筆圧1024段階で5万円台のWindows 8タブレット――「Latitude 10」は漫画家を満足させられるか?知られざる“お絵描き”性能に迫る(1/3 ページ)

» 2013年03月21日 15時00分 公開
[山田胡瓜(撮影:矢野渉),ITmedia]

ビジネス向けタブレットを“お絵描きマシン”として使ってみる

photo デルの10.1型Windowsタブレット「Latitude 10」。もともとビジネス向けの製品だが、個人向けにも販売している。今回は1024段階の筆圧レベルに対応したペン入力機能に着目し、これを“お絵描き”マシンとしてレビューしていく

 「今ハヤリのタブレットがそのまま液晶ペンタブレットになればいいのに」――こんな思いをふくらませている"お絵描きクラスタ”の諸氏に紹介したいデバイスがまた1つ生まれた。デルのWindows 8タブレット「Latitude 10」だ。

 本製品は、通常仕様の「Latitude 10」(5万4980円)と一部機能を省略した「Latitude 10 Essentials」(4万9980円)の2モデルを用意する。このうち、Latitude 10はワコムの「Wacom feel IT technologies」を搭載しており、オプションの「ワコム・アクティブスタイラスペン」(3150円)や「WACOM Banboo Stylus feel」などのfeel IT technologies対応スタイラスペンを使い、筆圧を駆使した高度なお絵描きが楽しめる。

 最近では「VAIO Duo 11」(レビュー)や「ThinkPad Tablet 2」、少し前だと「Eee Slate B121」など、絵描きの物欲をくすぐる筆圧対応タブレットPCがちょくちょくと登場している。その中でLatitude 10は、1024段階という本格的な筆圧レベルに対応しながら5万円台という低価格を実現しているのが、大きな特色だろう。

 実際に使ってみると、キーボードショートカットが使いにくいといったピュアタブレットスタイルならではのもどかしさや、価格が安いぶんだけ割り切るべきポイントも出てくるが、「液タブの世界をお手軽に体験したい」という人には有力な選択肢だと筆者は感じた。「外出中に本格的なお絵描きを楽しみたい」「その気になれば出先でもイラストを修正できるようにしたい」といった人にも、Latitude 10は便利なツールとなり得るのではないだろうか。

 Windows 8タブレットとしての全体像については、既にレビューを掲載しているが、今回は「絵描きの目線」で同モデルの実力をチェックする。

photophoto 本体サイズは274(幅)×176.6(奥行き)×10.5〜13.4(厚さ)ミリ、重量は約658グラム(公称値)。持ち歩きができる液晶ペンタブレット+タブレットPCとして考えれば、魅力的なサイズだ
photophoto 1366×768ドット表示の10.1型ワイド液晶ディスプレイは、最大輝度が450カンデラ/平方メートルと明るい。画面には強化ガラス「Corning Gorilla Glass」が貼られており、スタイラスペンで強めに描いても耐久性は問題ない。タッチパネルは静電容量式の5点マルチタッチ機能と、Wacom feel IT technologiesに対応した筆圧1024段階のペン入力機能を備えている

筆圧が使えるソフトウェアは限定的

 タブレットPCでお絵描きをする際にしばしば突き当たるのが「WinTab」非対応問題だ。「Photoshop」をはじめとするグラフィックスソフトウェアの多くはWinTabというAPIで筆圧機能を実現している。しかし、この記事を書いている2013年3月20日時点では、Latitude 10のペンタブレット機能はWinTabに対応しておらず、「TabletPC」というAPIをサポートするソフトウェアでしか筆圧機能が使えない。

photo セルシスの「CLIP STUDIO」を使い、環境設定で「使用するタブレットサービス」を「TabletPC」に変更。これで筆圧を利用したペン入力が可能になる

 TabletPC APIに対応したグラフィックスソフトウェアは、例えばセルシスの「ComicStudio」「IllustStudio」「CLIP STUDIO」、AmbientDesignの「Artrage」などがある。今回はCLIP STUDIOを使って使い勝手を試してみた。

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