レビュー
» 2010年08月03日 11時30分 UPDATE

イマドキのイタモノ:とっても暑い夏だから、“95ワット版”Phenom II X6を使ってみる (1/3)

PCケースの中でブン回っているCPUの温度が気になる日本の夏。Phenom II X6にさりげなく加わっている“95ワット版”で少しは涼しくなるのか、試してみる?

[石川ひさよし,ITmedia]

駆動電圧を下げてTDPを抑えた95ワット版

 AMDから6コア搭載のPhenom X6シリーズがリリースされたのが2010年4月。その2カ月後にTDP 95ワットのPhenom II X6 1055Tがさりげなく発表された。動作クロックは2.8GHz、キャッシュ容量は1次キャッシュメモリでコアごとに64Kバイト+64Kバイト、2次キャッシュメモリがコアごとに512Kバイト、3次キャッシュメモリはコア共通で6Mバイトとなり、プロセスルールは45ナノメートルを採用するSOI、といった基本スペックは125ワット版と変わらない。

 さらに、リビジョンでさえ「E0」と同じだ。両者の仕様で異なるのは次の3項目になる。第1にTDP、第2にコア駆動電圧、そして第3がMax Tempだ。コア駆動電圧は、125ワット版が1.125〜1.400ボルトだったのに対し、95ワット版は1.075〜1.375ボルトと低く設定されている。また、Max Tempは、125ワット版の62度に対して95ワット版は71度まで引き上げられた。

kn_phnm695_01.jpg OPNは、「HDT55T」に続く2文字が異なる。左の125ワット版は「FB」で、右にある95ワット版は「WF」。その後に「K6DGR」となるのがトレイ版、「GRBOX」となるのがPIB版だ

シリーズ Phenom II X6 Black Edition Phenom II X6
モデルナンバー 1090T 1055T
OPN Tray HDT90ZFBK6DGR HDT55TFBK6DGR HDT55TWFK6DGR
OPN PIB HDT90ZFBGRBOX HDT55TFBGRBOX HDT55TWFGRBOX
ソケット AM3
リビジョン E0
動作クロック(MHz) 3200 2800
HT Linkクロック(MHz) 4000
コア電圧(ボルト) 1.125〜1.40 1.075〜1.375
Max Temps (摂氏) 62 71
TDP(ワット) 125 95
1次キャッシュ(Kバイト) 128
1次キャッシュ数 6
2次キャッシュ(Kバイト) 512
2次キャッシュ数 6
3次キャッシュ(Kバイト) 6144
プロセスルール 45ナノメートル SOI
Virtualization Yes

kn_phnm695_02.jpgkn_phnm695_03.jpg 125ワット版のPhenom II X6 1055Tで確認したCPU-Zの情報も(写真=左)、95ワット版のPhenom II X6 1055Tで確認したCPU-Zの情報も、コア駆動電圧以外はみな同じ

 ちなみに、AMDはこれまでにも同じリビジョンでTDPを引き下げた製品をリリースしてきた。AMDが以前所有していた半導体製造ラインで用いられてきた「APM」(自動調整製造)は、製造ライン自体が自身を解析してプロセスルールの最適化を行う結果、製造されるCPU自身も進化していくものだった。現在、AMDで扱うCPUの製造は、製造ラインごとGLOBALFOUNDRIESに移管したが、APMのテクノロジは継承されている(APMの詳細については、AMDの革命的な半導体製造技術の粋“APM”とは?を参照のこと)。

性能は同じで消費電力はきっちり低くなった95ワット版

 95ワット版Phenom II X6 1055Tの仕様はTDP125ワット版とほぼ同じ仕様であるため、両者の比較は性能を維持しつつ消費電力がどれだけ削減されたかに注目することになる。“イマイタレビュー”で通常行っているCPU関連のベンチマークテストを行いながら、消費電力については、より細かくチェックしていくことで95ワット版の“存在意義”を考えてみたい。

 テストに用いたシステムは、マザーボードがASUSの「Crosshair IV Formula」(AMD 790FX+SB850)、グラフィックスカードはMSIの「N470GTX-M2D12」、メモリはDDR3-1333 2Gバイト×2、OSは64ビット版のWindows 7 Ultimateとした。

 消費電力計測に関しては、「Watt's Up Pro」を用いている。これは消費電力や電圧、電流に関してログを取得できるほか、USBケーブルを通じて別のPCからアクセスして制御可能という高機能な電力計だ。ただし、タイミング合わせは手動であるため、負荷をかけるベンチマークテスト実行前に一定のアイドル時間を設け、ベンチマークテスト実行とともに消費電力が跳ね上がるタイミングを始点としてまとめている。

 測定したベンチマークテストは、PCMark05、PCMark Vantage、Sandra 2010 SP2(16.52)、CINEBENCH R11.5、3DMark Vantage、The Last Remnant Benchmark、ストリートファイターIVベンチマークだ。今回はこれらのベンチマークテストのうち、CPUだけに特化したテスト項目がなかったPCMark Vantageを除くCPU関連テスト、または、ゲームタイトルを使ったベンチマークテストに関しては、一連の実行時に消費電力の推移を計測している。

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう