インタビュー
» 2017年05月12日 15時45分 UPDATE

超小型PC「GPD Pocket」の最終製品実機を見てきた 出資目標額のスピード達成は「想定内」 技適は「確認する」

[井上輝一,ITmedia]

 東京ビッグサイトで行われているIT製品の展示会「Japan IT Week 春」内、「第3回 モバイル端末・周辺機器 展」に、小型PCを開発する中国・深センのGPD Technologyが出展し、同社の人気PC「GPD WIN」や「GPD Pocket」を展示している。同社の展示担当者にGPD Pocketについて取材した。

7型の超小型PC「GPD Pocket」
この実機が最終製品版だという

 GPD Pocketは7型のポケットサイズPC。2月15日に米Indiegogoでクラウドファンディングを開始してから7時間で目標金額の20万ドルを達成し、最終的に目標の1520%となる329万ドル(約3億7400万円)を集めた。日本向けにはMakuakeにてクラウドファンディング中で、目標500万円のところ5月12日までに目標の765%となる3825万円を集めている。

── 今回日本で出展した経緯は?

GPD 日本市場での知名度をもっと高くできればと、今回出展しました。

── 米Indiegogoで目標金額を開始7時間で達成していましたが、これほどの人気は想定していましたか?

GPD 想定していました。日本人の様子を見ていると、いつも重いカバンを持って働いていますよね。そのような様子を見ていると、より小型で軽いPCに需要があるのではと思っていました。ですから、必ずヒットすると信じていました。

── 日本のPCメーカーが最近このようなクラムシェルタイプの小型PCを作っていないことについてどう思いますか?

GPD 日本も富士通やソニーが昔は小型PCを作っていましたよね。ですが、当時のOSであるWindows XPが小型PCでのUI・UXに最適化していなかったというのもあり、ユーザー体験が良いとは言えませんでした。それに対して、今のWindows 10は小さいディスプレイ向けにもインタフェースが改善されてきているため、私達もこのような製品を作れています。

 CPUなど各パーツが昔に比べて小型・高性能化しているのもありますし、中国の製造業は発展が早いので、コスト面は安く、質的・規模的に高い水準で作れるようになっています。

 日本の大手メーカーが同じものを作るとコストがどうしても上がってしまうのもありますし、彼らはノートPC市場でもメインストリームに注力しているので、このようなニッチな小型PC市場にはあまり力を入れていないのではないでしょうか。弊社としては日本の小型PC市場をもっと開拓していきたいです。

── 製品化の際に何に苦労しましたか?

GPD 小さい筐体に打ちやすいキーボードを配置することや、その他要求されるスペックやパーツを小さいスペースに収めることです。GPD WINではファンの速度を手動のスイッチで3段階切り替える方式を取っていましたが、GPD Pocketではその点も自動化できています。

── マウスカーソルを操作するキーボード真ん中のポインティングスティックが当初赤色だったのが青色に変更されたようですが、これで決定ですか?

GPD 現在水色のカバーをつけていますが、出荷時には青色の他に赤色などのカバー5種類を付属する予定ですので、お好きな色に変えて使っていただければと思っています。

── ユーザーから「LTEモデルはないのか」という質問に対して「次のモデルで搭載したい」というコメントをしていましたが、これは本当ですか?

GPD LTEモデルを求めるユーザーの声が本当に強かったら搭載するかもしれません。あくまでもユーザーのニーズを第一に商品開発をしているので、要望があれば当然検討します。

── クラウドファンディングで出資した人への出荷はいつ頃になりそうですか?

GPD Indiegogoでは6月に1回目の出荷をする予定です。Makuakeのページ上では10月に出荷としていますが、それより早く出せると思います。


天板は最大ここまで開く
男性の手をキーボード上に置くとこれくらい
左が排気口で右はコネクター類。左から順にUSB Type-C、micro HDMI(Type D)、3.5mmイヤフォンジャック、USB 3.0 Type-Aポート
閉じたところ。隙間がほとんどなくぴっちり閉まる
背面
底面
システム情報

 GPD Technologyのブースでは、筆者が取材している間にも来場者が何人も足を止めてGPD Pocketを触ってみたり、既に注文したというユーザーがキーボードのシリコンカバーを自作するためにキーボードの大きさを採寸したりする様子が見られた。

 筆者も実機を触ってみたが、ディスプレイを閉じてみると非常にぴったりと閉じられるなど金属筐体が精度良く作られていると感じた。キーボードのピッチは男性の手だと「ギリギリ」というところで、慣れ次第だろう。打ち心地はぺしぺしという感じで悪くない。キーボード上に左右クリックはあるが、スクロールができないので方向キーか画面タッチでスクロールすることになる。少し試した感触では、端末が小型というのもあり、画面タッチでスクロールすることが多そうだ。

 米Indiegogoでは出資を終了しているが、Makuakeではまだ出資受付中だ。今からでも欲しい人は出資を検討してみてはいかがだろうか。

技適について

 展示されているGPD Pocketの実機には技適(技術基準適合証明)の認証番号が記載されている。GPD PocketはWi-Fiに5GHz帯のIEEE 802.11acを使用するのに対し、この「204-420073」という番号について総務省の公式サイトで検索すると認証周波数が2.4GHz帯のみにとどまっていた。

 これについて担当者に聞いたところ、「認証部分の詳しいことはここにいる者では分からないので、確認します」とのことだ。

 GPDに限らず、海外の魅力的なデバイスは日本向けに販売しても、技適など法的な認証部分がなおざりになってしまうことがままある。せっかく魅力的なデバイスなのだから、法的な憂いなく使えるよう調整してほしいものだ。

 技適の件に関して、アップデートがあり次第また記事化していく。

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