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» 2012年10月19日 17時00分 UPDATE

ところで、Yは“Yoga”のY?:写真と動画で見る「LaVie Y」──Windows RTで何ができる? (1/3)

ARMアーキテクチャ+Windows RTな軽量マシンは「Surface」だけじゃない。NECが投入するWindows RTマシンは、360度回転ディスプレイ+キーボード付きの“コンバーチブルタブレット”である。

[岩城俊介(撮影:矢野渉),ITmedia]

長時間動作を特長とするTegra 3+Windows RT搭載タブレット

photo NECのWindows RT搭載コンバーチブルタブレット「LaVie Y」

 タブレットの手軽さも、ノートPCの生産性も──。小型・薄型・軽量のボディ+タッチ+キーボード+Windows RTといえば、マイクロソフト謹製の「Surface with Windows RT」がかなり注目を集めている。こちら、32Gバイトモデルが16Gバイトモデルの第3世代iPadと同じ499ドルとする価格となるようだが、日本ではいつ発売されるのか、そしておいくらになるのか。……はさておき、NECも似たコンセプトのマシンを秋冬モデルとして用意していた。それが「LaVie Y」だ。

 LaVie Yは、プロセッサにモバイル向けプラットフォームであるTegra 3(T30/1.3GHz)を、OSにWindows RTを採用した「コンバーチブルタブレット」だ。

 見慣れたノートPCのスタイルから、ディスプレイをぺたんと180度まで、さらにくるりと360度まで裏返しにすることで、ピュアタブレットスタイルに変化する「360度回転ディスプレイ」機構を採用する。これにより、タッチで操作するピュアタブレットと、キーボード+タッチパッド(やマウス)で操作するノートPCの生産性を、同じ使い勝手で両立できる点を訴求する。本体とキーボード(+カバー)が分離したセパレートスタイルのSurfaceや他機種とは、製品テーマとしてここが若干異なる。

photophotophoto ディスプレイを360度裏返した「タブレットスタイル」、ブラウザ表示は縦位置で表示すると見やすい。このようなスタンドスタイルで動画ビュワーとしても使える

 ギミックそのものは、かつての携帯電話、例えば東芝製の「V604T」や「W56T」などに存在したのでユニークというわけではない。ただ、回転2軸ヒンジタイプも含めたかつてのタブレット変形型モデルがそうだったように、比較的大きく重くその分強度も必要と思われるPCではかなり大げさなヒンジ機構を必要としていた。そう考えると、11.6型サイズでこのスマートなスタイルを実現したのにまず驚かされる。ボディは厚さ15.6ミリと薄く、閉じても、タブレットスタイルにしても、フラットな一枚板デザインを維持している。



 改めてボディサイズは、298(幅)×204(奥行き)×15.6(厚さ)ミリで、重量は約1.24キロ。ディスプレイは1366×768ドット表示に対応する11.6型ワイドのIPS液晶パネルを採用し、当然、Windows RTの操作のための5点マルチタッチ対応静電タッチパネルも搭載する。

photophoto 天面パネルはNECロゴがあるのみのミニマルデザイン。金属素材特有のサラサラな手触りで、指紋や皮脂は目立ちにくい

 デザインはシンプルでミニマル。カラーはシルバーの1色で、シルバーを基調につや消しブラックの側面ライン(とキーボード面)で構成する。こちら、重量875グラムの超軽量+薄型なスペシャルUltrabook「LaVie Z」のデザインに通じる印象を受ける。LaVie Zと同様に派手なデザインで人目を引くものではないかもしれないが、ミニマルでフラットなたたずまいも心地よいものである。

 重量の1.24キロは、意外に評価が難しい。ノートPCとして見ればとても軽量で、バッグに入れて携帯するにも苦にならない範囲だ。一方、タブレット単体としてはかなり重い。例えば同等の画面サイズであるNEC製10.1型Androidタブレット「LifeTouch L」は本機の半分以下となる約540グラムであり、プラットフォームとOSが同じSurfaceも単体重量は680グラム以下としている。もちろんそれに外付けキーボードの重量も含めた総重量で比べると差は縮まるが、そこはキーボードが一体か、分離か、どちらの製品コンセプトが自分に合うかによって印象は違うものになりそうだ。

