レトロな「ThinkPad 25」ついに登場 日本独自の特典込みで17万9500円(税別)限定1000台

» 2017年10月05日 20時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 レノボ・ジャパンは10月6日、ThinkPadの25周年記念モデル「ThinkPad Anniversary Edition 25(ThinkPad 25)」を1000台限定で発売する。同社のWeb直販のほか、一部の家電量販店でも販売を行う。価格は17万9500円(税別)で、10月20日から出荷を開始する予定だ。

ThinkPad 25(日本仕様)
ThinkPad 25(日本仕様) ThinkPad 25(日本仕様)

過去・現在・未来をつなぐThinkPad

 ThinkPad 25は、「過去・現在・未来をつなぐThinkPad」として、日本未発売の「ThinkPad T470」をベースに開発された。開発に当たっては、ソーシャルメディアを活用してフィードバックや要望を収集。2年越しで「レトロなThinkPad」が実現した。

過去:7列キーボードとRGBロゴ復活 TrackPointキャップも3種類用意

 「過去」の面では、ThinkPad T400〜T420世代で使われていた「7列・非アイソレーション」のキーボードが復活した点が注目ポイントだ。

 「ThinkVantageキー」はさすがに復活していないものの、Fnキーとのコンビネーション機能も含めてT400〜T420世代のキーボードをできる限り再現している。利便性を考慮して、キーボードバックライトも備えている。ライトのオン/オフは昔懐かしの「Fnキー+PageUpキー」で行える(現行キーボードでは「Fnキー+Spaceキー」)。TrackPointのキャップも、当時用意されていた「クラシック」「ソフトドーム」「ソフトリム」の3種類を付属する(出荷時にはクラシックキャップを装着して出荷予定)。

 ThinkPad 25は日本を含む11の国・地域で販売されるが、日本向けのみ特別に「日本語キーボード」を搭載する。Altキーの「Alt」の文字が緑で印字されている点など、配列だけではない独自要素もしっかり再現している。他の販売対象の国・地域では一律に「米国英語(US)配列」のキーボードを搭載するが、「日本国内でUS配列キーボードをCRU(ユーザー交換対応部品)として単品提供する予定はない」(関係者)。

日本語キーボード ThinkPad T400〜T420で使われていた7列キーボードを極力再現して搭載。日本向けのみ「日本語配列」となる
ThinkPad T400sのキーボード 参考として「ThinkPad T400s」のキーボードの写真を用意した(関連記事)。ThinkPad 25の7列キーボードは、この世代のものをできる限り忠実に再現している
USキーボード 他の販売対象国・地域では「米国英語(US)配列」のキーボードが搭載される

 過去という点では、IBM時代にカラーディスプレイ搭載モデルを表した「RGBロゴ」も、「Pad」の部分をRGBカラーに塗る形で復活している。

パームレストのロゴ 画面天板の裏側とパームレスト(写真)のThinkPadロゴは、「Pad」の部分が赤・緑・青で塗られている。往時のカラーディスプレイモデルを思い出す人も多いだろう

現在:現世代で上位スペックを実現

 「現在」の面では、現行モデルとしては上位となるスペック構成を実現している。

 CPUはCore i7-7500U(2コア4スレッド/2.7G〜3.5GHz)で、独立GPUとしてNVIDIA GeForce 940MX(メモリ2GB)も搭載している。メインメモリは16GB(16GB DDR4 SO-DIMM×1)で、最大32GBまで増設できる。ストレージは512GBのSSD(PCI Express接続・NVMe、OPAL2.0対応)を備える。ディスプレイはフルHD(1920×1080ピクセル)の14型IPS液晶を搭載する。この液晶はインセル式のタッチセンサーを内蔵しており、最大10点のマルチタッチ操作に対応している。

 ポート類は、左側面に電源端子、USB 3.0端子とThunderbolt 3端子を備える。Thunderbolt 3端子はUSB 3.1 Type-C端子とビデオ出力端子を兼ねており、USB Power Delivery(USB PD)による電源の入出力にも対応している。ただし、本体に付属するのは電源端子用のACアダプターだ。

