「PCパーツショップである前に、アキバにある店なんだな……と」――アキバの1年を振り返る2011年のアキバ(前編)(2/3 ページ)

» 2011年12月29日 13時47分 公開
[古田雄介(ぜせ),ITmedia]

街の波:歩行者天国の復活と再度の中止、そして再度の復活

試験的に再開した歩行者天国の様子

 街全体の年始めを振り返ると、1月23日に試験的に再開された歩行者天国が大きなトピックといえる。関係者の取り組みが実を結んで、2008年6月に起きた連続殺傷事件以来、2年7カ月間ぶりに復活し、当日は大勢の人が中央通りに集まった。

 前回の中止前に問題視されていたパフォーマンス行為や即席撮影会などは、スタッフによる呼びかけや警察官の目もあって、問題視されるレベルにはならず、中央通りは歩行者天国本来の広い歩道として機能した。

 ひとまず6月までの予定で、その後も毎週日曜日に実施されてきたが、3月11日に東日本大震災が発生。直後の3月13日の歩行者天国は中止となり、17日には千代田区から「当分の間中止する」ことが正式に発表された。

 駅から向かって中央通り越しにある店舗のスタッフは「歩行者天国が復活してから、明らかにお客さんの入りが増えました。物理的にもわずかな距離でも、信号があるとないとでは心理的に通いやすいさに大きな差が出ますから。仕方ないにしろ、今回の中止は残念です」と話していた。

 復活の知らせがリリースされたのは、それから3カ月後の6月17日。7月3日から毎週日曜日に、万世橋交差点から外神田5丁目交差点までの約570メートル間で実施。しかも、今回は試験的な再開ではなく「本実施」とされていた。

 7月3日以降、年末まで秋葉原の歩行者天国は実施されて続けている。パフォーマンスなどで人を集めようとする人は少なく、コスプレする人の割合も普段とそれほど変わらない。2008年以前のようにエキセントリックな目で往来を見る人もいない。

 ある家電量販店のスタッフは、夏ごろに「2008年ごろの異常な見られ方はもうされたくないし、そういう人ばかりの街にもなってほしくなかったので、現在の状況はすごくいい感じだと思っています。外国人の方が減ってしまったのが残念ですが、それも徐々に回復すると期待しています」と話していた。

 秋から冬にかけて、街で外国人観光客とすれ違う機会も震災前の水準に近づいてきた印象があるが、震災の影響はどの程度残っているのだろうか。次のページから、再び視点をショップ=自作PC業界に戻そう。

12月19日日曜日の中央通り。10月から3月までは13時〜17時に歩行者天国が実施された(写真=右)

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