 ともあれ、薄いので手にしたサイズ感こそ10型クラスの他OS搭載タブレットとさほど変わらないが、持ち上げるのに「んっ」とちょっと気合いを入れなければならない重さは若干感じてしまう。無理にすることはないが、立ったまま片手で保持する──のは、数分が限度だ。

photophotophoto 評価機の単体重量実測値は1220グラム、ACアダプタ込みで1523グラムだった。ACアダプタは約65(幅)×105(奥行き)×18(厚さ)ミリでDC端子はLaVie Zと同じ角形。出力20ボルト/3.25アンペア

 ただ、本機はノートPCスタイルとタブレットスタイルのほか、半開状態で立てて使う“テント”スタイルや、“スタンド”スタイルにもできる。このスタイルは自宅/プライベートルームで使う卓上ビュワーにちょうどよく、新幹線/長距離列車や航空機の座席などでも便利に使えそうだ。使う場所に応じてスタイルを変えられるこの仕組みは、こういうところに生きてくるといえる。ちなみに、ディスプレイを180度以上開くとキーボードとタッチパッドは自動的にオフになる。

 キーボードは日本語JIS配列のアイソレーションタイプで、キーピッチ18.5ミリ、キーストローク1.6ミリを確保する。キートップは約15(横)×15(縦)ミリで、逆俵型のどこか見なれた形状はおそらくLenovoのあるシリーズと共通する部材を使用していると思われる。[Enter]キーや上段の[ほ]、[へ]、[¥]、[半角/全角]キーなどが縮小されているものの、変則的なレイアウトではないので違和感はない。いわゆる11.6型クラスの薄型ノートPCのそれと同等の入力感を実現できるだろう。

photophotophoto キーボードはどこかで見たことのあるデザインだが、18.5ミリピッチ/1.6ミリストロークを確保し、レイアウトも普通のノートPCと同等だ。ファンクションキーでボリューム、アプリ終了、リロード、機内モード移行、バックライトの明るさ調整などの機能が割り当てられている。従来のF1〜F12キーは[Fn]キーを押しながら操作する

 入力に関して、Windows RTはこれまでのWindows(x86/x64)アプリケーションが動作しないモバイルプラットフォーム向けのエディションなので、慣れたサードパーティ製日本語入力システムやキーアサイン、そのユーザー辞書をそのまま使い回す環境を整えるのは難しい、というか現時点はできない。こちらは例えば、個人的希望でATOK PassportがWindows RTをサポートしてくれるのを待ちたいが、当面はWindows RT標準の日本語入力システムを利用することになる。

 Windows 8/RTにおいて、Modern UIへの切り替えのほか、各種ショートカットキー操作などにも用いるキーとして、これまでより多様されることになるであろう[Windows]キー。こちらはアイコンをWindows 8用デザインに変更しつつ、タブレットスタイルでの操作のため、ディスプレイ面の下段中央にも配置する。

 タッチパッドは約90(横)×60(縦)ミリで、サラサラ手触りの表面。デバイスマネージャによるとSynaptics製ドライバが導入されているようだ。縦方向約75ミリを確保したパームレストは、感触がソフトで滑りにくいシボ入りラバー調のシートが張られている。

photophoto 厚さは15.6ミリ。タブレットスタイルのままでも操作できるよう、電源ボタンは前面に配置する。背面は360度回転のためのヒンジもすっきりスマートだ
photophotophoto 左側面にイヤフォン/マイク入出力(3.5ミリ)、USB 2.0、HDMI出力、ボリューム、右側面に自動回転オフキー、USB 2.0、SDメモリーカードスロット、DC入力端子を実装する。DC入力端子はLaVie ZやThinkPad X1 Carbon、IdeaPad Yoga 13に備わるものと同じ角形タイプだ。もう1つ、本機はファンレス仕様であるのもうれしい。手にすると相応のあたたかさこそ感じるが、深夜の自室や図書館など静かな屋内環境でも無音である
photophotophotophoto デバイスマネージャ画面の一部。ストレージはMMC Memory Card(容量は64Gバイト)、無線LANチップはBroadcom製、プロセッサはTegra 3(T30)で4つのコアが認識されていることなどが分かる

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→「LaVie Y」をNEC Directでチェックする
360°回転キーボードで、多彩に使えるコンバーチブルタブレット。場所・目的にあわせて最適なスタイルで使う


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