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» 2015年12月17日 14時30分 UPDATE

2015年PC USER「ベストチョイス」:2015年に編集部が最も注目したディスプレイ

今年発売された製品の中からジャンル別に注目の一品を選ぶアワード企画。ディスプレイ部門の「ベストチョイス」は、新たな進化の方向性を打ち出したエンターテインメント向け27型モデルだ。

[PC USER編集部,ITmedia]

ディスプレイ部門はEIZOの「FORIS FS2735」

 2015年に発売された製品の中から、編集部が最も注目した一品を取り上げるアワード企画。ディスプレイ部門の“ベストチョイス”は、EIZOが12月15日に発売したエンターテインメント向け27型モデル「FORIS FS2735」だ。

FORIS FS2735 EIZO「FORIS FS2735」。直販価格は13万7800円(税別)だが、それに見合う高付加価値がある製品だ

ディスプレイの新たな進化を促す最も先進的なゲーミングモデル

 国内ディスプレイメーカーのEIZOが満を持して投入したFORIS FS2735は、現状で最も先進的なエンターテインメント向け液晶ディスプレイと言える。

 まず特筆したいのが、ディスプレイとスマートフォン(あるいはタブレット)、クラウドサービスを結び付けることで、これまで基本的にスタンドアロンで使われてきたPC/ゲーム機向けディスプレイに新たな価値を見いだすというEIZOの挑戦だ。

 FORIS FS2735はBluetooth Smartを搭載し、Android/iOSデバイスとペアリングすることで、従来はディスプレイ本体やPCからしかできなかったディスプレイの各種調整を同社開発の専用アプリ「G-Ignition Mobile」で行えるようになった。これによって、ゲームのステージ別に見やすい色合い設定を手元で切り替えるといった操作が手軽に行えるのはありがたい。手慣れたスマホのタッチ操作による各種設定は、リモコンより直感的で、ディスプレイ本体のOSDメニューをいじるのとは比較にならない快適さだ。

 おまけに、ペアリングしたスマホにかかってきた電話やSNSの着信通知をFORIS FS2735の画面上に表示することまでできる(もちろん、表示中のコンテンツに集中したければオフにすればいい)。

 ユーザーが好みに応じて作った色合いの設定値は、同社開発のクラウドサービス「G-Ignition Drive」に保存、共有できるのも面白い。同じゲームを遊ぶ友人と設定値を共有したり、有名なゲームプレイヤーが登録した設定値を自分のディスプレイに反映させるといった活用ができるのだ。G-Ignition Driveには、ゲームタイトル別にユーザーが登録した設定値が保存されており、プレイするゲームに応じてさまざまな設定値を試せるのが楽しい。ゲーミングディスプレイの新しい遊び方を提案する機能として実に魅力的だ。

G-Ignition Mobile スマホアプリ「G-Ignition Mobile」で手軽にディスプレイの各種調整が可能

 FORIS FS2735はゲーミングディスプレイ単体として見ても非常に高い性能を誇る。同社が注力している独自の視認性向上技術「Smart Insight」は、第3世代の「Smart Insight Demolition」に進化。これまでは暗部のみ自動認識・補正していたが、白を多く含むまぶしいシーンも自動認識・補正できるようになった。つまり、暗いシーンでも明るいシーンでも、ゲーム中に背景や対戦相手を見やすく自動補正してくれるというわけだ。

Smart Insight Demolition 「Smart Insight」の効果をチェックできるデモモード。左がオフ、右がオンの状態。右は視認性が大きく高まっているのが分かる

 2560×1440ピクセル(WQHD)表示のIPS液晶パネルは144Hzの高速駆動に対応し、バックライトブリンキング技術「Motion Blur Reduction」も同時に適用でき、黒挿入効果で動画ブレを極限まで抑えられる(FORIS FG2421の240Hzバックライト処理を288Hz相当にしたものと考えていい)。

 AMD独自のディスプレイ同期技術「FreeSync」(GPUからの映像出力フレームとディスプレイのリフレッシュレートを同期させてティアリングを抑える)に対応するのもポイントだ(Motion Blur ReductionとFreeSyncは排他利用)。

 ゲーミングディスプレイらしく映像入力から出力までの遅延時間も低減しており、国内最速の遅延0.05フレーム(0.35ms)未満をうたう(144Hz、推奨解像度、Motion Blur Reductionがオフの場合)。

 その他、輝度全域でのフリッカーフリー表示、ブルーライト低減モードといった疲れ目に配慮した表示モードも備えており、ゲーム用途に限らず、幅広い用途で使えるエンターテインメントディスプレイに仕上がっている。

 EIZOはこうした高度な機能を実現するため、業務用のカラーマネジメント液晶ディスプレイ「ColorEdge」シリーズに比肩するほど高性能な映像エンジンをFORIS FS2735に搭載したといい、sRGB色域の大画面ディスプレイとして基本的な表示品質も高い。

カラーバー表示 Web/sRGBモードでのカラーグラデーション表示。ディスプレイとしての基本的な表示性能も高い

 FORISとはラテン語で「扉」を意味し、エンターテインメントディスプレイの新しい可能性を切り開くというコンセプトがこのブランド名に込められているそうだ。モバイル/クラウド連携というディスプレイの新たな方向性を示しつつ、ゲーミングディスプレイとしてハードウェアは最高級の表示性能を提供するFORIS FS2735は、まさにそのコンセプトを巧みに具現化した製品と言える。

 ディスプレイ全体のトレンドとしては、4K対応モデルの選択肢が増えて導入しやすくなってきた1年だったが、突出した新製品は見当たらず、ディスプレイの新たな可能性を示してくれたFORIS FS2735を2015年のベストチョイスに選出した。今後のFORISブランドには、これをベースとした24型や4K対応モデルなどのバリエーションも期待したい。

2015年PC USER 「ベストチョイス」ディスプレイ部門ノミネート製品
製品名 メーカー 選考理由
GigaCrysta LCD-RDT272XPB アイ・オー・データ機器 三菱ディスプレイから継承した超解像技術「ギガクリア・エンジンII」搭載機をモデルチェンジ
ColorEdge CG248-4K EIZO 23.8型4K UHDの高画素密度で高度なカラーマネジメントに対応
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