F8では、コネクティビティーとメッセンジャーが目立っており、どちらかというとマーケティング的な視点や、より新しいテクノロジーに関する取り組みはトーンダウンしているように感じた。
それよりは世界中の人々をFacebookのプラットフォームに呼び込むことにより、ユーザー数の増加と、異なる状況のユーザーに対する新しいビジネスの可能性を、同社の成長の源泉へと変えようと考えているように見えた。
しかし、Facebookのテクノロジーに関する勢いは止まっていない。AIの活用による写真の意味解析と、目が不自由な人が写真を含むニュースフィードを音声で楽しめるようにするアイデアを披露していた。またハードウェア部門を作り、「Surround 360」というVR記録用のカメラを作り出した。
既に公開されているビデオのライブ機能は、アプリ内に専用のタブを用意し、またAPIを公開して、ライブカメラにFacebook Liveの機能を組み込めるようにした。Livestreamのカメラ「Mevo」は、iPhone上で、ライブ中継の映像編集を可能にし、Facebookへ直接配信できる仕組みを実現した。
また、参加した開発者には、Samsungの「GALAXY S6」と「Gear VR」、Bluetoothゲームパッドが配られた。Gear VRはFacebook傘下のOculusの技術を活用しており、より身近にVR体験をし、開発者してもらえるように、とのメッセージだろう。
Facebookは非常に面白いプラットフォームを持っている。人々が日々のコミュニケーションの中で育む部分と、Facebookが進化を強調しながら成長させる部分が混在しており、企業にもその活用が開かれている。
また新しいテクノロジーが真っ先に試される場でもあり、これを活用する人類がどのような進化をたどるのかを占うには、ぴったりの場であり続けるだろう。
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