「マカフィー2011」はクラウドベースのセキュリティを強化新製品発表会

» 2010年08月26日 16時55分 公開
[後藤治,ITmedia]
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 マカフィーは8月25日、「マカフィートータルプロテクション」「マカフィーインターネットセキュリティ」「マカフィーアンチウイルスプラス」の2011年版を発表、9月3日より販売する。マカフィーダイレクト価格は、順に6890円/5775円/4095円で、1つのパッケージにつき3台のPCにインストールできる。

 2011年版の特徴として特に強調されているのは、クラウドベースのセキュリティ機能だ。同日行われた製品発表会で「マカフィー2011」の概要説明を担当したプロダクトマーケティングマネージャーの葛原卓造氏は、「現在、1日に約5万件のマルウェアが発生している。つまり1.7秒に1つの新種のウイルスが現れている計算になるが、こういった脅威に対して、従来の定義ファイルベースの保護では防ぎきれなくなっている」と指摘する。こうした未知の脅威に対して有効なのが、4000万以上のエンドポイントで情報収集を行い、世界中のMcAfee Labsから24時間体制で脅威を監視・共有するGTI(Global Threat Intelligence)と呼ばれる技術基盤だ。

Global Threat Intelligence

 葛原氏は、この技術を応用した機能として、定義ファイルに該当しないマルウェアを検出する「アクティブプロテクション」(Artemis Technology)、検索結果で表示されたWebサイトが安全かどうかを警告する「サイトアドバイザ」、ファイルをローカルPCにダウンロードする前に安全性の評価を行う「ウェブダウンロードプロテクション」、および全自動バージョンアップとオンラインバックアップの4つを挙げる。もっとも、これらの機能の多くは2010年2月の大型アップデートですでに実装されており、基本的には性能の強化になる。なお、同社のオンラインバックアップサービスでは、年間7980円で容量無制限のストレージを提供しているが、マカフィートータルプロテクションに用意される容量は2Gバイト、マカフィーインターネットセキュリティでは1Gバイトとなっている。

アクティブプロテクションによって定義ファイルが更新される前に発生した新種のウイルスにも対応できる(写真=左)。検索エンジンの検索結果に含まれる危険なWebサイトを警告するサイトアドバイザー。実際にWebサイトをクロールした結果とWebレピュテーションの両方で安全性を判断する(写真=中央)。ウェブダウンロードプロテクションではファイルがダウンロードされる前に判定を行う(写真=右)

McAfeeコンシューマ/モバイル/スモールビジネス担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー

 なお、新製品発表会には、米McAfeeのコンシューマーグループでエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるトッド・ゲブハート氏も出席している。同氏は、マカフィーがセキュリティ専業ベンダーとして、クラウドベースのセキュリティ技術をいち早く導入し、この業界をけん引してきたリーディングカンパニーであることを強調。直近の売上高を振り返りながら「2ケタの成長率を17四半期連続で達成し、2009年の売上高は約19億ドル、2010年も20億ドルを超える収益を見込んでいる」と述べ、ビジネスが堅調に推移していることをアピールした。

 また、先日発表されたインテルによる買収についても言及し、「ハードウェアとソフトウェアが組み合わさることで、ソフトだけとは違うより強固なセキュリティを実現できる」とメリットを挙げ、今後はインテルの完全子会社としてあらゆるプラットフォーム(AndroidやSymbian、Linuxなども含む)をカバーする包括的なセキュリティを提供していくと語った。「マカフィーは今ユーザーに必要とされているすべての保護機能を提供しており、その姿勢は今後も継続していく」(トッド・ゲブハート氏)。

マカフィー取締役常務執行役員畠中有道氏(写真=左)。マカフィーコンシューマ事業部プロダクトマーケティングマネージャーの葛原卓造氏(写真=中央)。発表会には札幌市立大学デザイン学部教授の武邑光祐氏も登壇し、「進化するメディア環境」というタイトルで未来のインターネット像を語った(写真=右)

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