オーバークロック性能“4割増し”のハイエンドチップセット「nForce 790i Ultra SLI」

» 2008年03月19日 00時00分 公開
[ITmedia]

 nForce 790i SLIシリーズは、インテルプラットフォーム向けの最上位となるチップセットで、すでに発表されているnForce 780i SLIの上位ラインアップとなる。このシリーズには、上位モデルの「nForce 790i Ultra SLI」とノーマルモデルの「nForce 790i SLI」が用意され、NVIDIAのラインアップ資料によると、nForce 790i SLIは、すでに登場しているnForce 780i SLIとほぼ同等の機能(3-way SLI対応、PCI Express 16レーンに対応したスロットを3基サポート、ESA対応)を備えたDDR3メモリ対応版という位置付けになっている(nForce 780i SLIはDDR2対応)。

NVIDIAの資料にあったインテル向けnForceのラインアップ。最上位のnForce 790i Ultra SLIを搭載したマザーボードの価格は350ドル以上、nForce 790i SLIを搭載したマザーはnForce 780i SLIマザーと同等の250ドル以上が想定されている
nForce 790i Ultra SLIの構成。MCPでは2つのギガビットLAN、10個のUSB 2.0、6ポートのSATA、2ポートのPATA、5つのPCIスロットがサポートされる。また、NVIDIAの省電力技術「ESA」にも対応する

 「Ultra Enthosiast」向けとされたnForce 790i Ultra SLIでは、FSB1600MHzに対応するほか、DDR3メモリでは、独自のメモリアクセラレーション機能「SLI Memory」で新しい独自規格「EPP 2.0」に対応したメモリを用いることで、自動的にオーバークロック設定が有効になる。NVIDIAの説明によると、EPP 2.0に対応したメモリはCORSAIR、Kingston、OCZ Technology、Qimondaなど、日本でも流通しているメモリベンダーから出荷される予定だ。

 加えて、NVIDIA SLI構成におけるパフォーマンスアクセラレーションのために、「PW Shortcut」「Broadcast」と呼ばれる技術が導入された。PW Shortcutは、nForce 790i SLIが対応している2つのPCI Express x16 Gen.2スロットに接続したそれぞれのGPUが「point to point」でデータをやり取りできる仕組み、Broadcastは、CPUからの命令を複数のGPUに同時に伝達する仕組みで、複数のGPU間、CPUと複数のGPU間のデータ送受を高速化することでNVIDIA SLI構成におけるパフォーマンスを向上させる。

 NVIDIAが示したデータでは、nForce 790i Ultra SLIで可能になるオーバークロックパフォーマンスは、nForce 780i SLI、nForce 680i SLIの40%増になるというデータが示されていた。

nForce 790i SLIに導入されたPW Shortcutにおけるデータの流れ
nForce 790i SLIに導入されたBroadcastにおけるデータの流れ

 nForce 790iシリーズでは、これまでのチップセットと同様に、搭載するマザーボードにリファレンスとなるレイアウトが用意される。nForce 790iシリーズでは、電源回路周辺とSPPをヒートパイプで連結したフィンクーラーを搭載したほか、SPPとMCPを連結したヒートシンクで効果的な冷却を行う。SPPのクーラーユニットには、nForece 680iやnForce 780iと同様に、ファンユニットを工具なしで載せることも可能だ。

NVIDIAが示したnForce 790i Ultra SLI搭載マザーボードのリファレンスデザイン

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