 右側面にはイヤフォンマイク端子、USB 3.0端子×2(うち1つはPowered USB対応)、Ethernet端子(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応)とSDメモリーカードスロットを備える。本体底面にはドッキングステーション端子を備えており、現行世代のThinkPad用ドッキングステーションを接続できる。

 バッテリーは「固定式」と「交換式」の3セルリチウムイオンバッテリーをそれぞれ1つずつ搭載している。公称のバッテリー駆動時間は約6.5時間(JEITA 2.0基準)で、バッテリー充電時間は約3.8時間(付属のACアダプターを利用した電源オフ時)となる。

 ボディーサイズは約336.6(幅)×232.5(高さ)×19.95(奥行き)mmで、重量は約1.69kg。“ビジネスツール”としてのThinkPadらしく、OSはWindows 10 Pro(64bit版)をプリインストールする。

左側面 左側面。Thunderbolt 3端子からの給電も可能で、45W以上の出力に対応するUSB PD対応電源アダプターを使って充電することもできる
右側面 右側面。HDMI端子とEthernet端子の間にあるUSB 3.0端子がPowered USB対応となる
底面 本体底面にはドッキングステーション端子を備える

未来:赤外線カメラによる顔認証に対応

 「未来」の面では、Windows Helloに対応する2つの複数の生体認証デバイスを搭載している。

 まず、顔認証に対応した赤外線カメラを搭載している。見つめるだけでWindowsログインができるので便利だ。

赤外線カメラユニット Windows Helloの顔認証で利用できる赤外線カメラユニットを搭載

 さらに、指紋認証センサーも搭載している。タッチ式なので、触るだけでWindowsログインが可能だ。パームレスト左部には、NFCセンサーも内蔵している。認証ソフトと組み合わせれば、非接触ICカードを使ったログインも可能だ。

指紋認証センサー タッチ式の指紋認証センサーも搭載

日本限定特典も複数あり

 一部のモデルを除き、ThinkPadは日本で開発・設計されてきた。それに対する感謝を込めて、ThinkPad 25には「日本語キーボード」以外にも日本向けモデル限定の特典が2つ用意されている。

 1つが、東レのウルトラスエードを用いた「スペシャルソフトインナーケース」だ。このケースは日本製で「ThinkPad 25」のロゴが刻印されている。東レは「ThinkPad X1 Carbon」用のカーボン素材を供給しており、このケースはその縁もあって実現したようだ。

スペシャルソフトインナーケース 日本限定特典となる「スペシャルソフトインナーケース」。東レのウルトラスエードを使っている

 もう1つが、レノボ・ジャパンの内藤在正副社長からの「感謝状」だ。内藤副社長は初代ThinkPadこと「ThinkPad 700C(※)」の開発を主導した人物で、「ThinkPadの父(Father of ThinkPad)」とも呼ばれている。昔からのThinkPad愛好家にとっては、感涙の特典といえるだろう。

※ 日本では「PS/55note C52 486SLC」として販売された

内藤副社長のメッセージ 日本限定特典の内藤副社長からのメッセージカード。内容は買ってからのお楽しみ

 この他、世界共通の特典として、IBM時代からThinkPadのデザインに携わっているDavid Hill氏の小冊子「ThinkPad Design Spirit & Experience」が付属する。

箱 ThinkPad 25の箱。ThinkPad X1 Carbon/X1 Yogaの上位スペックモデルの箱と同様にギミック付きなので、開けるのも楽しい。どう楽しいのかは、購入してからのお楽しみだ

CEATEC JAPANで実機展示

 ThinkPad 25の実機は、幕張メッセ(千葉市幕張区)で開催している「CEATEC JAPAN 2017」のレノボ・ジャパンブースで展示される。最終日となる10月6日の“1日限り”となるが、気になる人はぜひ会場に足を運んでみてほしい。

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