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携帯インターネット、広告ツールとしての可能性は――Googleの滝沢氏

厳しい広告市場の中で、堅調な伸びを示しているネット広告。中でもユーザーの接触頻度が高い携帯電話向け広告は、今後の発展が有望視されている。グーグルでモバイル広告関連業務を手がける滝沢幸信氏が、携帯やスマートフォン向け広告の利用実態を紹介しながら、それぞれの特長について説明した。

 不況の影響で企業の広告予算が抑えられる傾向が続く中、広告市場全体の中で唯一顕著な伸びを示しているのがインターネット広告だ。特に、インターネットのアクセス手段として存在感を増している携帯電話は、広告媒体としても今後の発展が有望視されている。mobidec2009でグーグルが行った講演の中では、広告ツールとしてのモバイルインターネットが持つ特徴について、いくつかの興味深いデータが示された。

iPhoneの検索傾向はPCに近い

 近年、携帯電話市場で話題となっているのが、iPhoneやWindows phone、Android搭載機などに代表されるスマートフォンだ。PCと同じWebサイトやメールアカウントを利用できたり、ユーザーが好みのアプリを追加できるのが特徴で、従来の携帯電話よりもPCに近い使い方ができると言われており、その特性は検索キーワードにも現れているという。

 2009年10月6日からの1週間、iPhoneからのアクセスと従来型の携帯電話からのアクセスでそれぞれGoogle検索キーワードを集計してみたところ、iPhoneでは、地図のようにiPhoneが標準で持っている機能とバッティングする分野や、占いのような携帯コンテンツプロバイダがメインとしている分野での検索利用が少ないことが確認された。さらに「従来型の端末では芸能人やミュージシャン、テレビ番組名などが検索キーワードの上位に入っているが、iPhoneではこれらがトップ100に入っていないことに非常に驚いた」(グーグル 広告営業第四部統括部長の滝沢幸信氏)という。

 一方、交通情報や辞書、翻訳など、PCのポータルサイトでも検索される頻度の高い実用的な情報や、Twitterなどの先進的なITサービス、IT情報サイトなどに関する検索は、iPhoneからのアクセスで目立って多いカテゴリだという。このことから同社では「PCでのインターネットをメインで利用するユーザーの中で、さらに活動的でITに通じた社会人」を典型的なiPhoneユーザー像として見ている。

 米国でも、よく検索されるキーワードが従来型の携帯電話とPCでは異なるのに対し、iPhoneとPCではかなり近いことが統計的に分かってきたという。iPhoneユーザーのインターネット利用スタイルが、より“PC的”であるという傾向は日本だけで現象ではないようだ。

 Googleは先般、モバイル広告ネットワークを提供するAdMobの買収を発表して話題となった。AdMobはiPhoneなどのアプリ内に広告を配信する有力なネットワークを持つことで知られるが、既に現在のGoogleでも、広告主の指定したテーマにマッチするiPhoneアプリに広告を配信する仕組みを提供しており、日本語での広告配信も可能になっているという。

テレビCMと携帯サイトの連動が有効

 テレビや新聞といった既存メディアの広告収入減少と、インターネット広告の伸びが対照的なため、ややもすると1つの市場を食い合う両勢力というように見られることがあるが、実際にはユーザーはさまざまなメディアをシーンに応じて使い分けている。

 CMの最後に検索キーワードを示して視聴者をWebサイトに誘導する、「続きはWebで」タイプのテレビCMが放映されるようになって久しいが、この種のCMで使用されたキーワードの検索数を集計してみると、PCよりも携帯電話からのアクセスが多くの割合を占めていたという。

 これには、そもそも携帯電話を通じた検索エンジンの利用自体が増えているという理由も考えられるが、CM放映期間に当該キーワードの検索数が増加する勢いはPCに比べ携帯電話のほうが急激だったため、テレビCMの「続き」を知りたいと思った視聴者は、PCの前に向かうよりも、手近にある携帯電話で検索する傾向が高いということが考えられる。

