マカフィーは2月10日、コンシューマー向けセキュリティソフトウェア「マカフィートータルプロテクション」「マカフィーインターネットセキュリティ」「マカフィーアンチウイルスプラス」の3製品について、2月12日より順次アップデートの提供を開始すると発表した。2010年版のパッケージは2009年11月に発売されているが、そのリリースからわずか3カ月でのメジャーアップデートになる。今回の内容は、新機能の実装やシステムへの負荷の軽減、UIの改良など、顧客のフィードバックを元にユーザーニーズを反映した多くの変更が施されているという。
検出性能の向上では、アクティブプロテクション技術の応用がトピックだ。同社によれば、2009年版で導入した新技術「アクティブプロテクション」の効果によって、マルウェア検出率が99.9%(AV-Test.org、2009年8月17日〜10月26日)と、首位を獲得する高いレベルに達したが、これをさらに押し進め、Webサイトの信頼性を評価するサイトアドバイザー機能にもクラウドベースのレピュテーション評価を行う新機能を実装した。
1つは「ウェブダウンロードプロテクション」と呼ばれるもので、これにより不正なファイルをダウンロードする前に警告を発し、“疑わしい”ファイルのダウンロード自体をブロックすることが可能になった。もう1つは「URLレピュテーション」で、URLやIPアドレスに対しても3段階の信頼度を評価できるようになった。アクティブプロテクションと同様にリアルタイムでレピュテーションを参照するため、サイトアドバイザのデータベースに蓄積されづらい新しいWebサイトや、攻撃を受けて改ざんされたばかりの正規サイトなどでも検出できるのが特徴だ。
一方、起動やスキャンの高速化といった、システムへの負荷を軽減するための改善も施されている。スキャン速度の向上では、キャッシング技術(変更のないファイルをスキャンしない)の改良により、2回目以降のスキャン時間を大幅に短縮したのが目を引く。例えば「平均的なデスクトップPC」(同社)を利用した初回のスキャンにかかる時間は、2009年版の140分に対して85分とかなり短くなっているが、さらに2回目以降では135分に対してわずか15分と劇的に高速化した。また、システムがアイドル状態のときに定期的なアップデートを行うスマートタイマーの搭載や、UIを再設計することで起動時間を10分の1以下に抑えるなど、操作時のレスポンスに配慮した変更も目立つ。さらにメモリやディスクの使用量、プロセス数も削減されている。
今回のメジャーアップデートでは、ユーザーインタフェースの一新もポイントだ。ユーザーから寄せられた意見を元に、メイン画面の構成を横型から縦型に変更している。PCの保護状態が一目で分かる「ステータスバー」を画面上部に配置し、主要機能のステータスを表示(有効/無効)する「ステータスエリア」と、動作状況を伝える「リアルタイムセキュリティブリーフ」、詳細設定に直接アクセスできるカテゴリ別の「機能一覧」で構成した非常にシンプルな画面に整理された。また、Netbookなど画面解像度の低いノートPCに配慮して、UI画面のサイズを自動的に調整する機能も搭載されている。
以上3点が今回の主な強化ポイントだが、このほかにも、ファイルを暗号化してサーバにバックアップするオンラインバックアップ機能(「マカフィートータルプロテクション」と「マカフィーインターネットセキュリティ」に搭載)や、より柔軟な設定項目を用意したペアレンタルコントロール機能など、さまざまな改良が施されている。
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