Windows 10の年末大型アップデート「RS2」は新Surfaceに合わせて延期か?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2016年03月13日 07時00分 公開
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 Microsoftは「Windows 10」において、OSを定常的に最新状態に保つ「Windows as a Service」戦略を打ち出し、社内目標として年に1〜3回の大型アップデートを配信すると予告している。

 実際、Windows 10の現行リリースである開発コード名「Threshold」は、2015年7月と11月にそれぞれ「TH1」と「TH2」と呼ばれるバージョンが配信されている。TH1は2015年7月29日に一般公開された製品版のことであり、TH2はWindows 10初の大型アップデートとなる「November Update(1511)」を示す。

TH2 2015年11月に公開されたWindows 10初の大型アップデート「TH2」こと「November Update(1511)」。見た目は「TH1」とほとんど同じで、パフォーマンスや操作性の改善が中心だが、Cortanaの日本語対応など大きな進化もみられる

 そして、次期アップデートの開発コード名「Redstone」についても同様、2016年6月に「RS1」、同年末に「RS2」が配信される可能性がある。同社の戦略にのっとれば、Redstoneの年2回配信計画は順当なのだが、ここ1〜2週間ほどで「RS2の提供時期が2017年春までずれ込む」との情報が出てきた。これには、どのような意味があるのだろうか。

RS2の提供は2017年春にずれ込む?

 この件は米WinBetaのザック・ボーデン氏と、米ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏がそれぞれ報じている。もともとはボーデン氏が関係筋の話として「RS2が2017年4月にずれ込む」と3月3日に伝えていたものを、ジョー・フォリー氏が翌週に自身の情報ソースから同じ情報を得たとフォローアップしたものだ。

 ボーデン氏は、当初の提供計画から半年ほどRS2のリリースが遅れることについての理由は示していないが、ジョー・フォリー氏は「Microsoftの新型ハードウェア提供タイミングに合わせるため」としている。現在、MicrosoftではWindows OSの開発部隊とSurfaceなどのデバイス部門が同一の事業部となっており、こうした自社の都合にソフトウェアの提供計画をすり合わせても不思議ではない、というのが同氏の見解だ。

 このRS2提供計画の遅れが、一般ユーザーに与える影響は少ないだろう。ただし、RS2の提供が遅れることで、結果としてRedstoneの名称がつくリリースの提供期間が長くなり、「予告していた機能をRedstoneの提供期間内に搭載できる可能性が高まる」と同時に「Redstoneの製品としての完成度が高まる」ことも期待される。

 以前にも触れたように、MicrosoftはWindows 10の名称が付くOSのリリース計画において、「大きなマイルストーン」と「小さなマイルストーン」を設定している節がある。

 具体的には、(ThresholdやRedstoneのような)開発コード名で示されるリリースで、新規に盛り込むべき機能や改良点を「大きなマイルストーン」としており、TH1やTH2など複数回のアップデートを経てこの目標に近づけていくという段階的なステップを踏んでいる。このTH1やTH2での作業目標が「小さなマイルストーン」というわけだ。

 もし「大きなマイルストーン」で許される時間が少ない場合、どうしても未実装の機能や改良し切れなかった部分が出てくるだろう。アップデート間隔が長すぎるのは「Windows as a Service」戦略にとってマイナスだが、ある程度期間が延びるのであれば、マイルストーンの達成率が上昇する可能性は高い。その意味では、今回の報道が本当な場合、多少はプラスに作用するのではないかと考える。

Windows as a Service Windows 10では、継続的なアップデートでOSそのものを定期的に強化していく。Microsoftはこれを「Windows as a Service」と表現する
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