9月9日に発表されたソニーの「VAIO type J」は、デスクトップ型VAIOの新しいエントリー機となる省スペースな液晶一体型デスクトップPC。9月20日に本体色がシルバーの「VGC-JS50B/S」、ピンクの「VGC-JS50B/P」、シルバーでOffice 2007 Personalが付属しない「VGC-JS50/S」の3モデルが発売される予定だ。PC本体の基本スペックはいずれも変わらない。
量販店での予想実売価格はVGC-JS50B/SとVGC-JS50B/Pが15万円前後、VGC-JS50/Sが13万円前後と、VAIO新機種の中では最も安価に購入できる製品となる。さらにソニースタイルで直販されるVAIOオーナーメードモデルならば、9万9800円から購入できるのもポイントだ。今回は発売に先駆けてVGC-JS50/Sの試作機を入手できたので、早速試してみた。
ソニー、低価格の大画面液晶一体型や動画/写真編集マシンなどVAIO新モデルを発表
WSXGA+液晶と低価格で攻める新しい液晶一体型――「VAIO type J」
25.5型ワイド液晶を一体化したクリエイティブPC――「VAIO type R」
大画面化しフルHDにも対応した“ITA PC”――「VAIO type L」
Adobe RGBカバー率100%の18.4型ワイドノート――「VAIO type A」
全モデルCentrino 2対応となった“マイノートPC”――「VAIO type C」
国内メーカー各社は、いわゆる「ボードPC」と呼ばれるスリムな液晶一体型PCをデスクトップPCの主力商品に据えている。ソニーは「VAIO type L」をはじめ、このジャンルに以前から積極的に取り組んできたメーカーだが、今回VAIO type Jがこだわったのは低価格帯ながら快適な操作環境を実現することだ。
ライバル機は解像度が1366×768ドット/1440×900ドットの16〜19型ワイド液晶パネルを採用していることが多いが、VAIO type Jはこれより一回り大きな1680×1050ドット表示の20.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載する。これはデルの「XPS One」やアップルの「iMac」20インチモデルと同じ画面サイズだ。20.1型ワイド液晶を備えていながら、本体サイズは487(幅)×157(奥行き)×408(高さ)ミリ、重量は約8.5キロと、奥行きが16センチを切る短さに仕上がっているため、設置性は高い。
本体のデザインは同社の液晶テレビ「BRAVIA M1」シリーズを思わせるループデザインが特徴だ。外枠のフレームが本体をぐるりと囲み、余計な装飾が排されたそのデザインはまるで液晶テレビだが、VAIO type Jにテレビチューナーは内蔵されていない。低価格を感じさせない外装は、デザインにこだわる向きにもうれしいところ。キーボードとマウスはワイヤレスではなくUSB接続だが、本体とデザインの調和を考えた薄型のキーボードとシンプルなマウスが付属する。
液晶ディスプレイをおごった半面、低価格を実現するために、基本スペックは控えめになっている。店頭モデルはCPUがPentium Dual Core E2200(2.2GHz/2次キャッシュ1Mバイト/FSB 800MHz)、チップセットがグラフィックス機能統合型のIntel G45 Express、メインメモリが標準2Gバイト(1Gバイト×2)/最大4GバイトのPC2-6400、HDDが回転数7200rpm/容量320Gバイト、光学ドライブがDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチといったスペックだ。
この中で特に気になるのはCPUのPentium Dual Core E2200だが、パフォーマンスでキャッシュ容量が多いCore 2 Duoに劣ることは否めない。ただし、プリインストールOSのWindows Vista Home Premium(SP1)はバックグラウンドでの処理が多いこともあり、デュアルコアのPentium Dual CoreはシングルコアのCeleronより快適にVistaを操作できる。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアを見ても、CPUは5.1、HDDは5.9と好結果が出ており、PCMark05、3DMark06、FF XIベンチといったベンチマークテストの成績を見ても家庭向けのオールインワンPCとして見た場合、まずまずの性能だ。
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