Googleが2016年5月開催の開発者会議「Google I/O」で発表した2つのメッセージングアプリのうち、「Google Allo」がようやくダウンロードできるようになったので、早速インストールしてみました。
Alloは、AndroidおよびiOSで使えるメッセージングアプリです。LINEなどと同様に、利用するには端末の電話番号が必要になります。最大の特徴は、Googleが力を入れている人工知能採用のパーソナルアシスタント機能「Googleアシスタント」を搭載することです。
Googleアシスタントはまだ英語しか話せません。日本語で話しかけると「すみません、日本語はまだ勉強中です。今は代わりにGoogleを使って検索いたします」と丁寧に謝ります。2016年内には日本語にも対応する見込みです。
Alloをインストールすると、まず端末の電話番号との接続許可を求められ、さらに連絡先や端末内のデータ、位置情報などいろいろ要求されるので、こうした情報の取り扱いに慎重な人は利用をためらうかもしれません(仕事じゃなかったら、私もやめるところ)。実際、テストのために夫を招待したのですが、すげなく断られました。
Alloでチャットしてくれる友達がいないので、しばらくGoogleアシスタントとお話しすることにしました。
アシスタントとの会話は、「こんにちは、○○さん、私はあなたのGoogleアシスタントです。あなたに必要な情報を見つけて、いろいろお手伝いします。ここや、あなたとお友達とのチャットの中でのあなたの質問に答えるために、端末の位置情報を使います」とのあいさつで始まります。
続けてこちらから「Ok, go on(了解、続けて)」と言う(これは用意されているスマートリプライ)と、端末の位置情報への接続を許可するよう求められ、許可するとカルーセルカード状の「できることリスト」を表示します。
おでかけカードをタップすると、おでかけ、レストラン、映画の3種類のいずれかを選ぶよう促されます。
映画を選ぶと、位置情報に基づくであろう上映中の映画がカード状に表示されるのですが、今のところそこから先はいまひとつです。スマートリプライとして「Showtimes(上映時間)」という質問が用意されているのに、それを選んでもちゃんとした情報は表示されませんでした(まだβだからしょうがないのかな)。
思い通りにならないときにサムダウン(だめじゃん、という意味)アイコンを送ると、フィードバックを求められます。ここでちゃんとどこが悪いのかを説明していくと、機械学習でだんだん賢くなるのでしょう。
Googleアシスタントの地味だけどちょっとすごいところは、話の流れを把握しているところです。例えば、「今日の晩御飯、チキンスープはどうかな?」と聞くと「Webでこんなものを見つけました」と言ってマーサ・スチュアート氏のチキンスープレシピを見せてくれたので、「動画はない?」と聞いたら(マーサのではないけど)チキンスープの動画レシピを紹介してくれました。
つまり、「動画はない?」と聞いた時点で、それまでの会話がチキンスープの話だったことをGoogleアシスタントは覚えているわけです。これはちょっと偉い気がします。
後は、Siriと同じように冗談を言ってくれたり、ポエムを引用して表示してくれたり、単純なゲームで遊んでくれたりします。
普通のメッセージングアプリとしての機能としては(iOS 10のiMessageにも似たものがありますが)、写真に落書きして投稿する機能や、文字を大きくして投稿する機能、スティッカーもあります(スティッカーはiMessageのマリオのような人気キャラはいません。日本人好みなものはあまりないです)。
まだ数時間使っただけですが、個人の感想として、いいところは以下の点です。
いまひとつなところは、以下の点です。
プライバシー問題については、私などは既にGoogleアカウントの情報をGoogleに対して全開にしているので、これ以上失うものはないのですが、連絡先の友達まで引きずり込むのには抵抗を感じます。
そういえば、Googleアシスタントに「テクノロジー系のニュースを見せて」と頼んだら、リストの最初に出してきたのが「Google Alloを削除して絶対に使うなとエドワード・スノーデン氏が言っている」という見出しだったのが、どんな冗談よりも笑えました。
そのスクリーンショットをGoogleアシスタントに見せても面白さを分かってくれず、「はい、私は画像を見れるんですよ!」と嬉しそうだったので、ちょっと悪かったかなと思いました。
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