リファレンスデザインのグラフィックスカードでは、カード長の短さが重要になる。いわゆるハイエンドGPUのショート基板バージョンといったところだ。ただし、これだけならコンパクトなPCを組み立てられそうだが、実際には液冷ユニットのラジエータが存在する。ラジエータは一般的な12センチサイズだ。
AMDの資料によると、水冷ヘッドは、GPU(VRAM含む)もVRMも同時に冷却している。そのため、空冷用のファンはない。ケース内エアフローがしっかりしていれば、およそGPU温度は50度に、動作音も32dB以下に抑えられるという。実際、ラジエータファンの動作音は静かだ。ただし、ポンプの動作音がファンの動作音よりも大きく感じた。ポンプ音については個体差もあるので、もしかしたら今回の評価機固有の問題かもしれない。
なお、現在のところオリジナルクーラー搭載モデルは存在しない。今後、それが解禁されることがあるのか、あるいは、Radeon R9 290X2のようにリファレンスデザインでのみの製品となるのかは不明だ。
Radeon R9 Fury Zは、複数のディップスイッチを用意している。カード裏にある2つのスイッチは、その組み合わせによって「GPU Tach」のLEDを制御する。GPU Tachは、外部補助電源コネクタ付近にあるLEDで、8個のLEDでGPUの状態を表し、もう1つのLEDはZeroCore Powerモード突入状態を表す。8つのLEDは、赤、または、青、赤青、とディップスイッチによる切り替えが可能だ。このほか側面にはRadeonロゴがあり、ここもLEDイルミネーションで光る。側面にあるもう1つのスイッチは、従来のRadeonにもあった、BIOS切り替え用だ。カバーのかなり奥まった位置にあるので、誤操作は少ないだろう。
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