マウスコンピューターの「m-Book W」は、17.3型ワイドのボディに高性能なパーツを搭載したハイエンドノートPCだ。17.3型クラスの製品では、ゲーミングPCブランドである「G-Tune」を冠したフラッグシップ機「NEXTGEAR-NOTE i970」もラインアップされているが、前回紹介した「NEXTGEAR-NOTE i970PA4-SP-W7」のように、性能がモンスター級だけあって価格も軽く30万円を突破してしまう。一方、今回取り上げる「m-Book W」は、ミドルレンジクラスのゲーミングノートPCに比肩する性能を持ちながら、構成によっては10万円以下の予算で手が届くのが魅力だ。
実はこの「m-Book W」、以前「ゲーミングノートPCを食う“下克上”モデル」としてすでに紹介している(関連記事:ゲーミングPCじゃないのにすっごく速い!! 格安17.3型ワイドノート「MB-W900S-SH」の実力)。基本的なアーキテクチャや操作感などの詳細はそちらで確認して欲しいが、ここで取り上げた「MB-W902B-SH」は、主にコストパフォーマンスの面で注目に値する部分があるので改めて見ていこう。
型番 | MB-W902B-SH | MB-W900S-SH |
---|---|---|
CPU | Core i7-3630QM(2.4GHz/3.4GHz) | Core i7-3630QM(2.4GHz/3.4GHz)※ |
メモリ | 16GB(PC3-12800)※ | 12GB(PC3-12800) |
ストレージ | 120GB+1TB HDD※ | 120GB SSD+1TB HDD※ |
グラフィックス | GeForce GTX 660M(2GBメモリ) | GeForce GTX 660M(2GBメモリ) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ | Blu-ray Disc |
液晶ディスプレイ | 17.3型ワイド(1920×1080ドット/非光沢パネル) | 17.3型ワイド(1920×1080ドット/光沢パネル) |
OS | 64ビット版Windows 8 | 64ビット版Windows 7 Home Premium |
価格 | 9万9750円 | 10万9830円(販売時のWeb限定価格) |
上の表を見ると分かるように、以前は期間限定キャンペーンで無償アップグレード対象だったCPUが、標準でCore i7-3630QM(2.4GHz/3.4GHz)になり、さらにメモリ容量が新しいキャンペーンによって16Gバイトへ増量できるようになっている。また、データ用のHDDを無償で1Tバイトに変更できるキャンペーンも継続中だ。ストレージの性能と容量を両立したダブルドライブ構成の本機で、さらに1Tバイトの保存領域を確保しているのは心強い。
そのほかの変更点としては、液晶パネルの表面処理が非光沢なことと、光学ドライブがDVDスーパーマルチにダウングレードしていること、OSが最新のWindows 8になったことが挙げられる。そして最大のポイントは価格だ。光学ドライブがBlu-ray Discではないという点はあるものの、価格は1万円以上安い9万9750円と、10万円を切る価格を実現しているのだ(ちなみにBTOでBlu-ray Discを選択しても+7980円なので、MB-W902B-SHのほうがコストパフォーマンスは高い)。
それでは簡単なベンチマークテストで、前回取り上げたMB-W900S-SHと比較していこう。ただ、それぞれの評価機は、MB-W902B-SHが無償アップグレード適用後、MB-W900S-SHがアップグレード適用前になっている点と、OSが異なる点に注意してほしい。
型番 | MB-W902B-SH | MB-W900S-SH |
---|---|---|
CPU | Core i7-3630QM(2.4GHz/3.4GHz) | Core i7-3610QM(2.3GHz/3.3GHz) |
メモリ | 16GB(PC3-12800) | 12GB(PC3-12800) |
ストレージ | 120GB+1TB HDD | 120GB SSD+500GB HDD |
グラフィックス | GeForce GTX 660M(2GBメモリ) | GeForce GTX 660M(2GBメモリ) |
OS | 64ビット版Windows 8 | 64ビット版Windows 7 Home Premium |
結果を見ると、システムの総合性能を測るPCMark7および、グラフィックス性能を測る3DMarkVantageと3DMark11の双方で、従来機のMB-W900S-SHを上回るスコアを出している。MB-W900S-SHはキャンペーン適用前の仕様、かつOSの違いはあるものの、価格の差を考えればさらに魅力的なモデルに仕上がっていることは言うまでもないだろう。高い処理性能を持つCPUと大容量のメモリ、強力なグラフィックス機能、高速なストレージなど、最新の3Dゲームにも対応できる高い性能は、メインPCとして幅広い用途で活躍できるはずだ。
「Windows 8を採用した最新ハイエンドノートをできるだけ安い価格で手に入れたい」と考えているユーザーにとって、“下克上”モデルとしてのコストパフォーマンスに磨きをかけた「MB-W902B-SH」は、要注目の1台といえるだろう。
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