“新プラットフォーム”採用のノートPCが目玉――Home Premiumに方向転換した富士通FMVシリーズ2007年夏 Vista搭載PC特集(1/3 ページ)

» 2007年04月17日 12時05分 公開
[前橋豪,ITmedia]

FMV-TEO/FMV-DESKPOWERシリーズの主な特徴

ラインアップ

  • 新シリーズの追加は見送り
  • FMV-DESKPOWER TXは春モデルを継続販売

ハードウェア

  • FMV-DESKPOWER LXをフルモデルチェンジ、Dixelエンジンボードを搭載
  • Windows Vista Premiumの積極採用にともないメモリ増強
  • サポートソフト起動ボタンを積極的に搭載

ソフトウェア

  • Windows Vista Home Premium搭載モデルが増加
  • デジタル放送のおすすめ番組抽出機能を追加
  • 顔認識技術を備えた写真管理ソフト「3D MediaSurfing」
  • PC乗換ガイドの機能を強化

FMV-BIBLOシリーズの主な特徴

ラインアップ

  • 新シリーズの追加は見送り
  • かつての主力モデルFMV-BIBLO NBが終息
  • FMV-BIBLO LOOX P/Qは直販専用(LOOX Qは継続販売)

ハードウェア

  • FMV-BIBLO MGに非公表の新CPUと新チップセット、13.3インチワイド液晶を採用
  • FMV-BIBLO NFに非公表の新CPUと新チップセットを採用、新色追加
  • FMV-BIBLO NXに新色追加
  • FMV-BIBLO LOOX TのACアダプターを小型化、直販モデルに802.11nを新採用
  • Windows Vista Premiumの積極採用にともないメモリ増強
  • サポートソフト起動ボタンを積極的に搭載

ソフトウェア

  • Windows Vista Home Premium搭載モデルが増加
  • 顔認識技術を備えた写真管理ソフト「3D MediaSurfing」
  • PC乗換ガイドの機能を強化


Vista Home Premiumを積極的に採用、Home Basicはわずか2モデルに

夏モデルでフルモデルチェンジを果たしたFMV-BIBLO MGシリーズの上位モデル

 富士通は4月17日、個人向けPCの2007年夏モデルを発表した。店頭販売向けの23モデルを4月20日より順次発売する。デスクトップPCのFMV-DESKPOWERシリーズは、液晶一体型の主力となるLX、コンパクトな液晶一体型のEK、セパレート型のCEを用意。ノートPCのFMV-BIBLOシリーズは、AV機能重視のNX、主力のワイドノートNF、モバイル向けに大画面のMGとコンパクトなLOOX Tを展開する。かつてA4ノートPCの主力だったスクエア液晶搭載のFMV-BIBLO NBは今回から省かれた格好だ。

 なお、AV機能を重視した大画面液晶一体型のFMV-DESKPOWER TXと、薄型軽量モバイルノートのFMV-BIBLO LOOX Qは春モデルが継続販売される。また、FMV-BIBLO LOOX Qとタブレット機能付き小型モバイルノートPCのFMV-BIBLO LOOX Pは富士通直販のWEB MART専用モデルとなる。そのほか、WEB MARTでは全シリーズで一部スペックを選択可能なカスタムメイドモデルを用意している。

 夏モデル全体を通じての大きな特徴は、プリインストールされるVistaのエディションが大幅に変更された点だ。春モデルはラインアップの1/3以上が低価格なVista Home Basic搭載モデルだったが、夏モデルでは市場のニーズに合わせてVista Home Premium搭載モデルが大幅に拡充された。店頭販売向けの全23モデルのうち、21モデルにVista Home Premiumを採用しており、Vista Home Basic搭載機はFMV-DESKPOWER EKシリーズの1モデル、FMV-BIBLO NFシリーズの1モデルだけとなっている。

