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» 2017年07月25日 15時30分 UPDATE

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:教育市場に限らない? 実は「Windows 10 S」が向いている特定ビジネス用途

Windowsファミリーに加わった新エディション「Windows 10 S」。基本的には教育機関向けという立ち位置だが、特定のビジネス用途も狙っているようだ。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 Windowsファミリーの新エディション「Windows 10 S」は、ビジネス向けの「Windows 10 Pro」をベースとして、教育機関向けに機能を制限したものだ。米Microoftが2017年5月2日(現地時間)に発表し、同社のクラムシェルノートPC「Surface Laptop」にプリインストールした他、サードパーティーから同OS搭載の低価格PCが登場している。

Windows 10 S 教育機関向けという立ち位置の「Windows 10 S」だが……

 Windows 10は教育機関向けOSという位置付けだが、特定のビジネス用途も狙っているようだ。米ワシントンDCで2017年7月9日〜13日(現地時間)に開催されたMicrosoftの年次パートナー会議「Microsoft Inspire」では、新サービスの「Microsoft 365」を含む数多くの発表があった。その発表内容の1つとして、ビジネス市場におけるWindows 10 SとProの違いが説明されている。

 Windows 10 S最大の特徴は、WindowsストアからダウンロードするUWP(Universal Windows Platform)アプリしかインストールできないことだ。この制限と引き替えに、スムーズなOSの展開や高速な起動、そして強化されたセキュリティ機能というメリットを備える。

 多くの一般ユーザーにとっては顕著な不満がないだろうが、Windowsストア経由でインストールできないアプリが必須のプロフェッショナルユーザーやビジネスユーザーにとっては厳しい制限になる。

 ビジネス用途に関しては「Active Directoryドメインに参加できない」「スクリプトや既存アプリケーションの実行がブロックされる」「ツール系の利用に制限がある」「周辺機器のドライバサポートに制限がある」といった具合に、企業のIT運用ポリシーと合致しない可能性も高く、利用できる環境を選ぶ。

Windows 10 S Windows 10 SとProのビジネスユースにおける違い
Windows 10 S Windows 10 S、Windows 10 Home、Windows 10 Proの機能比較。Windows 10 Sは、Windowsストア経由で提供されるUWPアプリであれば、Desktop Bridgeで変換されたデスクトップアプリであってもインストール可能だ

 しかしMicrosoftによれば、Active Directoryの影響下にないモバイルでのPC利用が中心のユーザー、窓口や事務など特定作業が中心のユーザー、さらにはKIOSKやサイネージ用途での利用にWindows 10 Sは適していると指摘する。

Windows 10 S Windows 10 Sのビジネス分野における適用範囲

 通常のWindows 10 Proをポリシー設定で細かく制御するよりも運用が容易で、さらに組み込み向けOSの「Windows 10 IoT」を導入するよりも手軽かつライセンス的にも安価という特徴を生かし、適用範囲を広げていきたいと考えているのかもしれない。

 実際にMicrosoftがどれだけこれらの業務分野にWindows 10 Sを拡販していこうと考えているのかは不明だが、筆者の推論ではユーザー企業やサードパーティーのパートナーによっては「Windows 10 Sがいい」と判断するケースも少なからずありそうだ。Microsoftはこうした事例をまずは積み上げて、様子を見ようという段階なのではないだろうか。

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