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「Surface Book」と「Surface Pro 4」はどちらを選べばいい?――Microsoft新モデルを徹底チェックSurface Pro 3との比較も(1/6 ページ)

» 2015年10月07日 16時30分 公開
[前橋豪ITmedia]

どちらも完成度が高そうなSurfaceシリーズ新モデル

 米Microsoftは10月6日(米東海岸時間:EDT)、12.3型Windowsタブレット「Surface Pro 4」と13.5型2in1ノート「Surface Book」を発表した。米国では翌日(現地時間7日)から予約受付を開始し、10月26日に販売を開始する。日本での展開は不明だ。

 いずれもタブレットPC単体で利用できるうえ、キーボードを装着することでノートPCとしても使える2in1構成のモデルだが、ボディデザインやスペック、製品構成の違いから、似て非なる製品と言える。この2つの違いをチェックしていこう。参考までにスペック表には「Surface Pro 3」の仕様も併記した。

Surface Pro 4/Surface Book 12型Windowsタブレット「Surface Pro 4」(写真=左)と13.5型2in1ノート「Surface Book」(写真=右)。単なる画面サイズが違うバリエーションモデルではなく、設計が全く違っている

ボディデザインとサイズの違い

 Surface Pro 4はこれまでのSurface Pro/Surfaceシリーズを踏襲し、画面保護カバーを兼ねた薄型軽量キーボードの「Type Cover」を採用しているが、Surface Bookは合体時に見た目がクラムシェルノートPCそのものになる「着脱式キーボード」(いわゆるキーボードドック)を新開発して組み合わせている。これが何より大きな違いだ。

Surface Pro 4 Surface Pro 4は12.3型タブレットPC本体に、画面保護カバーを兼ねた薄型軽量の「Type Cover」を組み合わせた構成だ
Surface Book Surface Bookは合体時に見た目がクラムシェルノートPCそのものになる「着脱式キーボード」を採用。一見、13.5型タブレットPC本体が着脱できると思わないほどの一体感だ。液晶ディスプレイを閉じた状態だと、U字型に曲がったヒンジ内側にすき間ができ、ユニークな外観になる

 Surface Bookのキーボードには2基のUSB 3.0、SDメモリーカードスロット、Mini DisplayPort出力といったインタフェース、バッテリー、そしてグラフィックス性能を向上させる外部GPUのNVIDIA GeForce(GDDR5グラフィックスメモリ付き)まで備わっており、キーボード装着時の厚さは13〜22.8ミリ、重量は約1516グラムに及ぶ。携帯性に配慮し、キーボードとタッチパッドのみ提供するType Coverとは設計思想が異なる。

 その一方で、Surface BookはSurfaceの代名詞であるキックスタンドが省かれており、USBなどの主要なインタフェースもタブレット本体(Microsoftは「Clipboard」と呼ぶ)にはなく、ヘッドフォン出力があるくらいだ。そのため、机上ではキーボードと合体して使うことが前提となる。合体時はキーボード側のヒンジ(同社は「Dynamic Fulcrum Hinge」と呼ぶ)で柔軟なチルト角度調整が可能だ。

Surface Book Surface Bookはキーボード側にチルト機構が付いたヒンジを用意。腕時計のメタルバンドのように曲がる「Dynamic Fulcrum Hinge」がデザインのアクセントになっている。ヘッドフォン出力端子を除くインタフェースは、キーボード側に搭載している
Surface Book キーボードの着脱機構には新開発の「Muscle Wire Lock」を採用し、簡単に着脱でき、合体時はしっかり固定されるという

 Surface Bookは、タブレット本体からキックスタンドやインタフェースを省いたことで、タブレット本体のみの厚さと重量は7.7ミリ厚/約728グラムと、画面サイズが一回り小さいSurface Pro 4(8.45ミリ厚/約766〜786グラム)より薄型軽量に仕上がっており、キーボードを含めたサイズ、重量とは逆転する。

Surface Book Surface Bookをキーボードから取り外した状態。キックスタンドは省かれている

 Surface Pro 4は、無段階にチルト角度が調整可能なキックスタンドを搭載し、USB 3.0、microSDメモリーカードスロット、Mini DisplayPort出力といったインタフェースを全てタブレット本体に装備しているため、Type Coverなしでも自立させてインタフェースを利用可能だ。

 タブレット本体のサイズについてもSurface Pro 3の9.1ミリ厚から8.45ミリ厚に薄型化、重量も約800グラムから約766〜約786グラムに軽量化しており、着実な進歩が見られる。Type Coverは4.65ミリ厚/約292グラムと薄型軽量なので、装着したまま持ち運んでも苦にならないだろう(総重量は約1058〜約1078グラム)。

Surface Pro 4 Surface Pro 4のキックスタンドは健在。Type Coverの端を折り曲げてタブレット下端に磁石で吸着させて、キーボードにチルト角度を付けられる機構も継承している

 製品パッケージの内容物を見ても、Surface Bookはキーボードが標準で付属するのに対して、Surface Pro 4はType Coverが別売となっている。クラムシェルノートPCとしての使用感にこだわるならSurface Book、タブレットPC単体での使い勝手を重視するならSurface Pro 4がフィットするだろう。

Surface Book/Surface Pro 4/Surface Pro 3の比較
製品名 Surface Book Surface Pro 4 Surface Pro 3
画面サイズ 13.5型 12.3型ワイド 12型ワイド
タブレットの本体サイズ(幅×高さ×厚さ) 約312.3×220.2×7.7ミリ 約292.10×201.42×8.45ミリ 約292.1×201.4×9.1ミリ
Type Coverのサイズ(幅×高さ×厚さ) 約295×216×4.65ミリ 約295×217×4.8ミリ
キーボードもしくはType Cover装着時のサイズ(幅×高さ×厚さ) 約312.3×232.1×13.0〜22.8ミリ 約295×216×13.1ミリ 約295×217×13.9ミリ
タブレット本体の重量 約728グラム Core m3:約766グラム
Core i5/i7:約786グラム
約800グラム
Type Coverの重量 約292グラム 約295グラム
キーボードもしくはType Cover装着時の総重量 約1516グラム Core m3:約1058グラム
Core i5/i7:約1078グラム
約1095グラム
キーボード 付属 −(別売でType Coverを用意) −(別売でType Coverを用意)
主要インタフェース キーボード側に搭載 タブレット側に搭載 タブレット側に搭載
キックスタンド 搭載(多段階チルト調整可能) 搭載(多段階チルト調整可能)
ボディカラー/素材 シルバー/マグネシウム シルバー/マグネシウム シルバー/マグネシウム

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