大画面の新型iPad Proを手にした旧式iPadユーザーの驚き(電子書籍編)iPad Proへの道(2/2 ページ)

» 2019年01月12日 08時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]
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読書体験がワンランク上がったかのような奇妙な現実

 iPad mini 4とComic Glassというタッグを、12.9型の新型iPad Proに置き換えることで何が変わるのでしょうか。

 単純に、7.9型で2048×1536ピクセル表示のiPad mini 4から、12.9型で2732×2048ピクセル表示の新型iPad Proにすることで、画面が広く大きくなって文字が読みやすくなります(画面のアスペクト比は両モデルとも4:3です)。実際、Comic Glassの本棚画面もiPad mini 4が5冊×4段表示だったのに比べ、12.9型iPad Proでは6冊×5.5段表示に拡大しています。

 また、iPad mini 4だと書籍の注釈や雑誌の写真キャプションといった小さい文字は、どうしても画面を拡大して見るという一手間が発生していました。こういった煩わしさは12.9型iPad Proでは皆無です。むしろ、iPad mini 4では1ページごとに見るのが精いっぱいでしたが、12.9型iPad Proなら2ページ見開き状態での閲覧も問題なくできるようになりました。

iPad Pro 同じページをiPad mini 4(左)と新型iPad Pro(右)で表示したところ。後者ではCDの型番も拡大することなく判別できます

 加えて、筆者の読む雑誌は半径がA5判と小さいタイプが多く、12.9型iPad Proで見ると雑誌や書籍の判型が自動的に大きくなります。さらに色合いも自然でトータルでワンランク上の品質になったかのように錯覚を覚えるほどです。例えるなら、文庫本が女性誌になったかのような印象です。本をスキャンするときに、データ量の肥大化をケチって150dpiなどにせず、300dpi以上に設定していて良かったと思うほどでした。

 あまりに低dpiでスキャンするとファイル容量は少なくて済みますが、12.9型iPad Proなどで見ると文字のジャギーが目立ち、写真も残念な状態になってしまいます。むしろ、今後のことを考えるともっと高品質な設定にしておいた方が無難かもしれません。さらに傾きやホコリの混入といった粗が目立ってしまうので、スキャン時にスキャナの清掃や調整がシビアになるというのが実際かもしれません。

 こうなると、紙の状態で読むよりも一度スキャンして12.9型iPad Proで読む方が読書体験が上質になるという、なんとも奇妙で驚きの体験が日常にやってきた状態です。

 もちろん、感触や匂い、デザインなど紙の状態も魅力ですが、デジタルならではの利便性と新たな価値は大いにお勧めできるものでした。こういった自炊ではなく、一般の電子書籍なら手間暇をかけることなく閲覧できます。電子書籍ストアやプラットフォームの統廃合時のリスク(購入したデータの扱いはどうなるかなど)は避けられませんが、ぜひ店頭で新型iPad Pro、特に12.9型で一度電子書籍を見て欲しい、というのが正直な感想です。

 次回は、Prime Videoなどの動画視聴を試してみたいと思います。

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