突然、筆者の自宅にあるTime Capsuleが不通になり、AirMacユーティリティで再起動しても、ウンともスンとも言わなくなった。内蔵HDDには過去の確定申告のデータが入っていて、どうしてもすぐに必要……そこで仕方なく本体を分解してHDDを取り出したのだが、この件でデータ管理の大切さを再認識したのだった――というわけで、今回はその辺りのお話。
このTime Capsuleは、少し前まで「どこでもMy Mac」を使って自宅の内外からアクセスできるデータサーバとして運用していたもの。ただ、MobileMeからiCloudにサービスが切り替わったタイミングで、一時期、自宅の外からアクセスできない仕様に改悪されたことで、ほとんど使わなくなってしまった。その後、外からでもアクセスできるようになったものの、すでにそのころには、クラウドサービスなども導入してファイル共有環境を整え始めていた。
そうして1年ほど試行錯誤した末に、ついに筆者がたどり着いた(というほど大げさではないけれども)、『Macと「どこでもMy Mac」を使ったファイル管理術』を紹介しよう。
PCを仕事に使っている人なら、日々、増大するファイルの管理に頭を悩ませているはず。最初は内蔵ストレージで足りていた容量も、写真や動画などを撮り始めると一気に埋まって、外付けストレージが必要になる。しかし、筆者のようなモバイラーにとって、外付けストレージにデータを移すと、いちいちストレージごと持ち歩く必要が出てきてしまい、これはとても面倒だ。数Tバイトの大容量で、出先のノート型Macからもかんたんにアクセスできるうえ、月々のコストがかからない方法はないものか……と探して行き着いたのがMacの「どこでもMy Mac」だった。
これには2台以上のMacと、1つのiCloudアカウントがあることが前提。自宅のMacにThunderboltの外付けHDDを接続しておき、ここに終了した仕事やスキャンした書類などを放り込んで集中管理。ノート型Macで出先や事務所からアクセスする感じだ。
その素晴らしさは、3つに集約できる。
まずは画面共有について。「どこでもMy Mac」は、冒頭で触れたようにTime CapsuleなどのAirMacベースステーションでも使えるが、これはファイル共有のみになる。一方、Macを使った「どこでもMy Mac」では、ファイル共有に加えて画面共有(いわゆるリモートデスクトップ)も利用できる。VNCなどの別ソフトを組み込むことなく、OS標準で使えるのでお手軽だ。
画面共有をオンにすると、そのものズバリの「画面共有」というソフトが立ち上がって、自宅にあるMacのデスクトップがそのままウィンドウ内に表示される。マウスカーソルをこのウィンドウ内に持ってくると、そのまま遠隔操作が可能。カーソルを外せば手元のMacに戻って作業できる。ファイルをドラッグ&ドロップして、遠隔地/手元の間でやりとりすることも簡単なのだ。
筆者が特に気に入っているのは、画像管理ソフト「Aperture」のライブラリを閲覧して、過去の仕事の写真をキーワード検索できること。このソフト上で管理しているデータを確認しながら探せる点で、NASとは一線を画している。
ちなみに複数ディスプレイを接続しているMacでも、すべてのデスクトップを並べて表示してくれる。その際、ツールバーに各ボタンが現れて、ボタンで1つのデスクトップのみ表示するようにも変更可能だ。シンプルだけど、細かいところの配慮がスゴい。
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