今回のチップスが使えるエディションは? | ||||
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エディション | Home Basic | Home Premium | Business | Ultimate |
対応状況 | △ | △ | ○ | ○ |
※Home Basic/Home Premiumは「以前のバージョン」機能をサポートしていないため、「システムの復元」で利用する領域の変更のみになる |
「4枚め:間違って削除したファイルを復元する」では、シャドウコピー(以前のバージョンの復元)機能によるファイルの復元方法を紹介した。シャドウコピーは、システムの復元機能を実行したときにシステムが自動的に実行するため、ユーザーが意識しなくてもファイルのバックアップが行えるというメリットがある。
しかし、システムの復元やシャドウコピーは、知らない間にHDD容量を消費するというデメリットも持つ。システムの復元に必要なHDD容量は300Mバイトと小さく、HDD容量が1Gバイト未満の場合はシステムの復元を実行しないものの、最大でHDD容量の15%を使用するため、大容量HDDではそれだけバックアップ用の領域が大きくなる。ちなみに、シャドウコピーもシステムの復元の一部として実行されるため、利用するHDD容量は同じだ。
Windows XPにおけるシステムの復元機能では、システムのプロパティから使用するディスク容量を指定できた。しかしVistaにおけるシステムのプロパティは、任意のタイミングで復元ポイントを作成できるが、利用する領域を設定できない。
Vistaでシステムの復元とシャドウコピーに使う領域を指定するには、ボリュームシャドウコピーサービス管理コマンドラインツールの「vssadmin.exe」を利用する。管理ツールはコマンドラインのアプリケーションで、実行には管理者特権が必要になる。コマンドプロンプトを管理者として実行しよう。スタートメニューで「すべてのプログラム」を選び、「アクセサリ」の「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択すればよい。
システムの復元に使われている領域の情報を表示するには、コマンドプロンプトで「vssadmin List ShadowStorage」と入力して実行する。ここから、シャドウコピーの領域として使われているボリュームや、使用中の領域、割り当て領域、最大領域が確認できる。ここで最大領域をチェックしておく。
システムの復元に使われているサイズを変更する場合は「vssadmin Resize ShadowStorage /For=対象ドライブ /On=記憶域のボリューム /MaxSize=変更サイズ」と指定する。サイズを変更する場合、対象ドライブとシャドウコピーの記憶域ボリュームは「vssadmin List ShadowStorage」で確認した情報と一致させることが必要だ。
たとえば、対象ドライブと記憶域のボリュームを「Cドライブ」、変更後のサイズを「1Gバイト」に設定する際、「vssadmin Resize ShadowStorage /For=C: /On=C: /MaxSize=1GB」と指定する。サイズを小さくすると、シャドウコピーによって取得したバックアップが削除される可能性があるので注意が必要だ。
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