目指したのはデジタルとアナログの融合――「WILLCOM NS」の狙いと自信21世紀によみがえった「TEGACKY」

» 2009年04月16日 19時11分 公開
[田中聡,ITmedia]
photo ウィルコム ブランド&プロダクト企画部 部長 石川俊司氏

 新しい情報が、いつも手帳の中に――ウィルコムが4月15日に発表した「WILLCOM NS(WS026T)」は、インターネット閲覧に特化した端末として登場した。

 ウィルコムブランド&プロダクト企画部部長の石川俊司氏は、WILLCOM NSの開発にあたり「人が持ち歩くものという視点で考えた」と説明。同氏は「ケータイとPHSは持ち歩くものとしてはナンバーワンのデバイスだと考える」一方で、自身が電卓や手帳、筆記用具などを持ち歩いていることを例に、「1つの用途に特化したものは個別に持ち歩くことが多い」との見解を示した。

 そこで石川氏は、開発の最初のステップとして「情報を持ち歩くための道具」に必要な要素を書き並べ、ケータイやPHSで十分なものを削り、それ以外の要素を抽出した。その作業を重ねるうちに、「ネットワークを文房具のように持ち歩く」というコンセプトが固まっていったという。

 「厳選したデジタルの機能と、既存の文房具にあるアナログのよさをマッチングさせた」と石川氏はWILLCOM NSの狙いを説明する。

photophoto ウィルコムのこれまでの取り組み(写真=左)。「これまでも、用途や料金、サービスに合うよう端末を提案してきた」(石川氏)。ウィルコムが考える「情報を持ち歩く」ために必要な要素(写真=右)
photo 石川氏は、東芝が1999年に発売した、手書き入力が可能な“文字電話”専用端末「TEGACKY(テガッキー)」を取り上げ、「東芝さんにはTEGACKYの企画と同じく、アグレッシブな精神で協力いただいた」とたたえた
photo 東芝モバイルコミュニケーションズ社 統括技師長 湯嶋彰氏

 東芝モバイルコミュニケーションズ社統括技師長の湯嶋彰氏は、「モバイルインターネットのニーズが高まっていること」をWILLCOM NS開発の背景に挙げた。これを踏まえ、「PCには長時間使いたい、どこでも持ち運びたいというニーズ、ケータイには外出先でPCと同じようにインターネットを活用したいというニーズがある」と分析。これらのニーズを満たすデバイスとして、新しいカテゴリーの「MID(Mobile Internet Device)」に着目し、「大画面・高精細液晶(ワイドVGA表示対応の4.1インチ液晶)」「大容量バッテリー(1530mAh)」「持ち運べるサイズ(厚さ11ミリ)」という3つの性能の実現に注力した。

 さらに、いつでも気軽にインターネットが使える端末にすべく、「素早い起動(サスペンド&レジューム、画面メモ)」「欲しい情報の自動更新(オートパイロット、RSS)」「定額・低廉な料金」という要素も盛り込んだ。「WILLCOM NSのキーワードは“情報”。欲しい情報をいつでもすぐに引き出せる」(湯嶋氏)

photophotophoto PCやケータイのニーズを満たすべく、東芝は新ジャンルのMIDに着目した(写真=左)。WILLCOM NSに必要な機能と性能(写真=中、右)

 また湯嶋氏は、「携帯端末の需要が下がっている中でも、インターネットに特化した端末の需要は上がっている。文具業界でも手帳の売上は下がっているが、高価なシステム手帳は逆に伸びている。WILLCOM NSはデジタルとアナログの融合を目指した」と期待を込めるとともに、WILLCOM NSが新機軸の商品であることをアピールした。

photo WILLCOM NSの4つの特徴

 なお、ウィルコムはNTTドコモのFOMAネットワークを利用した法人向けのデータ通信サービス「WILLCOM CORE 3G」を3月9日から開始したほか、今秋からは次世代PHS(XGP)の試験サービスも始めるが、WILLCOM NSが利用するのは現行PHSのネットワークと無線LANのみ。これについて石川氏は「端末の用途やバッテリーの大きさなどを総合的に判断して、PHS網を利用する端末として商品化した。3Gネットワークには対応しない」と説明した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月08日 更新
  1. NHK受信料パトカー・消防車から徴収問題、猛反発を受け「検討を進めていく」と会長 (2026年08月07日)
  2. ドコモが念願の増収増益に好転 「ドコモMAX」好調も後押し、今後は“ロイヤルユーザー”を重視 (2026年08月06日)
  3. まだ「つながりにくい」声ある“ドコモ通信品質問題”の現在地 前田社長が明かす「道半ば」の詳細解説 (2026年08月06日)
  4. 楽天モバイルのローミングは「予定通り9月末に終了」 ただし「ルーラル限定で継続」の可能性も (2026年08月07日)
  5. なぜ? カーナビが「NHK受信料」対象になるワケ 課金されるケースと徴収を免れる方法 (2025年04月15日)
  6. 「NHK受信料の値上げは検討していない」――会長が明言 スクランブル化を求める声絶えず (2026年08月07日)
  7. KDDIが値上げしても解約率が低下した理由 au、UQ mobile、povoを循環させ「脱・販促費競争」へ (2026年08月07日)
  8. 元グループ会社が「ドコモの銀行」になった不満を吸収? SBI新生銀行が「SBIの銀行」として最大5.2万円のキャッシュバックキャンペーンを開催 (2026年08月05日)
  9. 東海道・山陽・九州新幹線の「EXサービス」に複数のサービス改訂 「ご利用票」のスマホ表示などを9月から順次開始 (2026年08月06日)
  10. スマホの「エアコン冷却」がダメなワケ 猛暑日にやりがちな“水没”の危険性と正しい冷やし方 (2026年08月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー