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» 2016年01月18日 06時00分 UPDATE

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:次世代プロセッサはWindows 10のみ対応、SkylakeのWindows 7/8.1サポート終了は2017年7月という衝撃 (1/2)

Windows 10への移行を強く推し進めようとするMicrosoft。今度は新型プロセッサのサポート対象OSをWindows 10に絞り込むことで、その普及を半ば強制的に促す構えだ。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

新しいプロセッサには新しいWindowsがふさわしい?

 米MicrosoftでWindows&デバイス部門担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるテリー・マイヤーソン氏は1月15日(現地時間)、「Windows 10」ならびに最新プロセッサ搭載PCにおける新しいサポートポリシーについて明らかにした。これが驚きの内容で注目を集めている。

Windows 10 2015年7月29日に一般公開されたWindows 10(画像は2015年11月に公開された大型アップデート「November Update(1511)」適用後のもの)。MicrosoftはWindowsのサポートポリシーを変更し、Windows 10の普及を加速させるつもりだ

 新しいサポートポリシーについては、同氏が公式ブログに投稿した「Windows 10 Embracing Silicon Innovation」のエントリに詳しい。内容的には、今後もよりよいWindows 10搭載デバイスを市場に提供していくため、OEMならびにプロセッサ供給各社と堅密に連携していくというものだが、「Support Policy Updates for Windows 7 and Windows 8.1 Customers」の項目に2点ほど気になる記述がある。

Going forward, as new silicon generations are introduced, they will require the latest Windows platform at that time for support. This enables us to focus on deep integration between Windows and the silicon, while maintaining maximum reliability and compatibility with previous generations of platform and silicon. For example, Windows 10 will be the only supported Windows platform on Intel’s upcoming “Kaby Lake” silicon, Qualcomm’s upcoming “8996” silicon, and AMD’s upcoming “Bristol Ridge” silicon.

 1つ目は「今後登場するより新しい世代のプロセッサ」を搭載したデバイスのサポートに関する話だ。これら新世代以降のプロセッサでは「Windows 10のみがサポート対象OS」になるという。

 具体的には、現行の開発コード名「Skylake(第6世代Core)」の次にあたり、Intelが2016年後半に投入する見込みの「Kaby Lake」、2016年第1四半期中に最初の製品が市場投入されるとみられるQualcommの「8996」つまり「Snapdragon 820」、そして2016年中に展開が予告されているAMDの「Bristol Ridge」がそれに該当する。

 Intelプロセッサを例に挙げれば、Skylakeのマイナーチェンジになると言われているKaby Lake、さらに2017年中の登場が見込まれる次世代の「Cannonlake」などは、全てWindows 10のみサポート対象となり、「Windows 7/8.1の動作は保証されない」というわけだ。つまり、新しい世代のプロセッサを搭載したPCを購入するユーザーは、Windows 10の導入が必須になると予告されている。

 ここでWindows OSのサポート期間について知識のある方ならば「Windows 7は2020年1月14日、Windows 8.1は2023年1月10日まで(延長)サポートが提供されるんじゃないの?」と疑問に思うだろう(参考記事)。

 しかし、Microsoftとしては「Windows 7は既に10年前に設計されたOSであり、必ずしも現在の最新ハードウェア環境にマッチしていない。デバイスドライバを含めて(Microsoftを含む)各社が個別対応でWindows 7サポートを行っている状態であり、ユーザーにとってもベストの体験ではない」と説明しており、「最新のハードウェアには最新のソフトウェアで」という考えから、今回のサポートポリシー変更に至ったという。

 必要なデバイスドライバが提供されず、動作もチューニングされていないため、2016年以降に市場投入されるプロセッサ搭載のPCにWindows 7やWindows 8.1をインストールしようとしても、完全な形での導入は行えないとみられる。まとめると、「Windows 7/8(8.1)の延長サポートは、現時点で提供されているハードウェアと組み合わせたときにのみ有効」ということになる。

Windows各パージョンのサポート期限 Windowsのサポート期限。「Windows 7/8(8.1)の延長サポートは、現時点で提供されているハードウェアと組み合わせたときにのみ有効」となる

 もう1つ問題となるのは、最新プロセッサのSkylakeだ。既に2015年後半にMicrosoft自身を含む各社からPC製品の提供が始まっており、Windows Vistaを除けば、現時点でWindows 7/8.1/10の全てのWindows OSをサポートしている。Windows 7に関しては一部インストールでの問題が指摘されているものの、必要とするユーザーは最新ハードウェアのPCであってもWindows 7の導入が可能だ。

 しかしMicrosoftは、Skylakeにもサポート条件を付帯しようとしている。これが2つ目の気になる記述だ。

Through July 17, 2017, Skylake devices on the supported list will also be supported with Windows 7 and 8.1. During the 18-month support period, these systems should be upgraded to Windows 10 to continue receiving support after the period ends. After July 2017, the most critical Windows 7 and Windows 8.1 security updates will be addressed for these configurations, and will be released if the update does not risk the reliability or compatibility of the Windows 7/8.1 platform on other devices.

 Skylake搭載のPCについては、Windows 7/8.1において2017年7月17日まではサポート(つまりアップデートや修正)が提供されるが、これより後は致命的なセキュリティパッチ以外は提供が終了し、実質的にほぼサポート終了といった状態になる。

 今回のサポートポリシー変更から18カ月の猶予期間が与えられ、市販PCのうちリストとして指定されたものについては(Windows 7/8.1を利用するための)サポートが継続提供されるが、期限までにWindows 10への移行を行うようMicrosoftでは説明している。この対応PCリストは間もなく同社から提供されるという。

Skylake Intelの第6世代Coreプロセッサ(開発コード名:Skylake)。Skylake搭載PCにインストールされたWindows 7/8.1のサポート期限は、2017年7月17日までになる。これより後は致命的なセキュリティパッチ以外、アップデートが提供されなくなるという

 以上をまとめると、「Windows 7/8.1を使いたい場合はSkylake以前の旧プロセッサ環境上で利用すること」が前提となり、「Skylakeより新しい世代のプロセッサを搭載したPCではWindows 10の利用が必須」となる。そして「Skylakeは移行期のプロセッサであり、できるだけ早くWindows 10を導入するのが望ましい(Windows 7/8.1のSkylakeサポートは2017年7月17日まで)」ということだ。

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