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» 2012年05月11日 13時00分 UPDATE

GIS 2012:「PC+プリンタの出荷台数、1秒あたり4台のペースに」――中国市場、Ultrabookに注力するHP

米Hewlett-Packardが5月9日から5月10日の2日間にわたり、中国上海で開催したイベント「Global Influencer Summit 2012」では中国市場、そしてUltrabookへの注力が繰り返し語られた。日本市場向け製品の投入はあるのだろうか。

[池田憲弘,ITmedia]

PC市場の成長が著しい中国

photo イベントは2010年に上海万博が開催されたエリアにある、Shanghai Expo Centerで開催された

 「今や世界最大のPC消費国は中国となった」

 米Hewlett-Packard(以下、HP)が中国上海で行った事業戦略説明および新製品紹介のイベント「Global Influencer Summit 2012」の基調講演で、インテル中国のエグゼクティブ・バイスプレジデントであるSean M. Maloney氏はこのように語った。

 これまでは世界で最もPCが売れるのはアメリカだったが、ここ数年で中国市場が急激に成長し、2011年から2012年にかけてアメリカの販売台数で抜いたという。さらに「中国は今後も年15%の勢いで台数が増えることが予想されており、2016年にはアメリカの2倍になるだろう」とMaloney氏は述べる。

photo 「中国は世界最大のPC市場となった」と述べるインテル中国のSean M. Maloney氏

 2日間のイベントを通じて、HPは中国市場への注力を繰り返しアピールした。同社のプリンティング・パーソナルシステム担当バイスプレジデントであるSteve Hoffman氏は、基調講演内で中国市場の成長について「現在、PCとプリンターを合わせると、1秒間に4台出荷している計算になる」と触れた。

photo イベント最終日にはHP社長兼CEOのMeg Whitman氏が登壇。プリンティング・パーソナルシステム担当副社長のTodd Bradley氏とともに報道陣の質問に答えた。今のHPの課題について問われると「安定性が第一」だとアピール。世界各国の市場や需要の予測が重要とのことで「顧客のニーズやトレンドを読むことはもちろん重要だが、時にはトレンドを先回りすることも必要」と述べた

 今回のイベントで発表した新製品の目玉はもちろん「HP ENVY Spectre XT」だが、中国で人気のある14型サイズのUltrabookを「HP ENVY14 SPECTRE」、「HP ENVY 4 Ultrabook」と続けて投入していることからも、中国市場を強く意識している様子がうかがえる。

 HP社長兼CEOのMeg Whitman氏も最終日の基調講演で登壇。質疑応答の中で中国市場の特徴について「中国は上海のような(発展している)地域から、内陸部の農村地帯まで、幅広い属性を持った顧客が存在する。こういった地域はほかにない。また、驚くべきスピードで現在顧客チャネルが構築されている」と述べた。人口の多さだけではなく、さまざまなニーズを持った顧客がいるということも、中国市場が魅力的である理由の1つとなっているようだ。

Ultrabookに注力する姿勢を強調

photo Steve Hoffman氏は、今後HPがUltrabookに注力していくことをアピールした

 中国市場への注力とともに、Ultrabookへの注力も繰り返し語られたテーマだ。Ultrabookの新製品が多数発表されたことを受け、イベント最終日の基調講演では、Steve Hoffman氏が「HPはUltrabookに多くの投資をしている。今後も新たなUltrabookを市場に打ち出す予定だ。インテルやマイクロソフトなどのパートナーとともにUltrabookで大きなムーブメントを起こしたい」と意気込みを語った。

 インテル中国のSean M. Maloney氏も「長時間駆動、高いレスポンス、薄型軽量、UltrabookはPCに必要な要素をすべて満たしている」と述べ、「UltrabookはPC業界によい影響を与える。業界の見通しは明るい」とUltrabookのメリットを強調した。

ビジネス向けのUltrabook「HP EliteBook Folio 9470m」を発表

 本イベントで、HPは「HP ENVY Spectre XT」など3種類のコンシューマー向けのUltrabookを発表したが、Ivy Bridge世代のCPUを搭載するビジネス向けUltrabook「HP EliteBook Folio 9470m」も発表している。

photo HP EliteBook Folio 9470m

 HP EliteBook Folio 9470mは、1366×768ドット対応の14型ワイドディスプレイを内蔵し、オプションでLTE対応のデータ通信機能を内蔵できるのが特徴だ。BTOカスタマイズに対応しており、メモリは最大で16Gバイト、ストレージは500GバイトのHDD(7200rpm)や256GバイトのSSD(m-SATA 6Gバイト)などを選択できる。

 インタフェースは、アナログRGB、DisplayPort、USB 3.0×2、USB 2.0×1、音声出力、ギガビットLAN、SDメモリーカードスロットなどを備える。無線ネットワークはIEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANやBluetooth 4.0などを利用できる。OSはWindows 7 Professional/Home Premiumから選択可能だ(32ビット版/64ビット版も選べる)。

photophotophoto HP EliteBook Folio 9470mのモックアップ(写真=左)。インタフェースは左右側面にあり、左側面にはアナログRGBとUSB 3.0×2、DisplayPort、有線LANポートを(写真=中央)、右側面にはSDメモリーカードスロット、音声出力、USB 2.0を搭載する(写真=右)

 ビジネス向けのモデルとあって、指紋認証システムやvPro、ファイルとフォルダの暗号化やパーソナルセキュアドライブに対応する「Embedded Security for HP ProtectTools」、データを暗号化する際にデータが記録された記憶装置とは別のチップに暗号キーを記録する「TPMセキュリティチップ」など、セキュリティ関連機能が充実している。

 本体サイズは、338(幅)×231(奥行き)×18.9(厚さ)ミリで、重量は約1.63キロ。セカンドバッテリーや、アナログRGB、DisplayPort、USBポートなどを備えるドッキングステーションも用意する。2012年10月に発売予定で、価格は未定。日本での発売についても未定となる。

日本向けの製品は出るの?

 イベントを通じて、Ultrabookと中国に注力する姿勢をアピールしたHPだが、日本向けの製品、特にUltrabookの投入予定はあるのだろうか。同社コンシューマープレミアム製品担当、バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのDominic Macarthy氏に話を聞いた。

 日本におけるモバイルノートPCは、一般的に13.3型サイズ以下のノートPCを指す。日本では電車が主な移動手段であることから、モバイルノートにおいては重量が大きなポイントとなる。今回のHP ENVY Spectre XTの重量は1.39キロとかなり軽量だが、1キロを切る13.3型Ultrabookを国内メーカーが発表する状況下で、重量の面で多少見劣りするのは否めない。

 「日本向けに特化した軽量なUltrabookを投入する予定はあるか?」という質問に対して、Macarthy氏は「もちろん日本特有の事情やニーズがあることは理解している。11.6型サイズのUltrabookを開発する動きもある。まずは日本のユーザーのニーズをしっかりと理解し、多くの人にとって魅力的な製品を出す準備ができたら、積極的に製品を投入していきたい」と前向きな姿勢を見せた。

photophoto HPコンシューマープレミアム製品担当、バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのDominic Macarthy氏(写真=左)。今回のイベントで、HPはビジネス向けに11.6型のノートPC「HP EliteBook 2170p」を発表している。重量は1.31キロで2012年6月にアジア太平洋地域発売予定だ(写真=右)

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