同様、KDDIもパートナーとの協業を重視。法人顧客のDXを支援する法人部門、新ビジネスの開発拠点であるKDDI DIGITAL GATE、応用研究の開発拠点としてKDDI research atelierの3拠点が東京・虎ノ門に集中している。
KDDI DIGITAL GATEや法人部門が、現在から2〜3年後の課題解決に取り組んでいるのに対し、2020年12月に開設されたKDDI research atelierは、2030年に向けたユースケース、ライフスタイルを検討している。10年先の新しい課題を見いだし、小西氏が所属する先端技術研究所で取り組んでいる基礎研究や要素技術を、新しいライフスタイルやユースケースに活用していく。
KDDI research atelierではライフスタイルを9つに分類して、Beyond 5G/6G時代の新しい「9つのライフスタイル」として提案。これらのライフスタイルに基づくユースケースを検討し、7つの技術で実現していく。
「Beyond 5G/6G時代において大事なことは、ユースケースと技術のマッチング。これをやっていかないと、Beyond 5G/6Gは絵にかいた餅になってしまうという危機感がある。ニーズとシーズ(技術)のマッチングをやっていきたい」(小西氏)
「購買」のライフスタイルとユースケースについても紹介。将来、フードデリバリーのみならず、さまざまなものがデリバリーされる「ライフデリバリー」を実現するべく、必要な技術の開発と、それが本当に受け入れられるかという受容性の評価を行っていく。
会場ではライフデリバリーの4つのシーンを紹介したが、これら4シーンを実現するために7つの技術全てが関わってくる。小西氏は「もちろん技術で実現していくが、『ユーザーセントリックアーキテクチャ』という概念の下、お客さま一人一人に適したサービスの提供が究極の目的」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.