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» 2013年05月29日 17時00分 UPDATE

ワイヤレスジャパン2013:「ワイヤレス充電」、スマホはもちろんPCでも

ノートPCにも適用可能というワイヤレス電力伝送技術「WiPower」。50ワットほどまでの供給が可能で、サイズやコストも低く抑えられる特長がある。

[岩城俊介,ITmedia]

無線接続で機器を充電、ノートPCもカバーできる「WiPower」

photo ブロードバンドワイヤレスフォーラム/ワイヤレス電力送信WGのブース

 モバイル/ワイヤレスの専門展示会「ワイヤレスジャパン2013」で、無線接続/無接点にて給電できる“ワイヤレス電力伝送/ワイヤレス給電”の展示が盛んに行われている。

 ワイヤレス給電は、すでに国内でも「Qi」規格でスマートフォン/モバイルバッテリーなどに採用され、普及してきている。Qiはワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)により標準規格化され、電磁誘導方式のコイルを用いて最大5ワットの電力をワイヤレスで供給可能。「Qi」マークが付与された機器であればどのメーカーの機器+充電器でも置くだけで充電できる特徴を持つ。

 一方で、より消費電力量の多いノートPCなどには出力が足りず、Qi対応ノートPCはまだ実現できていない(今後、30〜120ワットのハイパワータイプの規格化も進めているとしているが)。


 Qiに並び、モバイル機器向けのワイヤレス給電技術としてアピールするのが「WiPower」だ。

photophotophoto Qualcommが展示したWiPowerのデモ機。利用時の自由度が高く、低コスト導入が可能、さらに50ワットほどの出力にも対応するのでノートPCでも利用可能とする点などが特長。机の裏に装着すれば既存の机も「ワイヤレス充電対応」にできる

 WiPowerは、Qualcommらを中心としたAlliance for Wireless Power(A4WP)が2013年1月に承認した規格。Qiと同様にスマートフォン、タブレットなどでは“置くだけ充電”が可能、さらにQi比で、

  • 磁界共鳴方式を用い、置く場所を選ばない(Qiのようにコイル上へピンポイントに置く必要がない)
  • 低コスト、コイル不要で組み込みやすい(厚さ数μメートル以下の電極も使用可能)
  • 機器も薄型コンパクトにできる(Qiの可動コイル型/コイル羅列型に対して)
  • 機器を給電機器に密着させなくても利用可能

 の点が優れるとうたう。Qualcommが参考展示したWiPowerデモ機は、6.78MHz帯を用いる仕様で、50ワットの出力まで対応する。50ワットの出力があれば、昨今のモバイルノートPCクラスであれば十分まかなえる範囲だ。さらに給電機器を薄くでき、かつ10センチほど離れても認識できる特徴により、今ある木製テーブルの下に後付けすることも容易。喫茶店やファミリーレストランといった店舗や公共の場所へ導入し、集客ツールの1つにする事例の広がりも見込まれる。Fukunishiが展示したICカード認証で課金管理ができる「公衆電源コンセントシステム」などと組み合わせるのもアリだろう。

photophoto 村田製作所の「電界結合型ワイヤレス電力伝送モジュール」(10ワット出力対応)を内蔵した某R632ふうPCと、外付けカバーにてワイヤレス充電に対応させたiPhone。「やろうと思えばすぐ実現・販売できるほどの完成度になっている」(説明員)。なにより厚さ・重さがほぼ変わらず、コイル不要のため特に発熱もない点が魅力。ワイヤレス充電に対応iPhoneは、裏面に厚さ増はほぼ無視できるフィルムのみ、下段にレシーバーモジュールを装着しただけの構成、給電面もほぼ透明だが、ここにきちんと電極が入っている
photophoto Fukunishiが展示していた「電子マネー対応公衆電源コンセントシステム」。価格はコンセント端末4台とゲートウェイ端末1台+ソフトウェアで30万〜40万円ほどを想定する

 LTE/WiMAXなどのモバイルデータ通信サービス、公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスの普及により、外出先でも「インターネット接続環境の確保」はとても容易になった。ただ「電源の確保」はそれと比べるとまだ難しい。機器の省電力化を推進してバッテリー動作時間が伸びてくれることはもちろんだが、ワイヤレス給電の普及も「バッテリーの不満」が解消されるであろう1つのポイントになるといえそうだ。

photo ULブースで展示されていた「Qi」製品(ULは世界各国の安全認証──PSEマーク、電波法認証などの発行や検査、取得支援サービスを行う企業)
photophotophoto パイオニアが参考展示していた「高出力 EV・PHV向け非接触充電システム」。駐車すれば自動的に充電される──というものだ。「KURO」シリーズなど、プラズマディスプレイ開発で培った高電圧/高電流インバータの技術が応用されているという

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