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» 2010年09月24日 16時15分 UPDATE

広色域IPSパネル、WQXGA、7系統入力:「U3011」実力診断――デルの30型ワイド液晶ハイエンドモデル (1/3)

デルの「U3011」は、2系統ずつのHDMI/DVI-Dなど多彩な入力端子を備えた2560×1600ドット表示の30型ワイド液晶ディスプレイ。超高解像度・大画面の実力に迫る。

[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]

デルの新しいハイエンドディスプレイ「U3011」

tm_1009u3011_01.jpg デルの30型ワイド液晶ディスプレイ「U3011」

 9月22日、デルは2560×1600ドット表示の30型ワイド液晶ディスプレイ「U3011」を発売した。2007年末に発売した「3008WFP」の基本仕様を引き継ぎつつ、機能を追加・改良したモデルだ。同社製ディスプレイでは上位クラスの「デジタルハイエンドシリーズ」シリーズに加わった新機種で、その中でもハイエンドに位置付けられる。大画面と超高解像度の表示環境を必要とする、クリエイティブワークやエンターテイメント用途を想定した製品だ。

 気になる直販価格は15万9170円となっている。米国での価格は1499ドルなので、最近の急激な円高によるメリットが生かされていないのは少し残念なところ。それでも他社製の競合モデルより価格は抑えられており、超高解像度の30型ワイド液晶ディスプレイとしてはかなり安価といえる。30型はそうそうモデルチェンジしないと思うので、将来的にはデルならではの特価キャンペーンや大胆な価格改定にも期待したい。

広色域、超高解像度、大画面のIPSパネルを搭載

 まずはディスプレイとしての基本スペックから見ていこう。液晶パネルは広視野角のIPS方式を採用。画面サイズはノングレアの30型ワイド(表示領域641.28×400.8ミリ)、アスペクト比はワイドだが縦解像度も確保できる16:10、画面解像度はフルHDをはるかに上回る2560×1600ドット(WQXGA)、ドットピッチは0.2505ミリとなっており、3008WFPから変更はない。

 輝度とコントラスト、視野角についても3008WFPと同様だ。輝度は370カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1、視野角は水平/垂直とも178度となっている。ただし、表示内容に応じてバックライト輝度を動的にコントロールすることで映像視聴時のコントラスト感を高める「ダイナミックコントラスト」利用時のコントラスト比は従来の3000:1から10万:1に大きく向上した。また、応答速度もグレーからグレーの中間階調域で平均7msと、3008WFPから1msだけ速くなっている。

 色域の広さも3008WFPから引き継いだウリの1つだ。NTSC比はCIE1976で117%、CIE1931で102%、Adobe RGBカバー率では99%を確保しているので、Adobe RGBモードで撮影した写真データなどを扱うにも不足はない。プリセットの画質モードはAdobe RGBに加えてsRGBの設定も備えており、異なるカラースペースを用いている複数系統からの入力にも簡単に対応できるだろう。12ビット内部処理により、階調表現にも注力している。

 そのほかにもハイエンド向けの製品だけあって、高画質化のための配慮には余念がない。DisplayPort入力によるRGB各色10ビット表示(約10.7億色表示)への対応もその1つだ(10ビット表示にはDisplayPort搭載グラフィックスカードと対応するソフトウェア環境が必須。通常はRGB各色8ビットの約1677万色表示となる)。

 また、工場出荷時にAdobe RGBおよびsRGBモードの画質を整えていることも特筆すべき点だ。ユーザーが手を出せない部分だけに、出荷時にしっかりと調整してくれるのはありがたい。グレースケールやガンマの測定結果はシリアルナンバーとテスターのIDを記したデータシートとしてパッケージに添付される。3年間のプレミアムパネル保証(1つでも輝点のドット抜けが見つかった場合はディスプレイを無償交換)が標準で付いてくるのも見逃せない。

