「Surface 3」後継不在のまま終了へ 薄幸なシリーズに未来はあるか?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2016年06月27日 14時00分 公開
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 米Microsoftは、10.8型Windowsタブレット「Surface 3」の生産を2016年内に終了する。2015年5月に米国で、同年6月に日本で発売されたSurfaceブランドのエントリーモデルは販売開始から約1年半でラインアップから外れることとなった。

 Windows関連動向に詳しいブラッド・サムス氏がThurrott.comへ最初に投稿した記事によれば、米Microsoftは公式コメントとして「Surface 3がリリースされて既に1年が経過しており、現時点で在庫も限定的であり、2016年末までに生産を完全終了する」と事実を認めたという。

Surface 3 年内の生産終了が発表された「Surface 3」

Surface 3生産終了の背景

 IntelのCoreプロセッサを採用したパワフルなWindowsタブレット(2in1)である「Surface Pro」シリーズの人気には及ばないものの、Surface 3はより薄く軽いボディーや抑えた価格で多くのユーザーに受け入れられており、一定の認知度は得ている。その後継機となる「Surface 4(仮)」の姿も見えてこない時点での生産終了宣言は、いささか奇異にも映るだろう。

 しかし、以前説明したように、Intelの戦略変更でローエンドに近いAtomプロセッサはシリーズの終了が決定しており、これがSurface 3の存続に影響を与えているとみられる。

 具体的に言うと、Intelはスマートフォンやタブレット向け製品を大幅に縮小し、「Atom x3」シリーズに属するSoC「SoFIA」の「SoFIA 3GX」「SoFIA LTE」「SoFIA LTE2」、さらに「Atom x5/x7」シリーズの後継として投入される計画だった開発中のSoC「Broxton」をキャンセルすることに決めた(SoFIAとBroxtonは開発コード名)。

Atom 2013年後半に示されたAtomプロセッサ計画の資料より。「SoFIA」は2015年3月に「Atom x3」シリーズとして発表されたが終了となる。2015年投入とされていた「Broxton」は開発が遅れ、2016年に出るかと思われたが、製品化前にキャンセルとなった

 Surface 3が採用するプロセッサはAtom x7-Z8700(開発コード名:Cherry Trail)だが、その後継プロセッサであるBroxtonが出なくなったことで、SurfaceシリーズはAtomプロセッサの進化に合わせて継続的にモデルチェンジしていくことが困難になったわけだ。

 これはSurfaceに限らず、低価格Windowsタブレット市場全体に与える影響が大きい。安価なx86/x64プロセッサであるAtomシリーズの供給がストップし、100〜200ドルで買えるような低価格Windowsタブレットは消滅に向かう可能性が考えられる。

初代から不運だったSurfaceシリーズ

 Surfaceシリーズを振り返ると、初代の「Surface(RT)」はNVIDIA Tegra 3、2代目の「Surface 2」はNVIDIA Tegra 4と、初期はARM系の省電力プロセッサを採用していた。これらはARMアーキテクチャで動作するWindows OS「Windows RT」のリファレンスモデル的な存在だったが、結局はWindows RTの終了とともにフェードアウトを余儀なくされた。

Surface RT 2013年3月に日本で発売されたWindows RT搭載の10.6型タブレット「Surface(RT)」初代モデル

 その後に出てきたSurface 3はプロセッサをAtom x7-Z8700に切り替え、フルのWindows(現在はPC向けWindows 10)が動作するタブレットに生まれ変わったが、今度は自社のOSではなく、他社のプロセッサの開発中止が存続に影響を与えている。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月14日 更新
  1. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  2. 新品は絶滅、中古は高騰──「令和にMDを聞きたい」と願った筆者が、理想の再生環境を整えるまでの一部始終 (2026年03月13日)
  3. M5 Max搭載「14インチMacBook Pro」がワークステーションを過去にする 80万円超の“最強”モバイル AI PCを試す (2026年03月13日)
  4. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  5. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  6. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  7. ワコム上位機に肉薄? 10万円で18.4型4K! 高コスパ液タブ「GAOMON Pro 19」の長所と弱点 (2026年03月13日)
  8. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  9. 高音質・良好な装着感・バッテリー交換式――JBLのフラッグシップ「Quantum 950 WIRELESS」は妥協なきヘッドセットか (2026年03月12日)
  10. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年