大画面化しフルHDにも対応した“ITA PC”――「VAIO type L」2008年PC秋冬モデル

» 2008年09月09日 16時00分 公開
[ITmedia]

24型/20.1型ワイドに大画面化して上位モデルは全モデル地デジ内蔵

 VAIOシリーズの中で、スリムな液晶一体型PCに位置付けられる「VAIO type L」に新モデルが登場した。従来の夏モデルで22型/19型ワイド液晶ディスプレイを搭載した上位機がフルモデルチェンジを果たし、それぞれ24型/20.1型ワイド液晶ディスプレイ(クリアブラック液晶)に大型化した。店頭モデルのラインアップは従来の5モデルから、それぞれ2モデルずつの計4モデル構成となった。

ソニーのボードPC「VAIO type L」は、24型ワイドモデル(写真=左)と20.1型ワイドモデル(写真=右)に生まれ変わった

上位モデルは1920×1200ドット表示に対応し、下位モデルは1680×1050ドット表示をサポートする

 具体的には、1920×1200ドット表示のフルHD対応になった24型ワイドモデル「VGC-LV70DB」と「VGC-LV50DB」、1680×1050ドット表示対応の20.1型ワイドモデル「VGC-LN70DB」と「VGC-LN50DB」が店頭モデルとして用意される。全モデルで地上デジタルチューナーを2基内蔵しているほか、VGC-LN50DBを除く上位3モデルには2層BD-RE/BDに等速、1層に2倍速で書き込めるBlu-ray Discドライブを内蔵しているのが特徴だ。また、それぞれ上位にあたるVGC-LV70DBとVGC-LN70DBにはVAIO AVCトランスコーダーを内蔵し、より高画質で長時間のハイビジョン録画が行える。テレビソフトウェアはGiga Pocket Digitalで、ダビング10の標準対応や2番組同時録画/裏番組録画に対応する。なお、最上位モデルのVGC-LV70DBでは、GPUにGeForce 9300M GS(グラフィックスメモリは256Mバイト)を搭載して高画質エンジンの「Motion Reality HD」に対応していたり、HDMI入力端子(背面に1基)を実装してPCの電源を入れずにプレイステーション3などを接続して楽しめたりするのがアドバンテージとなっている。

従来のフォトフレームライクから、液晶パネルとスタンドというボディに改められた。左側面にExpressCardスロットや2基のメモリカードスロット、サウンド、USB 2.0端子がある(写真=左)。右側面にはスロットインタイプの光学ドライブや2基のUSBがあり、最上位モデルには下部にHDMI操作ボタンが用意される(写真=中央)。最上位のVGC-LV70DBのみ、背面にHDMI入力端子を備えている(写真=右)。ただし、地上デジタル放送は付属のリモコンで操作できるが、HDMI入力の操作(入力切り替えや音量調節、画質調整など)はリモコンではなく、右側面にあるボタンを使う必要がある

24型/20.1型ワイドモデルともに2基のSO-DIMMスロットを搭載する。最上位モデルのみ2Gバイト×1で提供され、ほかは1Gバイト×2での実装となる

 これまでのフォトスタンドを大型化したようなボディをやめ、液晶パネル+スタンドという液晶ディスプレイライクのデザインに改められたのも秋冬モデルからのポイントだ。シンプルな外観を継承しつつ、ディスプレイ周囲にミラー印刷を施してインテリアになじむのを目指しており、大画面化しながら奥行きが約175ミリ(本体直立時)という省スペースを実現している。ボディサイズは24型ワイドが657.2(幅)×175×(奥行き)×467(高さ)ミリ、20.1型ワイドが570.8(幅)×175×(奥行き)×413(高さ)ミリ(ともに本体直立時)で、前に5度、後ろに20度のチルト機能を持つ(スイベルは非対応)。スタンドを取り外すと100ミリ×100ミリのVESAアームマウント規格のネジ穴が現れ、同社のデジホームサポートを利用することで壁掛けにも対応している。

 PCのアーキテクチャも、Intel GM965/PM965 Express世代から最新のIntel G45/P43 Express世代になり、FSBが800MHzから1066MHzに引き上げられた。CPUは全モデルでCore 2 Duo E7200(2.53GHz/2次キャッシュ3Mバイト)に統一され、メモリも2Gバイト(PC2-6400対応)となった。HDD容量は、VAIO AVCトランスコーダーを内蔵したVGC-LV70DBとVGC-LN70DBが500Gバイト、残りの2モデルが320Gバイトで、いずれも3.5インチの7200rpmドライブを内蔵する。有線LANはギガビット対応で、無線LANが全モデルともIEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0準拠)となり、Bluetooth 2.1+EDRが標準で内蔵済みだ。

 OSはWindows Vista Home Premium(SP1)で、Office Personal 2007(SP1)が全モデルで採用されている。発売はVGC-LV70DBとVGC-LN70DBが11月上旬、VGC-LV50DBが9月20日、VGC-LN50DBが9月13日の予定で、実売価格はVGC-LV70DBが28万円前後、VGC-LV50DBが25万円前後、VGC-LN70DBが24万円前後、VGC-LN50DBが20万円前後の見込みだ。

