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「人事評価は必要か」「まかない」「優秀なエンジニアとは」──ベンチャー経営者が語り合うIVS 2010 Fall(6/6 ページ)

» 2010年12月22日 16時33分 公開
[高杉貴,ITmedia]
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「優秀なエンジニア」とは?

海老根 会場のみなさんからご質問を受けたいと思っているのですが。

質問者 マイネットジャパンの上原と申します。近藤さんに質問を。Web 2.0世代からすると、はてなさんは変な会社の象徴だと。ただ最近の話をうかがっていると、何かの切り替えがあったんだろうなと。その辺を掘り下げて教えてください。

近藤 僕自身が書いた書籍が「変な会社の作り方」という本で立って会議をするとか書いて新進の会社として取り上げられたことがあったんですけど、おっしゃるように変遷しているかなぁと思っています。基本的にエンジニア主体で好き放題モノを作っていればヒットに恵まれると思っていたんですが、それだけでは組織としてはまとまってやっているメリットが生かされないなあと。1個のアカウントで相互的な体験を提供という、はてなとしては方向性を定めて集結させないといけないなと感じた次第ですね。

質問者 アライドアーキテクツの西田と申します。優秀なエンジニアの定義と、どういう育成方法を取っているか教えてください。

近藤 技術力が高い。切磋琢磨して技術力を伸ばすカルチャーを作るか、一歩抜け出た技術者を評価できる軸を持っているかが肝かなと。うちでいえば、ユーザーに喜ばれる価値の持ち込みやサービスの作り込みができる人になってほしい。失敗の回数は重要だなと思っていて、失敗したから評価を下げるではなく、当たるのは3割くらいだよと伝えるようにしています」

田中 無茶ぶり経営なんで。一番近い会社はたけし軍団だと思うんですけど(会場から笑い)。「ダンカンこの野郎」みたいな感じで。5メートル飛べるやつには8メートル死ぬ気で飛べって言うし、3メートル飛べるやつには5メートル飛べっていうし。飛べたやつは自信付けてもっと飛ぶだろうし。落ちたやつは消えていくだけって感じで。ただやってるだけなんですよね。

 ただ、3メートル飛べるやつに10メートル飛ばせると、そいつが落ちたせいで周りが迷惑する可能性があるので、そこの見極めが僕の一番大事なところなのかなと。飛ばせる幅って、カルチャーとか大事って言うけど、ドラゴンボールの悟空じゃないけど死ぬ気で戦った時じゃないと残らないと思うんですよ。臨死体験とかして、死ぬやつは死ねばいいし、残ったやつはめちゃくちゃ強くなるし、それを繰り返して会社が残ってれば会社は強くなるし、僕かみんなが力がなければ会社が残らない。それだけ。

千葉 セルフマネジメントができる人。育て方ですけど、基本エンジニアがエンジニアを見る。社長はエンジニアですし。2点目は業務の配置をゼネラリスト型にしてなるべく広く回してあげる。3点目は時間を自由にしてあげる。夜や土日のフリーな時間を会社でだらだら過ごしていいよってする。書籍を全部無料にして何でも読んでいいよってな風にする。そこで自然発生的に勉強会とかになるってやっています。余った時間や仕事の時間以外の使い方が自由なんです。

佐々木 モノを作るだけでなく、ビジネスを作れる人が優秀なエンジニアだと思っています。B2Cなので単純にお金だけでなくて、お客様に喜んでいただけることもまで考えることのできる人が優秀かなと思っています。全員が経営者感覚を持てるようにワークショップですとか、朝会とかでビジョンを持って話せるようにしています。育成はワークショップ、今後定期的にやっていこうと思っています。研修とかはやっていなくて仕事の中で覚えていってもらおうと思っています。

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