共同通信、地方紙の携帯サイト共通プラットフォーム「NEWSmart」

» 2010年06月21日 19時56分 公開
[ITmedia]

 共同通信社は6月21日、携帯電話向けニュースプラットフォーム「NEWSmart」を正式スタートした。「共同通信ニュース」と、「河北新報」「福島民報」「京都新聞」など地方紙の有料携帯サイトのシステムを共通化。サイトをまたいだ記事レコメンドシステムを備えたのが特徴で、河北新報の関連記事として、似た内容の福島民報の記事が表示される――といった仕組みを実現した。まずは13紙・13サイトでスタート。年内に100サイトのオープンを目指す。

 NTTドコモ携帯でスタートした。24日にはKDDI(au)、7月1日にソフトバンクモバイルに対応する。秋にはiPhoneアプリを公開する予定だ。

 「ニュースのショッピングモール」という売り文句で、4紙のほか「福島民友」「千葉日報モバイル」「伊勢新聞」など地方紙、青森県を中心とした核エネルギー関連ニュースを扱う「東奥エネルギーNEWS」といった専門媒体、早稲田大学、慶応義塾大学のスポーツ情報を配信する「早慶スポーツ」、サッカー日本代表の岡崎慎司選手の情報サイト「エース岡崎」などがと当初から参加。7月には「週刊粧業オープン」「週刊住宅新聞」「科学新聞」など専門媒体、米MLBの公式ニュースなどが新たに参加する。

 ユーザーからの見た目は従来の携帯電話向け新聞サイトとほぼ同じで、河北新報を読みたい人は河北新報のサイト(月額315円)、福島民報なら福島民報のサイト(同)にアクセス、それぞれマイメニュー登録し、月額料金を支払って購読する。各媒体は独立運営で、媒体ごとにトップやサイト構成、料金は異なり、ユーザーは媒体ごとに料金を支払う必要がある(月額105円〜525円)。

 背後のプラットフォームを共通化したことで、媒体社のシステム投資負担を軽減し、媒体をまたいだ記事レコメンドを可能にしたのが特徴だ。例えば、河北新報のニュースに関連記事として、似た内容を扱った福島民報のニュースへのリンクが表示される――といった仕組み。ユーザーの閲覧履歴から、その人に合ったニュースをレコメンドする「マイニュース」機能では、参加する全媒体から記事をレコメンドする。

 有料購読していない媒体のニュースがレコメンドされた場合、記事を読むにはその媒体をマイメニュー登録し、月額料金を支払う必要がある。記事ごとの切り売りは現状、行っていないが、今後、一部媒体で対応していく可能性があるという。

 記事クリップ機能や、朝、昼、夕、夜にニュースメールを配信する機能、ユーザーが登録したキーワードに関連する記事をメール配信する機能も備えた。

 媒体各社は共同通信に利用料を支払ってシステムを利用。媒体ごとの月額料金は原則すべて、媒体社に入る。システム利用料と、共同通信ニュースの月額料金が共同通信の取り分になる。

 地方紙を中心に多くの加盟社を持つ共同通信の特徴を生かすサイトとして構築したという。「ニュースを求めている人とニュースを持っている人を効率的に結びつけたい」としている。

 「ライブドア事件」後に旧ライブドア幹部がスピンアウトして設立したゼロスタートのレコメンドシステムを採用しており、ゼロスタート創業メンバーの伊地知晋一さんが、コンサルタントとして企画や技術面をサポートした。

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