AMD製クアッドコアCPU搭載ノート――「HP Pavilion Notebook PC dv6a/CT」を駆るあえてCore iではない選択肢(2/3 ページ)

» 2010年08月10日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

AMD Power Xpressによるハイブリッドグラフィックス構成に対応

 チップセットはAMD M880Gを採用する。DirectX 10.1対応のGPUコア「ATI Mobility Radeon HD 4250」を統合したチップセットだ。BTOではこれを利用する構成のほか、外部GPUとしてDirectX 11対応の「ATI Mobility Radeon HD 5650」(グラフィックスメモリ1Gバイト)を加えたハイブリッド構成にできる点に注目したい。

 ハイブリッド構成の場合、ATI Power Xpressにより、パフォーマンスの高い外部GPUと、消費電力の低いチップセット内蔵GPUを切り替えて利用できる。切り替えはATI Power Xpressユーティリティで任意に行うことが可能だ。標準ではACアダプター駆動時に外部GPUを利用して、バッテリー駆動になると自動でチップセット内蔵GPUに切り替わり、消費電力を節約する。なお、GPUが切り替わる際には確認用のダイアログが表示され、画面が一瞬ブラックアウトする。

グラフィックス機能は、AMD M880G内蔵GPU「ATI Mobility Radeon HD 4250」のほか、内蔵GPUに加えて外部GPUとして「ATI Mobility Radeon HD 5650」を搭載するハイブリッド構成も選べる。ATI Mobility Radeon HD 5650はDirectX 11対応のミドルレンジGPUで、かなり負荷が高いタイトル以外であれば3Dゲームも楽しめる

AMD M880G内蔵GPUと外部GPUを搭載するハイブリッド構成では、ATI PowerXpressによるGPUの切り替えが可能だ
GPUを切り替える際にはこのようなダイアログが表示される。切り替わる際には一瞬画面がブラックアウトする

 通信機能は、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11b/g/nの無線LANが標準装備で、Bluetooth 2.1+EDRも追加可能だ。本体装備の端子類は、4基のUSB 2.0ポート(1基はeSATA兼用)、5in1メディアスロット(SDHCメモリーカード/メモリースティックPRO/xDピクチャカードなどに対応)、HDMI出力、アナログRGB出力などを備える。ExpressCardスロットはないものの、A4クラスのスタンダードノートPCとしては、必要十分な内容といえるだろう。

 そのほか、液晶のフレーム上部にWebカメラ、前面にALTECLANSINGブランドのステレオスピーカーを内蔵。Dolby Advanced Audioにも対応し、サウンド面にこだわっている。

前面にALTECLANSINGブランドのステレオスピーカーを内蔵
背面に端子類は用意されていない

左側面にアナログRGB出力、HDMI 1.3出力、sSATA/USB 2.0共用、USB 2.0、マイク、ヘッドフォンの各端子、5in1メディアスロット、そして排気口が並ぶ
右側面には2基のUSB 2.0、光学ドライブ、ACアダプタ接続用のDC入力、電源などのインジケータ、セキュリティロックケーブル用スロットが配置されている

評価機のデバイスマネージャ画面。HDDはシーゲイトの「ST9500420AS」とある

 プリインストールOSは、Windows 7 Home Premium(64ビット版)が採用されており、BTOで変更することはできない。付属ソフトはシンプルな構成で、映像/音声の再生/編集用の「HP MediaSmart」、DVD書き込みやレーベル印刷用の「CyberLink DVD Suite」などを用意。Office Personal 2010を追加することもできる。

個性的なキーボードとクリックパッドを搭載

 液晶ディスプレイのサイズは15.6型ワイドで、画面の表示解像度は1366×768ドットに対応している。Windows 7搭載のノートPCとしては標準的な表示解像度だ。画面サイズに対して、解像度が高くないため、デフォルトの状態でアイコンや文字のサイズが大きめに見やすく表示される。

 ディスプレイの表面は光沢仕上げとなっており、正面以外の角度では映り込みが少々気になる。十分な輝度がある一方、コントラストは若干低めで発色があっさりとしている。最近の低価格ノートPCではよく見られる傾向だ。視野角は特に上下方向が狭いが、ヒンジの角度は約130度まで開くことができ、見やすい角度に調整するのに支障はないだろう。

1366×768ドット表示の15.6型ワイド液晶ディスプレイは光沢タイプだ
液晶ディスプレイの角度は約130度まで開くことができる

浮き石型のフルサイズキーボードと、マルチタッチジェスチャーに対応した大きめのクリックパッドを備える

 キーボードはボディのデザインに合わせて四隅に丸みを持たせたデザインだ。ボディのサイズが大きいのでキーボードにも余裕がある。最近よく見かけるキーとキーの間隔を離した浮き石型(いわゆるアイソレーション型)で、主要キーを含めてほとんどのキーでキーピッチは約19×19ミリ、キーストロークは約2ミリを確保している。キーのスイッチは反発がやや強めだが、タッチ感は悪くなく、強めにタイプしてもたわみを感じることはなかった。

 ただし、キーの配列には少しクセがあり、Enterキーの右にPgUp、PgDnなどがあるほか、キーボードの左端にもブラウザや電卓の起動、印刷を行うキーが用意されている。全体的にキーのサイズが大きいため、それほどミスタイプの心配があるわけではないが、違和感は否めず、好みが分かれそうだ。

 最上段のキーは、ファンクションキーとワンタッチボタン(音量調整などのメディア操作や無線機能のオン/オフなど)の共用となっているが、標準では後者が優先されており、ファンクションキーを利用するには、これらとFnキーを同時押しする必要がある。この関係はBIOSセットアップで入れ替えられるので、ファンクションキーを多用するなら入れ替えたほうがよいだろう。なお、無線LANのオン/オフキーにはLEDが埋め込まれており、オン(白に点灯)かオフ(赤に点灯)かがすぐ分かるように工夫されている。

 ポインティングデバイスは、タッチパッドとクリックボタンを一体化した「クリックパッド」を採用。パッドの表面に左右のボタン部分を示すプリントがあり、その辺りを下に向かって押すと、パッド全体が沈み込んでクリックされる構造だ。

 シナプティクス製のマルチタッチ対応ドライバが導入されており、2本指での縦/横スクロール、つまみズームなどの機能が標準で有効になっている。パッド部分の滑りは上々で、クリックボタンの感触も悪くない。クリックボタンを独立させていないため、パッドの面積を大きく(実測で108×66ミリ)確保できており、マルチタッチの操作もやりやすい。

 クリックパッドはキーボードのホームポジション直下ではなく、右寄りに搭載されているため、少し違和感があるものの、パッド左上のLED付近をダブルクリックすると、機能をオフにでき、キー入力中の誤操作を防げる。LEDの色で有効(白に点灯)と無効(赤に点灯)がすぐに分かるようにパッド内に配慮されているのも好印象だ。

クリックパッドにはシナプティクス製の多機能ドライバ(V7.4)が導入されており、2本指での縦横スクロール、つまみズームなどの機能が標準で有効になっている。ユーティリティで設定をすれば、回転や3本指タップでのアプリケーション起動、3本指でパッドを弾くことによるWebページ送り/写真送りなども使える

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