DP2の月額料金は、基本的に利用するGPS端末の台数と、管理用端末としてサーバにアクセスするPCの台数によって設定されている。携帯端末は1台あたり1000円/月、管理用PCは1台あたり5000円/月となる。初期費用は不要なので、最小単位(PC、携帯端末各1台ずつ)で6000円/月から、位置情報システムの利用が可能というわけだ。
なお、DP2は、基本的に月額料金制のASPサービスとして提供されるが、ユーザーの導入ニーズに合わせた、さまざまな形態での提供オプションも備えている。ASPサービスの機能拡張や自社内の他システムとの連携機能を作り込んだ「ASPカスタマイズ」に加え、パッケージとして自社内にサーバを構築する「導入型」も用意している。
ASPカスタマイズの例としては、あるメーカーの物流子会社で、DP2と「配車計画システム」との連携を行ったケースがあるという。従来、紙を使って配布していた配車計画表を携帯電話に配信することで、作業効率の向上やペーパーレス化を実現した。さらに、走行中は車両の位置を自動送信し、荷物の上げ下ろしがあった場合には、データを入力することにより予実管理システムとしての利用も可能にしているという。
DP2をASPサービス(クラウド)で導入する際のメリットには、短期間での運用開始が可能な点や、管理が容易なことに加え、ユーザー側での導入作業を必要とせずに、新たに追加される機能や更新される地図情報などを迅速に利用できる点がある。例えばDP2では、ほぼ年に1回の間隔で大幅なバージョンアップを行っており、2012年1月にも、主にスマートデバイスでの使い勝手を向上させるための機能強化を行ったという。
新たに追加された機能としては、スマートデバイスに訪問先までの行き方を表示できる「行き先指示、ナビゲーション連携機能」、端末から発信されたステータス、コメント、画像などを地図上の情報として登録し、過去対応履歴として参照できる「スポット検索機能」「対応履歴機能」、端末が地図上で指定した特定のスポットに入場したときに、管理者端末へのメール通知を行う「スポット入場通知機能」などがある。
また、スマートデバイスならではの機能としては「音声通知機能」が追加されている。これは、地図上で指定した特定のエリア内に端末が入った場合に、自動的にそのスポットに関する「音声」での案内を配信する機能だ。営業車両の運転者に対する注意喚起や情報提供といった用途で利用できる。
位置情報とスマートデバイスの組み合わせは、営業、保守、運輸、物流といった業務の効率化にとどまらず、より幅広い分野に活用の幅が広がる可能性を秘めているという。例えば、直近のバージョンアップで追加されたスマートデバイス向けの「音声通知機能」は、地図情報との連携によって「観光案内」や「音声広告」といった使い方ができる。
観光案内に関連する使い方としては、すでに旅行会社を通じて修学旅行生向けの「見守りシステム兼学習コンテンツ」としてDP2を応用した実績があるそうだ。さらに「ゲーム的な要素なども追加して提供することも可能」だという。地図情報と密接にリンクしたシステムを、カスタマイズして提供することが可能な点もDP2のメリットだ。
そのほか、ポスティング業者がエリアごとの実績を管理するツールとして活用し、クライアントへのアピールに使う例、ラジオ局による聴取エリアの調査、生態系の調査、海上での船舶のルート探索といった利用例もあるという。
川島氏は、「GPSを搭載していれば、キャリアを問わずさまざまなデバイスで利用できるため、すでに手元にある端末を使って手軽に位置情報を活用できるようになる点がポイント。位置の履歴や集計したデータを、その後の業務改善や分析に生かしたいというユーザーには非常に有効なサービスとなっている」と語る。
位置情報システムを活用することで、大幅な業務の効率化が可能になったり、新たなビジネスチャンスが生まれる分野は、まだ多く残されているはずだ。かつてはコスト面で導入を諦めていた分野でも、改めて検討するに値する低コストと使い勝手が、スマートデバイスとクラウドの組み合わせによって実現している。
またナビッピでは、2年前から中国市場向けに、中国聯通(チャイナユニコム)対応の携帯電話による「DP2 for China」の提供も開始しており、「中国進出している日系企業からの引き合いが多い」(川島氏)という。上手く活用することによって、グローバル進出の強力な足がかりとなる可能性も秘めたサービスである。
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