Photo 業種を問わず、「続きはWebで」型の広告が放映された期間では、携帯電話からの検索がPCからの検索に比べ著しい増加を示している

 これはCMだけでなく、番組自体の内容について検索する際の行動にも表れている。例えば、今年1月に「婚活」をテーマにした番組が放映された際の検索数の推移を見てみると、放映当日にこのキーワードを携帯電話から検索するユーザーが急増し、その日が検索数のピークであったのに対し、PCからの検索数は放映の翌日がピークとなっていた。

Photo 携帯電話では番組放映当日に検索数のピークが訪れたのに対し、PCは翌日がピークだった

 番組を視聴しながら携帯電話で関連キーワードを検索する「ながら検索」のユーザーが多く存在することが、数字の上でも明らかになってきた格好だが、同社ではこれらのデータから、携帯電話は「瞬間最大」的なアクセスを発生させるのに格好の手段であり、企業がキャンペーンなどで高い効果を生むためのツールとしては、テレビCM、検索連動型広告、そして携帯サイトの組み合わせが非常に有効であると分析している。

携帯広告はPCサイト向けより効果が高いとの調査結果も

 では、携帯電話向け広告の効果は、インターネット広告全体に比べて高いと言えるのか。これについてはさまざまな議論のあるところだが、デジタルマーケティング分野のリサーチ会社・米InsightExpressの調査結果として、携帯電話向け広告はPCサイト向け広告に比べ4〜5倍ものブランド認知・購入意向アップ効果があるというデータが紹介された。

Photo 広告効果を示す5種類の指標で、いずれも携帯電話はPCに比べて4〜5倍高いとするリサーチ結果

 これについて滝沢氏は「モバイル広告においてもクリエイティブのリッチ化が進んでいるほか、画面が小さいことや、上から下へ移動するユーザー行動を考えると、広告が注視されやすいのではないか」との見方を示した。

 携帯電話は画面が小さいことから、広告部分が1画面中を占める割合が大きいほか、ページ上の見たい部分にすぐ移動できるPC向けのWebサイトとは異なり、方向キーの操作で上から順番にスクロールさせていく必要があるため、必ず広告部分がユーザーの目に触れるというわけだ。

 この傾向は画像広告だとさらに高まる。同社が携帯サイト向けに配信する広告のCTR(クリックスルーレート。広告表示回数に対してその広告がユーザーにクリックされた回数の割合)は、画像広告がテキスト広告の2.25倍という高レートだったという。広告の効果をCTRだけで測ることはできないが、少なくとも携帯サイトにおいては、広告主のサイトへの誘導手段として画像広告が有効であることが分かる。

 携帯電話からのインターネット利用がますます拡大するにつれ、検索エンジンの利用頻度も高まっているが、滝沢氏は「(モバイルインターネットの)特性を考えたコミュニケーションデザインがより一層重要になっている」と話し、PC向けWebサイトを中心とした従来のマーケティング手法とは異なるノウハウが求められる点を指摘した。

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現在の携帯契約数(1月末)
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(2in1:30万8000)
au 3447万9000
ソフトバンク 2806万1900
(DN:2万4700)
イー・アクセス 380万0000
(12月末)
携帯累計 1億2605万1100
(イー・アクセス含む)
ウィルコムPHS 435万9200
携帯・PHS累計 1億3041万0300
(イー・アクセス含む)
UQコミュニケーションズ 188万3900

Web閲覧端末数/MNP利用状況

Web閲覧端末数
iモード/spモード 5168万0400
EZweb/ISNET 2816万8100
Yahoo!ケータイ 2152万9000
EMnet 非公開
累計 1億0137万7500
MNP利用状況(差し引き 1月末)
NTTドコモ −9万9300
au 5万3300
ソフトバンクモバイル 4万6000
イー・アクセス 非公開

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