ASUSのマザーボードには「AI NOS」を初めとする独自のオーバークロック設定項目が多数用意されている。A8R32-MVP DELUXEにはA8R-MVPでなかった設定項目も追加されており、そのいくつかは初期状態で有効になっている(例えば「Chipset」→「PCIExpress Configuration」→「10% Extra Current for……」 (GPP、SB、GFX1、GFX2それぞれにある)は初期設定でEnableである)。今回の評価ではXPRESS Routeの効果を抽出するため、オーバークロックがかかりそうな項目はすべてマニュアルで設定するか、Disableに指定した。具体的には以下の項目を変更している。
JamperFree:
AI OverClock=Manual(CPU=200、PCIE=100)
FID/VID Change=Manual(倍率=x14、電圧=1.350V)
OVER-Voltage(VCORE、NB、SBそれぞれで)=Disable
DDR CLOCK SKEW(Bank A、Bank Bそれぞれで)=Normal
CPU Configration:
MemoryConfigration→memory timing Configuration→MemClockMode=Limit
Chipset:
PCIExpress Configuration→10% Extra Current for (GPP、SB、GFX1、GFX2それぞれで)=Disable
(A8R-MVPも同じ。ただし、PCI Express Configurationの項目はA8R32-MVP DELUXEと大きく異なりほとんど設定項目がないため初期設定のままとした)
主要な3DゲームタイトルについてはATIがすでにデータを示しているので、ここではFuturmark系のベンチマークから「3DMark06」「3DMark05」と非Futuremark系テストとしてAquamark3を使って測定した。負荷が重くなればなるほどRADEON XPRESS 3200のデュアルX16の効果ははっきりと出てくるとATIは説明しているので、測定条件は「解像度1600×1200ドット」「アンチエイリアス=4サンプリング、異方性フィルタリング=16」としている。測定結果は以下の表のようになった。
Athlon 64 FX-57 | 3DMark06 | 3DMark05 | Aquamark3 |
RADEON XPRESS 3200 | 5880 | 12046 | 84.78 |
RADEON XPRESS 200 | 5793 | 12090 | 87.70 |
Athlon 64 3500+ | 3DMark06 | 3DMark05 | Aquamark3 |
RADEON XPRESS 3200 | 5189 | 9844 | 70.87 |
RADEON XPRESS 200 | 5153 | 10028 | 73.23 |
Athlon 64 FX-57と組み合わせたハイエンド構成において、最も世代が新しく負荷も重い3DMark06で2%程度の性能向上が確認されたが、3DMark05とAquamark3では逆にRADEON XPRESS 3200マザーの結果が低くなっている。ただし、上がるにしても下がるにしても10%に満たない範囲だ。
GPUの性能が真に問われるのは最新の3Dゲームにおける性能であるから、ATIが示したデータにあるゲームタイトルでATIが示す結果がそのとおり発揮できるのであるならRADEON XPRESS 3200を導入する意義はある。3DMark06をはじめとする今回の測定はベンチマークに過ぎない。ただ、Futurmark系とAquamark3においては顕著な変化が見られなかった、ということがいえるだけだ。
オンボードでサポートされる機能が同程度であるRADEON XPRESS 3200搭載マザーボードとRADEON XPRESS 200 Crossfire Edition搭載マザーボードの実売価格が同じであったなら、「前者を選ばない理由はない」といえるだろう。
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