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「VAIO Pro 13 | mk2」徹底検証――“タフモバイル”への路線変更は英断か?VAIOが強くて何が悪い(2/7 ページ)

» 2015年05月27日 18時30分 公開

ビジネス向けに便利な端子を追加

 ビジネスを意識した仕様ということでは、端子類の増加も大きな特徴だ。先代機もSDメモリーカード(SDXC対応)スロットに2基のUSB 3.0ポート、HDMI出力など、十分な端子類を備えていたが、さらに1基のUSB 3.0ポートと1000BASE-Tの有線LAN、アナログRGB出力(D-Sub 15ピン)を加えている。

 アナログRGBのD-Sub 15ピンはビジネスプロジェクター接続の業界標準として長く使われており、新旧問わずに互換性が非常に高い端子だ。企業によって設備は異なるだけに、取引先にも持ち出すモバイルPCとしては、HDMIとD-Sub 15ピン両方の端子を備えていることは頼もしい。

 有線LANについても、有線設備しかないホテルやイベントホールがまだ少なくないことに加えて、無線LANではセキュリティや電波(同時接続台数や強度)などの課題もあり、ビジネスではまだまだ優先度の高い装備と言える。

最薄部となる前面にインタフェースはない
背面はシルバーのオーナメントがデザインのアクセントになっている。六角形のデザインで剛性を確保しているのも特徴だ。この部分の内側が液晶ディスプレイのヒンジで、液晶ディスプレイを開くと、このオーナメント部分がスタンド代わりとなる
左側面にはUSB 3.0ポートが2基あるほか、奥側に排気口とACアダプタ接続用のDC入力がある
右側面には、奥側からアナログRGB出力(D-Sub 15ピン)、有線LAN、HDMI出力、USB 3.0(電源オフチャージ対応)、ヘッドフォン/マイク兼用端子、SDメモリーカードスロット(SDXC)が並ぶ
液晶ディスプレイを開くと、背面にあるシルバーのオーナメントが底面に回り込んでスタンド代わりになり、ボディ後方が少し浮くとともに、キーボードに自然な傾斜ができて入力しやすくなる。アナログRGB出力や有線LANの端子は本体の厚さギリギリに内蔵されているが、使用時はボディ後方が少し浮くため、ケーブル側の端子と設置面が干渉しにくい

 こういった装備は変換アダプタなどの備品で対応でき、実際に先代機も変換アダプタなどでアナログRGBや有線LANのニーズに対応してきた。しかし、PC本体と別の機器を使うということは、外出時における携帯し忘れや紛失のリスクがある。備品が増えるということはそれだけ管理が煩雑になるわけで、ビジネス(特に大企業)では大きなマイナスだ。法人ユーザーとしては、これまで以上に導入しやすくなったと言える。

 また、無線LAN感度の向上も図られている。従来ボトム部にあったアンテナをトップカバーに配置した。トップカバーはマグネシウム合金製だが、アンテナ部分のみ樹脂性とすることで電波を遮断しない仕組みだ。そのため、トップカバーの端には線が入っている。この辺りはボトムカバー同様、見た目の美しさより、実用面を重視した仕様変更だ。

トップカバーのアンテナ収納部は別パーツとなっている。先代機はアンテナ部がボトム側にあったため、トップカバーはフラットで継ぎ目がない外観だった。見た目より実利を重視した変更と言える

 ちなみに、通信機能は1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/acの高速無線LAN、Bluetooth 4.0を標準で搭載。インタフェース類は、SDXC対応SDメモリーカードスロット、USB 3.0×3(うち1基は電源オフ給電機能付き)、HDMI出力、アナログRGB出力、ヘッドフォン出力、"Exmor R for PC" CMOSセンサー搭載の92万画素カメラ、ステレオスピーカー、モノラルマイクを装備する。

 また、直販のVOMモデルではTPMセキュリティチップも搭載可能だ。S4/S5状態からリモートで起動できるWake on LAN機能、ポート/スロットの無効化機能といった法人のシステム管理者向け機能も備えている。

本体サイズはわずかに厚く重くなる

 本体サイズは液晶ディスプレイにタッチパネルを搭載するかどうかで異なる。タッチパネルなしの構成は本体サイズが322(幅)×216.5(奥行き)×13.2〜17.9(高さ)ミリで重量が約1.03キロ、タッチパネル付きの構成は本体サイズが322(幅)×217.1(奥行き)×14.3〜18.9(高さ)ミリで重量が約1.16キロだ。今回の評価機はタッチパネルを搭載していたが、実測での重量は1028グラムと、タッチパネルなしの公称値より軽かった。

 先代機と比べてボディの高さは1.5〜2.1ミリ増、重量は80〜90グラム増と、わずかに厚く重くなっている。カーボンを使わずに堅牢性を向上させていることやビジネス向けの端子を追加したことの影響がここに出ているわけだ。

スリムで洗練されたボディというイメージは保っているが、先代機と比べてわずかに厚く重くなっている

 バッテリーの公称駆動時間は、約9.4〜10.4時間(JEITA 2.0)となっている。バッテリーリポートコマンドで見たバッテリー容量は32.63ワットアワーだった。先代機は公称のバッテリー駆動時間が約8〜10.5時間(JEITA 2.0)で、バッテリー容量が37.5ワットアワーだった。容量自体は少し減っているが、CPUの世代交代もあり、公称のバッテリー駆動時間では若干短いかほぼ同じレベルを保っている。

 ACアダプタは従来同様、40ワットタイプの「VJ8AC10V9」が付属。ACアダプタは5ボルト/1.0アンペア出力が可能なUSB給電端子を搭載し、スマートフォンやポータブル音楽プレーヤーを充電できる。実測のサイズは38(幅)×104(奥行き)×27(高さ)ミリと、長さはあるがかさばらない大きさで、ケーブル込みの実測重量は239グラムだった

バッテリーリポートコマンドの表示。バッテリー容量は32.63ワットアワーで、公称駆動時間は約9.4〜10.4時間(JEITA 2.0)となっている。なお、Connected Standbyはサポートしていない
ACアダプタの仕様は先代機と変わっていない。コンパクトボディで給電用のUSB端子も備えている。内蔵バッテリーはユーザーが交換できない仕様だ

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