PC、Mac版も開発中――マルチプラットフォーム化するServersManの戦略はPCやMacも手軽にサーバ化

» 2009年09月09日 07時00分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 フリービットは9月7日、iPhoneを手のひらサーバとして使えるようにするアプリ「ServersMan@iPhone 3.0β」を77カ国のApp Storeで公開した。対応言語もこれまでの日本語、英語、中国語にフランス語とドイツ語を追加する。

 世界のiPhone市場は約2600万台規模といわれており、フリービットではより多くの国と言語に対応することでインストールベースを拡大したい考え。同社社長の石田宏樹氏は「今期内の100万ユーザー達成が目標」と意気込む。

 同日に開催した決算会見では、Windows PCやMacにインストールするだけでサーバ化できるアプリ「ServersMan mini-DeskTop」を開発中であることも明らかにし、マルチプラットフォーム展開に向けた準備が進んでいることを印象づけた。

 ServersMan mini-DeskTopは、Windows PCやMacにアプリをインストールするだけで、ハウジングされているようなWebサーバのスペースをマシン内に作れるサービス。マシンがネットに接続されていれば、外からマシンにアクセスしてさまざまなデータを引き出せるようになる。

 石田氏はServersMan mini-DeskTopを「ハウジング市場やコロケーション市場に対する新しい取り組み」と位置付け、機能の詳細やビジネスモデルについては正式リリース時に説明するとした。

Photo 9月7日からiPhone版を世界77カ国で公開(左)。すでにiPhone版とWindows Mobile版がリリースされ、Android版やPC版も開発中だ(右)。NAS版はプラネックスによる製品化が決まったという

Photo Macに開発中の「ServersMan mini-DeskTop」をインストールしたところ。iPhone版と同様、簡単な設定を行うだけで、Macをサーバとして利用可能になる

ServersMan搭載機器同士でスムーズなデータのやりとりを実現

 ServersManはiPhone版とWindows Mobile版がリリースされており、今後、Android版やPC/Macに対応したServersMan mini-DeskTopのリリースを予定している。

 このようにフリービットがさまざまな機器に対応するServersManを開発するのは、ServersManを搭載した機器同士でシームレスなデータのやりとりができる環境を整えるためだ。

 ServersManの最新バージョンとなる3.0やServersMan mini-DeskTopには、“グルーピング”論理に基づいた機能が用意される。具体的には、例えば1人が3台の機器を持っていた場合、それぞれの機器にServersManが入っていれば、ネットワークに関係なくこれらの機器が相互に連携するようになる。「ServersManを入れておけば、ファイルやセンサー情報のやりとりを各機器間でセキュアに行えるようになる。同じグループ内のServersMan搭載機器同士が、勝手に連携を始めるイメージ」(石田氏)。つまり、iPhoneで撮った写真をPCに保存したり、mini-Desktop内のPDFファイルをiPhoneで閲覧するといったことが可能になるわけだ。

 PCや携帯電話に分散しているファイルを一元管理するには、いったんサーバ上のサービスにアップロードするなどの手段が一般的だが、ServersManを使えばその必要がないと石田氏。今後は、iPhoneで撮った写真をMacに転送し、それをあらかじめ設定したWebサービスにアップするといった、PCやNASをハブとして利用する機能も実装する予定としている。

Photo ServersManをインストールした機器同士は相互に連携し、セキュアなデータのやりとりが可能になる

無料のServersManで広げた市場に、オプションサービスで課金

 フリービットがServersManシリーズを投入する背景には、インターネットの接続対象を増やすことで課金ターゲットを広げたいという思惑がある。

 ISP事業も手がける同社は、ダイヤルアップ時代に“1人1アカウント”で1億2000万規模だった接続対象が、ブロードバンド時代に“1世帯1本”の5000万規模まで減少するという事態を経験している。今後、どのように“1人1アカウント”に増やすかを考える中で、これを機器レベルにまで分解すれば、「1人3台なら3億6000万規模、10台なら12億規模」(石田氏)といったように、市場の拡大が見込めることに気づいたという。

 今後はPCやケータイ、家電などの間でセンサーデータを渡したり、データのやりとりをしたりといったニーズが高まることが予想され、個人と紐付けたかたちでデータをやりとりできる市場をいかに作るかがポイントになると石田氏は見る。

 こうした市場を作るために、まずはスマートフォン向けのServersManからスタートし、PCやデジタル家電メーカーにServersManをライセンスすることで市場の拡大を目指す。

 収益モデルとしては、無料のServersManで広げた市場に、細かい課金を積み上げていくようなモデルを想定。100万ユーザーに達したときに、「1ドル/月をユーザーに課金できるようなビジネスモデルが、ServersManの中に組み込まれている」(石田氏)というように、さまざまなオプションの提供を収益につなげる考えだ。

Photo 家電への搭載も視野に開発。まずは100万ユーザーを目指し、有料オプションサービスを収益につなげる考え

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