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» 2011年07月02日 13時00分 UPDATE

Windowsであることが重要なのだよ:“キミに使いこなせるか?”と挑まれている……ようだ──「Windows 7 ケータイ F-07C」の可能性を探る(後編) (1/4)

小さすぎる、遅いのでは……「確かに」そうだ。ただ、それは使い方によってかなり補える、と思う。後編では利用シーンを考察しつつ、ソフトウェアとパフォーマンスをチェックする。

[石川ひさよし(撮影:矢野渉),ITmedia]

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とにかく「Windowsアプリケーションが使える」のが最大のメリット

photo NTTドコモ「Windows 7 ケータイ F-07C」(富士通製)

 NTTドコモの「Windows 7ケータイ F-07C」は、よくあるケータイサイズの超小型ボディにWindows 7 Home Premiumを搭載してしまった、世界最小(2011年5月13日現在、富士通調べ)のWindows搭載PCだ。

 普通のWindows 7が載るPCということは、普段PCで使用するアプリケーションも原則として「そのまま利用できる」ということだ。もちろんCPUは、一般PCとしては非力なAtom Zであり、メインメモリは1Gバイト固定、ストレージ容量は32Gバイトと限られるため、普段とまったく同じ使い勝手──にはならないと思うが、それでも、よくあるAndroid/iOS搭載スマートフォンより“普段のPC”に使用環境を近づけられるポテンシャルは持っていると言える。


photophoto Office Personal 2010は2年間のライセンス版だが、普段使用するWordやExcelのオフィスデータをそのまま表示・編集できる

 まず、オフィススイートとしてOffice Personal 2010 2年間ライセンス版をプリインストールする。Officeなしでいいのでもっと安価にという声は多々あるが、とりあえずOffice PersonalはExcel 2010、Word 2010、Outlook 2010を包括するもので、ビジネス文書を扱うにもひとまず安心できる。画面が小さい分、作業には多少手こずるとしても、ハードウェアキーボードともに、新規作成や修正も普段よりOfficeを使うユーザーなら迷うことも少ないだろう。

 ちなみに、Office PersonalにはPowerPointは付属しないが、無償のPowerPoint Viewerをインストールすれば閲覧は可能だ。ビジネスシーンとしてはこのほかに、別途PDF作成アプリケーションなどをインストールしてPDF作成環境を整えてもよいと思う。ただ、F-07Cでプレゼンテーションをしよう──と考えると少し難しい。HDMI出力やUSB機器が使えるクレードルを使用しなければ画面を外部出力できないためだ(無線LAN対応プロジェクタを用いるといった手段はあるものの)。本体単体で映像を出力できるMicro HDMI端子を備えてくれれば、あるいは本体にUSBホスト機能があればもう少し柔軟なスタイルで実施できそうなので、少し残念だ。

photo 秀丸エディタをインストールして起動してみた。文字入力においては、全画面表示にした1024×600ドットの横長画面がそこそこ使いやすい

 さて、F-07Cで使うアプリケーションの中でも特に向きそうだと思えるものに「テキストエディタ」がある。ダイヤルキーやスマートフォンのフリックを使いこなして高速に文字を入力できるケータイ世代も多いだが、PC世代のオジサンとしては、やはり文字入力はQWERTYキーの方が慣れている分扱いやすいのだ。その昔、モバイルグリップスタイルのソニー「VAIO type U(PCG-U1)」を用い、満員電車で立ったまま原稿を執筆したこともあるのを思い出したが、それと同様のことを、本機ではより容易に、まるでケータイメールを打つ感覚で実現できる。好みのアプリケーション、例えば“秀丸エディタ”を普通にインストールし、普段使うPCのマクロをそのまま活用できるのが特にうれしい。

 マクロで思い出したが、使用するブラウザやその設定、日本語入力システム(例えばATOKのユーザー辞書)、OfficeのVBAや一般スクリプトといったものも、普段使うPCより“引き継ぎ使用”が可能だ(移行のための方法はアプリケーションごとに異なるのでノウハウは少々必要だが)。ブログの執筆、簡単な写真・動画の編集、サーバ管理のためコンソールやFTPクライアントなども、基本的にWindowsアプリケーションであれば、(動作速度は別にして)同じように扱える。何度もくどいが、Windows 7搭載PCであるメリットはそこにあると言っても過言ではない。

 このほか、本機は静電容量方式のタッチパネルも備えるため、Windowsモードでもタッチ入力をサポートし、Windows 7標準のタブレット機能向けソフトウェアキーボードなども利用できる。もっとも、タッチ操作やソフトウェアキーボードは、4型ワイドながら1024×600ドットの高精細なディスプレイにより、タッチ操作だけで完結させるにはかなりの慣れが必要だ。この点はタブレットデバイスやタッチPC、スマートフォンの感覚とはやや異なるといえる。このため、タッチ操作でも扱えるよう、タッチ操作用UIの「タッチコンソール」も用意されている。


photophotophoto 閉じたままタッチ操作がいくらか行いやすくなるタッチ操作用UIの「タッチコンソール」を用意する

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