さて、Windowsにはリモートデスクトップと呼ぶリモート操作のための機能が装備されており、Windows 7はProfessional以上のエディションでサーバ、つまり、操作される側の機能をサポートする(クライアント/操作する側は、一般ユーザー向けのHome Premiumなどでも利用可能だ)。
リモートデスクトップとは、サーバ側となるPCの画面をそのままクライアント側のPCに表示して操作可能──つまり、出先のPCで自宅のPCを遠隔操作できるようにする機能だ。こちらは、ビジネスシーンではVPN(Virtual Private Network)と組み合わせ、会社の環境へアクセスするシーンですでに利用されている例も珍しくない。リモートデスクトップを使えば、重要ファイルをノートPCなどにコピー/持ち出さずに済み、情報漏えいのリスク軽減につながるためだ(一方、利用そのものを禁じている会社もある。自宅以外、自分管理外のネットワークへ接続する場合は、それに応じたネットワーク利用ポリシーを順守してほしい)。
このPC遠隔操作機能も、最新の無線LANルータに備える機能を活用することでスマートフォンやタブレット端末からでも便利に活用できるようになる。
前回、キーワードとして挙げた「ダイナミックDNS」と「Wake on LAN(WOL)」により、ネットワーク経由の指示で自宅のPCを起動できることを説明した。このあと、起動した自宅のPCにリモートデスクトップ機能で接続すれば、出先で使うPCで“自宅のPCをあたかも自宅で使うよう”に操作できるようになるというわけだ。使う時だけ起動/作業が済んだら自宅のPCの電源を切る(シャットダウンする)ことで、消費電力を抑えつつ、VPNを使わなくともセキュリティのリスクをかなり軽減できるのがポイントだ。
Windows 7搭載PCにおける、一般的なWindows標準のリモートデスクトップ設定項目を改めて確認しよう。エディションは前述の通りProfessional以上のエディションで、自宅PCの“リモートデスクトップの利用”を有効に/利用を許可するユーザーアカウントを選択しておく(こちらは普段使用するユーザーアカウントでもよい)。あとは自宅のルータで、リモートデスクトップで使用するポートを遠隔操作する自宅PCへ転送するよう設定する。こちらはメーカーによって呼称は違うが「ポートマッピング」や「ポートフォワード」の項目より設定する。
……とサラリと述べたが、今回評価機としたAtermWR8600Nを使用するならもっとラクに行える。前述の通り、WOL用設定はもちろん、リモートデスクトップの利用に必要なポートマッピングの設定まで簡単に行ってくれるスマートフォン向けアプリケーション「ホームコネクト for Aterm」(iOS版/Android版 無料)を利用してみよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.