なぜATOKを使い続けるのか、その理由を語ろう座談会(4/4 ページ)

» 2006年03月27日 00時00分 公開
[栗田昌宜,ITmedia]
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文章作成の右腕以上の存在

ITmedia ここまでは、3人の共通点である執筆者/編集者の視点でATOKについて語ってもらいましたが、ビジネスの観点ではどうでしょう。

Office連携ツール
登録ユーザー向け(ATOKの単体パッケージ版には標準付属)に配布されている「Office連携ツール」を使用すると、Word文書中の専門用語を一括で単語登録したり、Excelの関数を日本語で入力できるようになる。Office製品ユーザーにとっても重宝する便利だ

松井 ATOKのWebサイト「ATOK.com」で提供されている「Office連携ツール」(編集部注:ATOKの単体パッケージ版には標準付属)を組み込むと、WordやExcelの文書やInternet Explorerの表示ページから一括で単語登録できるようになりますが、この機能がとても便利です。とくに人名やカタカナの固有名詞などの登録ですね。登録前に一覧画面で確認できるので安心ですし。

ITmedia では、教育の観点では?

川越 先ほどの繰り返しになりますが、子供たちに渡す教材などでは文章に間違いがあっても笑い話で済みますが、保護者とか外部向けの文書では間違いがあってはなりませんので、その場で間違いを指摘してくれるATOKはありがたいです。

 ちょっと話が変わりますが、1992年にATOK監修委員会が発足し、日本語学者や学校の先生が委員に参加したと聞いたとき、最初は「えっ? 何で?」と、今から思えば愚かな疑問を持ったものですが、単に仮名を漢字に変換するだけでなく、正しい、きちんとした日本語を組み込もうとしてたんだなと気がついて、改めてATOKは素晴らしいと思ったものです。敬語の混同や、わかりにくい表現や誤用しやすい表現などを指摘して、正しい日本語の文章を作成できるようにしようという発想は、やはりその道の専門家でないと出なかったでしょうから。

ITmedia 間違いを訂正してくれるとか、曖昧な記憶から確実な言葉を導き出してくれるとか、文書作成をアシストする機能がずいぶん搭載されていますね。

松井 平成の大合併で市町村名もずいぶん変わりました。名称変更アシスト機能のおかげで、顧客データベースを作っている人はずいぶん助かっているのではないでしょうか。郵便番号から住所に変換する機能も便利ですね。また、今回のバージョンアップで推測変換の住所候補が絞り込まれていくようになり、とても使いやすくなりました。

日付入力支援機能
「きょう」や「いま」などのキーワードで今日の日付や今の時刻を入力したり、和暦から西暦へ、西暦から和暦へ双方向に変換できる。登録ユーザー向けに配布されている「西暦和暦変換辞書」を追加すれば、歴史時代の和暦/西暦も双方向に変換可能

川越 日付入力支援機能も便利です。和暦/西暦のどちらへも変換できますし、「西暦和暦変換辞書」を追加すれば、歴史時代の和暦/西暦も変換できます。あと、子供たちは授業で電子メールを習うんですが、今風の言葉というか、独自の言い回しを使いますよね。それがきちんと変換される。「ワンセグ」とか、最新の時事用語もカバーしてるみたいですし。

松井 ATOKは、他にも話し言葉や方言、文語などをきちんとサポートしてますね。ATOK監修委員会を発足させたり、アンケートで日本語の実態を調査したり、そういう、日本語にきちんと取り組もうという姿勢がいいです。

ITmedia 最後にこれだけはぜひ言っておきたいというものがあればどうぞ。

田中 先ほどの話の繰り返しになりますが、多種多様な辞書・辞典が揃っていることがやはり大きいです。法律事務所に勤める友人から聞いた話なのですが、一太郎がその事務所の指定ワープロになっていて、ATOKに「有斐閣法律法学用語変換辞書」を組み合わせて使っているそうです。それなしでの仕事は考えられないとのことで、まさに右腕以上の存在になっているようです。

松井 確かに私もATOKなしでは文章を書けないです。手で書けといわれても、もう無理。ほとんどATOKでものを考えてますから。

 言い残したことといえば、ATOKはいろいろな機能のキーアサインが良いんです。他の日本語入力システムもだいたい同じなのですが、ほんのちょっとしたところに差があって、それが実に良いんです。例えば、確定後の文字を再変換別読みにする場合でも、ATOKだとキーボードだけで行えます。

田中 スペースキーで変換するのも、ATOKが最初ではありませんでしたっけ?

松井 そうです。当時はスペースキーがもっと長くてスペースバーと呼ばれていて、右手でも左手でもスムーズに変換できて、とても便利だった。

ITmedia 今後のATOKに望むことは何かありますか?

川越 一太郎とATOKには、いつも新たな提案をしてもらっている気がします。ですので、要望と言うよりも、今後も新たな提案で驚かせ続けてほしいと思っています。

松井 個人的には、入力した仮名の履歴を最初から全部残してほしい。その人がどんなキーを打ってどんな言葉を入力したのかは、日本語入力では一番大切な情報なので、すぐに捨ててほしくないんです。その情報を留めておけば、いろいろなことに応用できるはずです。もちろん無限に、ではなく、ユーザーが捨てる指示をするときまでとか、メモリの上限に達するまでとかでいいですので、ぜひやってもらいたいですね。

田中 ちょっと突飛な発言ですが、早くキーボードがなくなってほしいとずっと思っています。一時期、音声入力ソフトが注目を集めたことがありましたが、それとはまた違った形で日本語入力の新たなインタフェースを作り、そこにATOKが搭載されれば、もっといろんな分野で日本語入力が楽になるのではないかと。ATOKはPCの世界から飛び出して、携帯電話やIT家電などにも載るようになってきているわけですから、ぜひその可能性を追究してもらいたいです。

 競争がなくなると、進化は停滞します。だからジャストシステムには本当に頑張ってもらいたいし、今まで通り、日本語の文化を守り続けていってもらいたいです。

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提供:株式会社 ジャストシステム
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年4月19日

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