新しいゴリラガラスは“傷ついてもしなやかで強い”2013 International CES

» 2013年01月12日 18時02分 公開
[長浜和也,ITmedia]

強さの理由は「傷を拡げない」こと

 ノートPCの液晶ディスプレイサイズが大きくなるにつれて、その表面に傷がつくのを防ぐために、この数年で一気に採用が増えたのが、コーニングの強化ガラス「ゴリラガラス」だ。

 コーニングは、その新モデルとなる「ゴリラガラス3」を2013 CESに合わせて発表した。彼らの展示ブースでは、これまでにゴリラガラスを採用したUltrabookやスマートフォンを大量に展示して、その実績を示すとともに、簡単な“実験”装置を用意して、ゴリラガラス3の強度を紹介するデモを行っていた。

2011 CESで初めて紹介した初代ゴリラガラス(写真=左)。そして、2012 CESでは2代目のゴリラガラスが登場(写真=中央)。わずか2年なのに、すでに10億台のデジタルデバイスが採用して、コーニングが“ゴリラの惑星”と冗談をいうほどに普及した(写真=右)

 ゴリラガラス3では、「Native Damage Resistance」(NDR)を導入することで、傷がついた状態における耐久性が向上した。競合の強化ガラスでは、傷を受けた部分に多数のひびが発生して強度が弱くなるが、NDRを導入するゴリラガラス3は、傷を受けるときにその衝撃を吸収することで損傷部にひびが発生せず、局所的な強度低下を防げるという。

ゴリラガラス3で導入したNDRは、傷の原因となる衝撃を吸収することで、損傷部に発生するひびを減らして強度の低下を防ぐ

 ゴリラガラス3の耐久性を示す実験は、傾斜した坂で金属球を転がし、坂の下に設置したガラスに衝突させるもので、坂の傾斜を変えることで衝撃力を変化できる。実験では、衝撃力を増やしてゴリラガラス2にも長い亀裂が発生する状況でも、ゴリラガラス3は無事なことを示めした。

 また、コーニングの資料では、ニードルでガラスの表面を引っかいていく実験も行っているが、ニードルの圧力を増しても、ゴリラガラス3では、ニードルのあたった部分が削れるだけで、破砕帯が広がらないという結果を紹介した。コーニングの実験では、ゴリラガラス2とゴリラガラス3の比較において、損傷部で発生するひびの数は40パーセント減少し、損傷が発生した状態における耐衝撃性能は50パーセント向上したという。

「急傾斜の坂の上から雲、いや、球を転がして下にあるサンプルにぶちかまします」「ヘイ、ジョーイ、やめておけよー」(写真=左)「ガキン!」「ほーら、金属の板がベッコリと」「すごいね、お兄さん!」(写真=中央) 「バゴン!」「ゴリラガラス3は平気です」「それもすごいね! お兄さん! 」(写真=右)

ニードルでガラスを引っかく実験では、最初、ニードルで押さえた場所だけが傷となるが、力が増えるにしたがって、周囲に破砕帯が発生する。しかし、ゴリラガラス3は、8ニュートン/平方ミリの圧力でも破砕帯が発生しなかった

 ガラスを扱うコーニングは、光ファイバケーブルも開発している。2013 CESでは、光ファイバケーブルでも新製品を発表しているが、そのデモも紹介した。光ファイバケーブルは銅製ケーブルと比べて柔軟性に劣るイメージがあるが、新開発の光ファイバケーブルでは柔軟性と耐久性が向上し、デモでは、ケーブルの4カ所を折った状態でもケーブル内部に光が伝わることを実証した。

コーニングが開発した光ファイバケーブルは、ギュッっと折った状態でも断線することなく、光を内部が伝わるほどの柔軟性と耐久性を実現した

(記事掲載当初、一部NDRの表記に誤りがありました。おわびして訂正いたします)

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