液晶パネルに関しては、縦方向の大きさや解像度はCintiq 21UXと変わらず、324ミリ/1200ドットとなる。一方、横方向は大きさが432ミリから518.4ミリへ、解像度が1600ピクセルから1920ピクセルへと拡大した。イラスト制作用アプリケーションでパレットやインタフェースを左右に配置しても、広い作業スペースを確保できる。
従来モデルより高品位なディスプレイを採用していることもCintiq 24HDの特徴だ。ワコムによると、従来モデルでは、確認用のディスプレイを別途用意しているユーザーも多く、「1台で済ませられるようにしてほしい」といった声が少なからず寄せられたという。新製品はワコムの液晶タブレットとして初めてAdobe RGBに対応し(カバー率は92%)、印刷を前提にした作業でも利用できるようになった。
また、IPS方式の採用による高視野角にも注目したい。現行のCintiq 21UXもIPS方式を採用しているが、同製品の視野角が水平170度/垂直170度なのに対し、新製品は水平178度/垂直178度に改善した。
高視野角は歓迎したい一方で、画面を斜めに見ると、ペンが接するパネル面と表示面との間に生じる視差が気になってくる。Cintiq 24HDにおいてもこの問題は残っているが、Cintiq 21UXはガラス面と表示面の距離が2.9ミリだったのに対し、新製品は2.6ミリとわずかに改善された。また、視差を軽減するための位置調整機能も用意している。ただ、画面が大きい分、画面の端で視差が大きくなりがちだ。
パネル表面は、ノングレア処理が施され光が反射しにくくなっているが、平置きすると天井の光源が入り込むこともあった。平置きにしても周囲の光源が写り込まない場所を角度に設置するか、角度を調整する必要がある。また、Intuos4と比べるとパネル表面の摩擦抵抗が少なく、ペンが滑りやすい。その感覚は、Intuos3の標準シートと同じぐらいだ。ペンの滑り具合はユーザーによって好みの分かれるところなので、店頭の展示モデルでその具合を実際に試すことをお勧めする。
入力端子は、DVI-I 29ピンとDisplayPortをそれぞれ1基搭載する。DVIケーブル、DVI-RGBケーブル、DisplayPortケーブルは付属するが、Mini DisplayPortに対応したケーブルは付属しない。出力端子としては、USBポートをディスプレイ側面に1基備えている。
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