背面はすっきりとしているが(写真=左)、テレビアンテナや有線LANなどのコネクタにアクセスする際はカバーを取り除く必要がある(写真=中央)。スタンドを取り除けば、VESAアームマウント規格のネジ穴が現れる。5ボタンマウスとFeliCaポート(Ver.1.0)を内蔵したスリムキーボードはともに無線タイプだ(写真=右)

深夜にテレビ番組を録画する際に重宝する「Display Off」ボタンが電源ボタンの横にある(写真=左)。有効131万画素のWebカメラ「MOTION EYE」は角度調整機能がついている(写真=中央)。24型ワイドモデルは3.5インチHDDベイを2基内蔵し(RAIDには非対応)、うち1基は簡単にアクセスが可能だ(写真=右)

15.4型モデルはデュアルコアCPUを採用するもラインアップは縮小

15.4型ワイド光沢液晶ディスプレイ搭載の新モデル「VGC-LJ53B/W」

 一方で15.4型ワイド光沢液晶ディスプレイを搭載したエントリーモデルは、夏モデルの4色カラーバリエーションや地上デジタルチューナー内蔵モデルがなくなった。具体的には、従来の下位モデル「VGC-LJ52B」シリーズを引き継ぎつつ、CPUをCeleron 550(2.0GHz)からCore 2 Duo T8100(2.1GHz)に、チップセットがIntel GL960 ExpressからIntel GM965 Expressに、メモリ構成を1Gバイト×2から2Gバイト×1に変更した「VGC-LJ53B/W」のみが店頭で展開され、ボディカラーもエバーホワイトだけとなった。なお、上記の変更に伴ってバッテリー駆動時間が約2.5時間から約3時間に延びている。ちなみに、OSはWindows Vista Home Premium(SP1)で、オフィススイートのOffice Personal 2007(SP1)がプリインストール済みだ。

 上位モデルと同じように直販のソニースタイルではパーツのカスタマイズが行え、VAIOオーナーメードモデル限定カラーも選べる。新色の「オーシャンブルー」をはじめ、フロスティピンク、コスミックブラック、プレシャスゴールドの限定カラーのほか、エバーホワイトの計5色が用意される。地上デジタルチューナーの内蔵も可能だが、店頭モデルと同様、ソフトウェア構成が従来モデルベースとなるので、採用されるテレビアプリケーションが「Giga Pocket Digital」ではなく、「TV Enhance for VAIO」となる点には注意したい。

 そのほかの仕様に変更はなく、1280×800ドット表示対応の15.4型ワイド光沢液晶ディスプレイ(クリアブラックLE液晶)、IEEE802.11g/b対応の無線LAN、100BASE-TXの有線LAN、FAXモデムを備える。ボディサイズは486(幅)×135(奥行き)×313(高さ)ミリ(本体最小傾斜時)、重量も約5.3キロのままだ。

 店頭モデルとVAIOオーナーメードモデルとも9月13日からの発売予定で、実売価格はVGC-LJ53B/Wが16万円前後、直販モデルが9万9800円からとなっている。

VAIOオーナーメードモデル限定カラーに追加されたオーシャンブルー(写真=左)。15.4型モデルはソニースタイルで5色展開となる(写真=右)
VAIO type L店頭モデルの概要(その1)
シリーズ名 モデル名 タイプ 従来比較 CPU メモリ HDD OS 実売
VAIO type L VGC-LV70DB 液晶一体型 フルモデルチェンジ Core 2 Duo E7200(2.53GHz) 2048MB 500GB Home Premium(SP1) 28万円前後
VGC-LV50DB 液晶一体型 フルモデルチェンジ Core 2 Duo E7200(2.53GHz) 2048MB 320GB Home Premium(SP1) 25万円前後
VGC-LN70DB 液晶一体型 フルモデルチェンジ Core 2 Duo E7200(2.53GHz) 2048MB 500GB Home Premium(SP1) 24万円前後
VGC-LN50DB 液晶一体型 フルモデルチェンジ Core 2 Duo E7200(2.53GHz) 2048MB 320GB Home Premium(SP1) 20万円前後
VGC-LJ53B/W 液晶一体型 マイナーチェンジ Core 2 Duo T8100(2.1GHz) 2048MB 160GB Home Premium(SP1) 16万円前後
VAIO type L店頭モデルの概要(その2)
シリーズ名 モデル名 液晶 解像度 チップセット 光学ドライブ GPU TV機能 重量
VAIO type L VGC-LV70DB 24型ワイド 1920×1200 Intel P43 BD-R/RE対応Blu-ray Disc GeForce 9300M GS 地デジ×2 約15.4キロ
VGC-LV50DB 24型ワイド 1920×1200 Intel G45 BD-R/RE対応Blu-ray Disc チップセット内蔵 地デジ×2 約15.4キロ
VGC-LN70DB 20.1型ワイド 1680×1050 Intel G45 BD-R/RE対応Blu-ray Disc チップセット内蔵 地デジ×2 約12.4キロ
VGC-LN50DB 20.1型ワイド 1680×1050 Intel G45 2層対応DVDスーパーマルチ チップセット内蔵 地デジ×2 約12.4キロ
VGC-LJ53B/W 15.4型ワイド 1280×800 Intel GM965 2層対応DVDスーパーマルチ チップセット内蔵 約5.3キロ

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