VAIOシリーズの中で、スリムな液晶一体型PCに位置付けられる「VAIO type L」に新モデルが登場した。従来の夏モデルで22型/19型ワイド液晶ディスプレイを搭載した上位機がフルモデルチェンジを果たし、それぞれ24型/20.1型ワイド液晶ディスプレイ(クリアブラック液晶)に大型化した。店頭モデルのラインアップは従来の5モデルから、それぞれ2モデルずつの計4モデル構成となった。
具体的には、1920×1200ドット表示のフルHD対応になった24型ワイドモデル「VGC-LV70DB」と「VGC-LV50DB」、1680×1050ドット表示対応の20.1型ワイドモデル「VGC-LN70DB」と「VGC-LN50DB」が店頭モデルとして用意される。全モデルで地上デジタルチューナーを2基内蔵しているほか、VGC-LN50DBを除く上位3モデルには2層BD-RE/BDに等速、1層に2倍速で書き込めるBlu-ray Discドライブを内蔵しているのが特徴だ。また、それぞれ上位にあたるVGC-LV70DBとVGC-LN70DBにはVAIO AVCトランスコーダーを内蔵し、より高画質で長時間のハイビジョン録画が行える。テレビソフトウェアはGiga Pocket Digitalで、ダビング10の標準対応や2番組同時録画/裏番組録画に対応する。なお、最上位モデルのVGC-LV70DBでは、GPUにGeForce 9300M GS(グラフィックスメモリは256Mバイト)を搭載して高画質エンジンの「Motion Reality HD」に対応していたり、HDMI入力端子(背面に1基)を実装してPCの電源を入れずにプレイステーション3などを接続して楽しめたりするのがアドバンテージとなっている。
これまでのフォトスタンドを大型化したようなボディをやめ、液晶パネル+スタンドという液晶ディスプレイライクのデザインに改められたのも秋冬モデルからのポイントだ。シンプルな外観を継承しつつ、ディスプレイ周囲にミラー印刷を施してインテリアになじむのを目指しており、大画面化しながら奥行きが約175ミリ(本体直立時)という省スペースを実現している。ボディサイズは24型ワイドが657.2(幅)×175×(奥行き)×467(高さ)ミリ、20.1型ワイドが570.8(幅)×175×(奥行き)×413(高さ)ミリ(ともに本体直立時)で、前に5度、後ろに20度のチルト機能を持つ(スイベルは非対応)。スタンドを取り外すと100ミリ×100ミリのVESAアームマウント規格のネジ穴が現れ、同社のデジホームサポートを利用することで壁掛けにも対応している。
PCのアーキテクチャも、Intel GM965/PM965 Express世代から最新のIntel G45/P43 Express世代になり、FSBが800MHzから1066MHzに引き上げられた。CPUは全モデルでCore 2 Duo E7200(2.53GHz/2次キャッシュ3Mバイト)に統一され、メモリも2Gバイト(PC2-6400対応)となった。HDD容量は、VAIO AVCトランスコーダーを内蔵したVGC-LV70DBとVGC-LN70DBが500Gバイト、残りの2モデルが320Gバイトで、いずれも3.5インチの7200rpmドライブを内蔵する。有線LANはギガビット対応で、無線LANが全モデルともIEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0準拠)となり、Bluetooth 2.1+EDRが標準で内蔵済みだ。
OSはWindows Vista Home Premium(SP1)で、Office Personal 2007(SP1)が全モデルで採用されている。発売はVGC-LV70DBとVGC-LN70DBが11月上旬、VGC-LV50DBが9月20日、VGC-LN50DBが9月13日の予定で、実売価格はVGC-LV70DBが28万円前後、VGC-LV50DBが25万円前後、VGC-LN70DBが24万円前後、VGC-LN50DBが20万円前後の見込みだ。
一方で15.4型ワイド光沢液晶ディスプレイを搭載したエントリーモデルは、夏モデルの4色カラーバリエーションや地上デジタルチューナー内蔵モデルがなくなった。具体的には、従来の下位モデル「VGC-LJ52B」シリーズを引き継ぎつつ、CPUをCeleron 550(2.0GHz)からCore 2 Duo T8100(2.1GHz)に、チップセットがIntel GL960 ExpressからIntel GM965 Expressに、メモリ構成を1Gバイト×2から2Gバイト×1に変更した「VGC-LJ53B/W」のみが店頭で展開され、ボディカラーもエバーホワイトだけとなった。なお、上記の変更に伴ってバッテリー駆動時間が約2.5時間から約3時間に延びている。ちなみに、OSはWindows Vista Home Premium(SP1)で、オフィススイートのOffice Personal 2007(SP1)がプリインストール済みだ。
上位モデルと同じように直販のソニースタイルではパーツのカスタマイズが行え、VAIOオーナーメードモデル限定カラーも選べる。新色の「オーシャンブルー」をはじめ、フロスティピンク、コスミックブラック、プレシャスゴールドの限定カラーのほか、エバーホワイトの計5色が用意される。地上デジタルチューナーの内蔵も可能だが、店頭モデルと同様、ソフトウェア構成が従来モデルベースとなるので、採用されるテレビアプリケーションが「Giga Pocket Digital」ではなく、「TV Enhance for VAIO」となる点には注意したい。
そのほかの仕様に変更はなく、1280×800ドット表示対応の15.4型ワイド光沢液晶ディスプレイ(クリアブラックLE液晶)、IEEE802.11g/b対応の無線LAN、100BASE-TXの有線LAN、FAXモデムを備える。ボディサイズは486(幅)×135(奥行き)×313(高さ)ミリ(本体最小傾斜時)、重量も約5.3キロのままだ。
店頭モデルとVAIOオーナーメードモデルとも9月13日からの発売予定で、実売価格はVGC-LJ53B/Wが16万円前後、直販モデルが9万9800円からとなっている。
VAIO type L店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
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シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
VAIO type L | VGC-LV70DB | 液晶一体型 | フルモデルチェンジ | Core 2 Duo E7200(2.53GHz) | 2048MB | 500GB | Home Premium(SP1) | 28万円前後 |
VGC-LV50DB | 液晶一体型 | フルモデルチェンジ | Core 2 Duo E7200(2.53GHz) | 2048MB | 320GB | Home Premium(SP1) | 25万円前後 | |
VGC-LN70DB | 液晶一体型 | フルモデルチェンジ | Core 2 Duo E7200(2.53GHz) | 2048MB | 500GB | Home Premium(SP1) | 24万円前後 | |
VGC-LN50DB | 液晶一体型 | フルモデルチェンジ | Core 2 Duo E7200(2.53GHz) | 2048MB | 320GB | Home Premium(SP1) | 20万円前後 | |
VGC-LJ53B/W | 液晶一体型 | マイナーチェンジ | Core 2 Duo T8100(2.1GHz) | 2048MB | 160GB | Home Premium(SP1) | 16万円前後 | |
VAIO type L店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
VAIO type L | VGC-LV70DB | 24型ワイド | 1920×1200 | Intel P43 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | GeForce 9300M GS | 地デジ×2 | 約15.4キロ |
VGC-LV50DB | 24型ワイド | 1920×1200 | Intel G45 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | チップセット内蔵 | 地デジ×2 | 約15.4キロ | |
VGC-LN70DB | 20.1型ワイド | 1680×1050 | Intel G45 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | チップセット内蔵 | 地デジ×2 | 約12.4キロ | |
VGC-LN50DB | 20.1型ワイド | 1680×1050 | Intel G45 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | 地デジ×2 | 約12.4キロ | |
VGC-LJ53B/W | 15.4型ワイド | 1280×800 | Intel GM965 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | − | 約5.3キロ | |
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