可動域の広いシンプルなスタンドを採用

 ボディは、以前にレビューした27型ワイドモデルの「U2711」とほぼ同じデザインだ。とはいえ、本体サイズは694.5(幅)×211.3(奥行き)×481.3〜571.3(高さ)ミリ、重量は約11.9キロ(スタンド含む)となっており、それなりの設置スペースが必要となる。奥行きは短めなので、横幅さえ確保できれば、標準的なデスクに十分置けるだろう。ただし、長時間の利用ではボディの上部がかなり熱くなるため、上方をラックなどでふさがないほうがよさそうだ。

 シンプルな外見とは裏腹にスタンドの可動範囲は広く、画面位置の調整はスムーズに行える。ディスプレイ部の位置調整は上19度/下3度のチルト、左右で各30度のスイベル、90ミリの範囲での昇降が可能だ。画面を90度回転させて縦位置表示にする機能はない。スタンドを取り外してVESAマウント(100ミリピッチ)のアームを装着することもできるが、標準で十分な可動範囲があるといえる。

 スイベル用のターンテーブルは台座の裏面ではなく、ネック部分の付け根に配置しており、周囲のキーボードやケーブル類を巻き込まずに回転できる。昇降はディスプレイ部を目いっぱいまで下げると、設置面ギリギリまで画面を下げることが可能だ。その際、下端は設置面から約35ミリ(フレームの幅は約25ミリなので、表示位置の下端は約60ミリ)に位置する。そのため、画面の位置が高すぎて困るようなことはない。

tm_1009u3011_02.jpg 液晶ディスプレイ部は設置面ギリギリまで下げられる
tm_1009u3011_03.jpg 高さは90ミリの範囲で調整可能。チルトとスイベルも可能だ
tm_1009u3011_04.jpg 背面のデザインもシンプル。スタンドにはケーブルを通す穴もある

HDMI×2、DVI-D×2、DisplayPortなど充実のインタフェース

 超高解像度の30型ワイド液晶としては、インタフェース面が非常に充実しているのも3008WFP譲りだ。背面には映像入力として、HDCP対応のDVI-D(2系統)、HDMI 1.3(2系統)、DisplayPort、アナログD-Sub、コンポーネントビデオを装備する。3008WFPと比較すると、S-Videoとコンポジットビデオを排してHDMIを1系統増やした格好だ。昨今はHDMI出力を搭載した機器が増えているため、この変更は多くのユーザーにとって朗報だろう。

 2560×1600ドット表示にはデュアルリンクDVI-DもしくはDisplayPortの出力が可能なグラフィックスカードが必須だ。デュアルリンクDVI-DケーブルとDisplayPortケーブルはU3011に付属するので、それらを使えばいい。HDMIでの最高解像度は1920×1200ドット、アナログ入力での最高解像度は2048×1280ドットにとどまる(画面解像度より低い解像度を表示した場合のスケーリング機能については後述)。

 スピーカーは内蔵していないが、HDMIまたはDisplayPortから入力した音声を出力するため、5.1ch出力対応のミニジャック3基(フロント左右/リア左右/サブウーファー)も持つ。また、ディスプレイ下部に装着するオプションスピーカーのサウンドバー(6300円)用にDC電源コネクタも設けている。

 USB 2.0ハブ機能も備えており、アップストリームポートを1基とダウンストリームポートを4基搭載する。ダウンストリームポートは背面と左側面に2基ずつ分けて配置しているため、接続機器に応じた使い分けが可能だ。左側面にはSDメモリーカード/MMC、メモリースティックPRO、xDピクチャーカードに対応したカードスロットも用意されている。3008WFPが搭載していたCFスロットは省かれた。

tm_1009u3011_05.jpg 主要なインタフェースはディスプレイ部の背面に下向きで並ぶ。スタンドを外すと、VESAマウント(100ミリピッチ)が現れる
tm_1009u3011_06.jpg ディスプレイ部の左側面には、USB 2.0のダウンストリームポートとメモリカードスロットを備えている

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