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» 2009年09月02日 10時30分 UPDATE

元グーグルのラーゲリン氏が「驚いた」iPhone広告の魅力 (1/3)

iPhone向け広告配信に注力するアドモブのラーゲリン氏は、iPhone広告が既存のモバイル広告でリーチできなかった大手の広告主を引き寄せると語る。元グーグルのモバイルビジネス統括部長が感じる、iPhone広告の魅力とは。

[山田祐介,ITmedia]
photo アドモブのジョン・ラーゲリン代表取締役

 GfK Japanが集計した7月の携帯電話販売ランキングでiPhone 3GSが1位を獲得するなど、好調な販売を続けているiPhone――。ユーザーの広がりに併せて、“広告プラットフォームとしてのiPhone”にも注目が集まりつつある。

 8月31日、モバイル向け広告配信サービスを手掛けるアドモブのジョン・ラーゲリン代表取締役が、アークブレイン主催のセミナー「『iPhoneの衝撃』〜グローバルスマートフォン時代のビジネスチャンスと今後の潮流〜」に登壇した。NTTドコモやグーグルでモバイルビジネスに携わってきた経歴を持つ同氏が、iPhone向け広告の世界的な動きや種類を、同社の事例を交えながら紹介した。


“世界的な普及”“高い表現力”がスマートフォンの広告を加速させる

photo アドモブの略歴

 アドモブはモバイル広告事業の会社として2006年にシリコンバレーで創設され、日本法人は2009年の6月にオフィスが設立されたばかりだ。同社は現在、iPhoneやAndroid端末といったスマートフォン向けのアドネットワークに注力しているが、その背景には次世代スマートフォンが国際的なモバイルインターネットの普及を加速させていることがある。

 「海外では、携帯からのブラウジングは盛り上がりに欠けた状態が続いていたが、iPhoneがその状況を変えた。定額制で、簡単な操作性でモバイルインターネットができるようになったことで、急速に普及が進んでいる」とラーゲリン氏は指摘する。そうした状況の中、同社は今年の8月に全世界での広告インプレッション数1000億件を達成した。


 ただ、ラーゲリン氏は1000億件のインプレッション数に対して、「日本のモバイルからすれば、たいした数字ではない」と冷静だ。同氏はiPhone向け広告の対象として「日本ではiPhoneが約100万台、iPod touchが50万台普及していると言われ、合わせて150万台の市場がある」と見ている。“ガラパゴスケータイ”と比較すればiPhoneはまだまだシェアの低い端末といえるが、同氏は国際的なマーケティングを行う上で、iPhoneを筆頭としたスマートフォン向け広告が今後重要になると併せて主張する。

photo 米国でのスマートフォン市場シェアと同社米国ネットワークにおける広告リクエスト比率の比較。端末シェアでは3位のiPhoneだが、広告リクエストは59%と過半数を超えており、アクティブユーザーが多いことがうかがえる
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 さらに、“世界的な普及”という背景に加えて、iPhoneに代表される次世代スマートフォンの広告には「表現力の高さ」という魅力があり、これがIT業界を超えてさまざまな業種の企業を引きつけているという。


大手企業を呼び込むiPhone広告

 総務省の国内調査によれば、2008年末のモバイル端末からのインターネット利用者は7506万人にのぼり、PCからの8255万人に迫る規模を持つ。しかし、ラーゲリン氏は「広告予算に関しては、PCが10だとすれば、モバイルは1」と、ギャップに疑問を投げかける。

 また、iモードをはじめとする日本のモバイルビジネスに9年間関わってきた同氏だが、「日本のこれまでの携帯広告では、大手企業からの案件があまり見られなかった」と振り返る。しかし世界に目を向けると、ファッションや自動車関係をはじめとする大手企業がiPhoneの広告に興味を示し、実際にアドモブのクライアントにはナイキやポルシェといった有名企業が名を連ねている。日本市場でも、スマートフォン向けのリッチな広告コンテンツが、これまでモバイル広告に慎重だった広告主の呼び水になるというのが同氏の考えだ。

 さらに「将来的には、スマートフォン以外の端末でも高い表現力のある広告が表示できるようになると信じている」とも。そうなれば、モバイルに目を向ける企業がさらに増えると同氏は予想する。

photo iPhoneへ最適化することでユーザーの利用頻度を高めてきたCBS Sports

 一方で、インフラや端末のパフォーマンスが上がれば、モバイル端末からのPCサイトのブラウジングも快適になり、「PCサイトに広告を出せば、モバイルユーザーにも十分にリーチできるのではないか」という考えも生まれる。しかし、ラーゲリン氏は米CBSのニュースサイトを例に、モバイルに最適化されたサイトに対するニーズの高さや、“アプリケーション化”の重要性を説明する。「CBS Sportsではモバイルサイトを開設したことでモバイルからのページビューが2倍になり、アプリケーションにすることで10倍になった。iPhoneがSafariを搭載していても、表現力を最も生かすにはモバイルサイト化やアプリケーション化が必要になる」(ラーゲリン氏)


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