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» 2015年04月28日 18時30分 UPDATE

あのライバル機とも比較:極薄ファンレスボディに秘められたCore Mの実力は?――「ASUS TransBook T300 Chi」徹底検証(ベンチマークテスト編) (1/3)

Core Mと高精細ディスプレイ搭載の極薄ファンレスボディが際立つ「ASUS TransBook T300 Chi」。今回はさまざまなテストを行い、モバイルPCとしての実力をチェックする。

[フォレスト・ヒーロー,ITmedia]

←・MacBookとは違うCore Mマシンの可能性に挑む:これがキーボード着脱式モバイルPCの最前線だ――「ASUS TransBook T300 Chi」徹底検証(使い勝手編)

ココが「○」
・Core M採用の薄型ファンレスボディ
・高精細“2560×1440”の12.5型液晶
・マグネット式のスマートな着脱機構
ココが「×」
・キーボード接続時は約1.42キロに増量
・スタミナと充電時の配線に課題あり
・タブレット本体にアウトカメラがない

極薄タブレット本体に搭載されたCore Mのパフォーマンスは?

 前回は、薄型ボディが目を引くキーボード着脱式“2in1”モバイルノートPC「ASUS TransBook T300 Chi」の特徴と使い勝手をチェックした。今回はパフォーマンス、バッテリー駆動時間、動作時の発熱といったテストを行い、モバイルPCとしての実力に迫る。

tm_1504_T300Chi_2_01.jpg 「ASUS TransBook T300 Chi」は、Core Mプロセッサと12.5型ワイド液晶ディスプレイを搭載したWindowsタブレットに、着脱可能なキーボードを組み合わせた2in1構成のモバイルPC。評価機の最上位モデル「T300CHI-5Y71」は、実売価格13万9800円前後(税別)だ

 今回テストするのはハイエンドモデルの「T300CHI-5Y71」だ。基本スペックは、2コア/4スレッド対応のCore M-5Y71(1.2GHz/最大2.9GHz、4Mバイト3次キャッシュ)をはじめ、CPUに統合されたグラフィックスのIntel HD Graphics 5300、8Gバイトメモリ(LPDDR3-1600)、128GバイトSSD、64ビット版のWindows 8.1を採用する。

 まずは、Windows 8.1で標準機能から省かれているWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアをWIN SCORE SHAREで計測してみた。TDP(熱設計電力)が4.5ワット、SDP(Scenario Design Power:シナリオに基づいた消費電力設計)が3.5ワットと低く、消費電力と発熱を抑えたCore Mの処理性能が気になるところだが、プロセッサのスコアは7.3と意外に高い。TDPが3倍以上の15ワットになるCore i7-5500U(2.4GHz/最大3.0GHz、4Mバイト3次キャッシュ)のスコアが7.4なので、それに近いスコアが出た。

 メモリは7.5、プライマリディスクは7.6と良好な結果だ。その一方で、グラフィックスは5.8、ゲーム用グラフィックスも5.7とボトルネックになっているが、CPU内蔵グラフィックスとしては健闘している。

tm_1504_T300Chi_2_02.jpg WIN SCORE SHARE(Windowsエクスペリエンスインデックス)のスコア

 CPU性能を評価するCINEBENCHのスコアだが、最新版のR15ではCPU(マルチ)が241cb、CPU(シングル)が112cb、従来版のR11.5ではCPU(マルチ)が2.38pts、CPU(シングル)が1.22ptsという結果だった。R15のスコアは2in1の人気モデル「Surface Pro 3」に搭載される第4世代Core i5-4300U(1.9GHz/最大2.9GHz)に比べて、CPU(マルチ)で約94%のスコア、CPU(シングル)でほぼ同等という結果だ。

 Core M-5Y71のTDPは4.5ワットと低いが、第4世代Core(開発コード名:Haswell)のTDP 15ワットモデルであるCore i5-4300Uに近いパフォーマンスが出ている点は見逃せない。プロセッサ自体が省電力設計となっているのはもちろん、プロセッサのアーキテクチャが1世代進むことで、優れた電力効率を発揮できている。Windows 8.1を十分軽快に操作できるレスポンスを確保しつつ、Surface Pro 3と違って、ファンレス設計を実現しているのもポイントだ。

 ちなみに同ブランドの10.1型モデル「ASUS TransBook T100 Chi」は、プロセッサにBay Trailの開発コード名で知られるAtom Z3775(1.46GHz/最大2.39GHz)を採用しており、こちらはSDPが2ワットとより省電力となる。これとR11.5のスコアを比較した場合、CPU(マルチ)で約175%、CPU(シングル)で約329%の結果だ。Core Mの優れた電力効率がここでも発揮されている。

tm_1504_T300Chi_2_03.jpg CINEBENCH R15のスコア
tm_1504_T300Chi_2_04.jpg CINEBENCH R11.5のスコア

 ストレージ性能を計測するCrystalDiskMarkのスコアは、Serial ATA 6Gbps接続のSSDとして、まずまずのスピードと言える。評価機のSSDは、BGAでオンボード実装されるSanDisc製の「i110」だった。最近のSSDにしては、ランダム書き込みの速度が少し遅いのが気になるところだ。

tm_1504_T300Chi_2_05.jpg CrystalDiskMark 3.0.3のスコア

 実際のアプリケーション動作からシステム全体のパフォーマンスを評価するPCMark 7の総合スコアは4261だ。こちらは第4世代Core i5-4300U搭載のSurface Pro 3に比べて約86%、Atom Z3775搭載のTransBook T100 Chiに比べて約158%のスコアに相当し、後者を大きく上回るのはもちろん、前者にも迫っており、なかなか健闘している。

 プロセッサ以外にも、8GバイトメモリとSSDの採用もあって、全体的にハイスペック寄りでバランスが取れたスコアとなっており、仕様を考えると妥当なところだ。

tm_1504_T300Chi_2_06.jpg PCMark 7 1.4.0のスコア

 TransBook T300 Chiは、CPUに統合されたグラフィックスのIntel HD Graphics 5300(300MHz/最大900MHz)を使用する。その3Dグラフィックス性能を評価する3DMarkのスコアについては、高負荷のテストからFire Strikeが532、Sky Diverが2011、Cloud Gateが4288、Ice Stormが44764だった。Ice Stormのような軽めの描画では高いスコアが出るものの、高負荷のテストはさすがに厳しい。

tm_1504_T300Chi_2_07.jpg 3DMark 1.2.362のスコア

 FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(FF14ベンチ)のスコアは、低解像度の標準設定でかろうじて「やや快適」という評価だ。高品質設定や高解像度設定では描画が厳しいが、この性能が薄型ファンレスボディのタブレットで実現できていることを考えると不満はない。

tm_1504_T300Chi_2_08.jpg FF14ベンチのスコア。1280×720/標準品質(ノートPC)
FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコア
解像度 画面表示 画質設定 FF14ベンチスコア 評価
1280×720 ウィンドウモード 高品質(ノートPC) 1833 設定変更を推奨
1280×720 ウィンドウモード 標準品質(ノートPC) 3412 やや快適
1920×1080 ウィンドウモード 高品質(ノートPC) 965 動作困難
1920×1080 ウィンドウモード 標準品質(ノートPC) 1526 設定変更を推奨
2560×1440 フルスクリーン 高品質(ノートPC) 595 動作困難
2560×1440 フルスクリーン 標準品質(ノートPC) 1115 設定変更が必要

ベンチマークテストの概要

  • パフォーマンステスト
    • WIN SCORE SHARE(PC総合評価)
    • CINEBENCH R15(CPU性能評価)
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.2.362(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定


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