 また、Vista Home Premiumの拡充にともない、メインメモリの標準容量はほとんどのモデルで1Gバイトに強化された。FMV-DESKPOWER EKを除き、Vista Home Basic採用のFMV-BIBLO NFエントリーモデル「NF40W」を含む全機種に1Gバイトのメインメモリが標準装備されている。春モデルは、標準のメモリ容量が512Mバイトと少ないVista Home Basic搭載機が目立ったが、今シーズンはメインメモリの増強によって低価格機でもパフォーマンスが改善された格好だ。ただし、エントリーモデルの実売価格は春モデルより高めにシフトしている。

ワイド液晶を採用しつつ薄型軽量化も果たした新FMV-BIBLO MG

 夏モデルで最も注目したいのは、富士通が“大画面モバイル”として推進するFMV-BIBLO MGシリーズの上位モデルがフルモデルチェンジを果たしたことだ。シリーズ初のワイド画面となる1280×800ドット(WXGA)対応の13.3インチワイド液晶パネルを搭載する一方、薄型LEDバックライトや9.5ミリ厚DVDスーパーマルチドライブなどを採用することで、ボディの薄型化と軽量化に努めている。

 本体サイズは314(幅)×234(奥行き)×22.4〜31.5(高さ)ミリ、重量はワンセグチューナーとBluetooth 2.0+EDRを備えた「MG70W/V」で約1.71キロ、これらを内蔵していない「MG70W」で約1.69キロ(ともにDVDスーパーマルチドライブ装着時)となっており、13.3インチワイド液晶ディスプレイを搭載したノートPCとしてはかなり薄型軽量に仕上がっている。DVDスーパーマルチドライブは着脱可能で、用途に応じて付属のベイカバーやオプションの増設バッテリーが装着できる「モバイルマルチベイ」は健在だ。指紋センサーや加速度センサーによるHDDプロテクション機能といったモバイルノートPCに必須の機能も備えている。

 さらに、FMV-BIBLO MGのワイド液晶搭載モデルとFMV-BIBLO NFの上位モデルは、現状で非公表とされている最新のCore 2 Duoとインテルの最新チップセットを装備しているのは見逃せない。これらは、インテルが今夏の投入予定をアナウンスしている次期Centrino Duo(コードネームSanta Rosa)を採用した製品で、Core 2 DuoはFSB 800MHz対応版と予想される。

 なお、FMV-BIBLO NFの上位2モデルとFMV-BIBLO NXでは、ボディのカラーに新色の「レザーブラック」を配することで、ホワイト基調の下位機種と一目で違いが分かるように工夫している。

FMV-BIBLO MG70W/V(写真=左)、FMV-BIBLO NF75W/V(写真=中央)、FMV-BIBLO NX95W/D(写真=右)。FMV-BIBLOシリーズ全体を通して、ハイスペックなモデルにブラックのボディを用いているのが、今期の特徴だ

使い勝手を高めた液晶一体型PCのFMV-DESKPOWER LX

 一方、デスクトップPCではFMV-DESKPOWER LXの強化がトピックだ。液晶ディスプレイ下のベース部分が薄く見える新デザインのボディーを採用し、本体前面に輝度変更ボタンやトラブル時に役立つ診断ボタン(詳細は後述)を設けることで、使い勝手の向上に配慮している。

 また、FMV-DESKPOWER TXと同等のDixelエンジンボードを採用しており、「DigitalTVbox」、「リモコンでネットテレビ」(Flashなど一部コンテンツ除く)、「WinDVD」、「MyMedia」といったアプリケーションを使う際、自動的に色補正をかけて最適な画質と明るさで表示する「あざやかウィンドウ」機能が利用できるようになった。デジタル放送の60フレーム表示にも対応している。

20.1インチワイド液晶搭載のFMV-DESKPOWER LX70W/D(写真=左)。17インチスクエア液晶搭載のFMV-DESKPOWER LX50W/D(写真=中央)。映像の入力から出力まで、各部分ごとに最適な高画質化技術を施すDixelエンジンボード(写真=右)

 それでは、次にソフトウェアやサポート機能の強化点を見ていこう。

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