評価機のスペックをおさらいすると、CPUがCore i7-4710MQ(2.5GHz/最大3.5GHz)、GPUがGeForce GTX 860M(GDDR5 2Gバイト)、メモリ8Gバイト、ストレージが128GバイトSSD+500TバイトHDDを組み合わせた構成だ。OSは64ビット版Windows 7となっている。
まずPCの用途全般をシミュレートし、総合性能を算出するPCMark 7は、総合スコアが5656と、メインマシンとして十分なスコアをマークした。システムドライブにSSDを採用したことも貢献した形だ。一方、PCMark 8の結果もHomeが3541、Creativeが4135、Workが4321とまずまずで、オフィスソフトを使った作業からクリエイティブ用途までオールマイティにこなせる実力を持っている。また、CINEBENCH R11.5のCPUスコアが6.74(pts)、CINEBENCH R15のCPUスコアが623(cb)と、8スレッド動作のCore i7-4710MQを搭載することから十分なCPU処理能力を備えているのが分かる。
なお、CrystalDiskMarkでCドライブを測定した結果は、シーケンシャルリードが471.5Mバイト/秒、シーケンシャルライトが302.1Mバイト/秒と十分な速度を出しており、ランダム性能も高い。さすがに最新SSDやM.2(PCI Express接続)のモデルに比べると劣るが、体感で不満を感じることはないだろう。
一方、3Dグラフィックス性能を測る3DMarkは、Ice Stormが96341、Cloud Gateは15694Sky Diverが12037、Fire Strikeが3776という結果になった。デスクトップPC向けGPUであるGeForce GTX 750 Tiとほぼ同等かやや下回るくらいの性能を持っており、Battlefield 4のような負荷の高いFPSを高画質で楽しむのは難しいが、画質を調整することで十分プレイできそうだ。もちろん、ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼアといった比較的負荷の軽いタイトルなら快適に楽しめる(なお、同ベンチマークでは最高品質/1366×768ドットで10584と1万を超え、「非常に快適」の指標になっている)。
G-GEAR note N1561J-720/Eは、フルHDに対応した大画面液晶と、幅広いゲームタイトルを楽しめる性能を備えながら、11万9800円(税別)という価格を実現したバランスのいいゲーミングノートPCだ。このカテゴリの製品は、GeForce GTX 870M/880Mを搭載するハイスペックモデルなど上を見ればキリがないが、その分価格は一気に跳ね上がってしまい、デスクトップPCのハイエンドクラスを軽く超える値段になってしまう。PCはほかの家電製品などに比べて陳腐化が速く、それだけのコストを惜しげもなく投入できる人は多くはないだろう。
例えば、パソコンについてはそれほど詳しくないけどPCゲームで遊んでみたい、あるいは、これまでプレイステーション3で新生FF14をプレイしていて、もっと高画質な環境で楽しみたいと考えている人が、上記のようなシステムを購入するのはやや現実的ではない。その点、今回取りあげたG-GEAR note N1561J-720/Eは、性能面での満足感が高く、価格も手ごろだ。ALIENWAREやRazerのような有名ゲーミングブランドの突き抜けたかっこよさはないが、実用的かつ安価な選択肢の1つとして是非覚えておきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.