TelefonicaがARのAurasmaと提携――世界約25カ国でモバイル広告に活用

» 2012年09月20日 14時04分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 拡張現実(AR:Augmented Reality)技術で知られる米Hewlett-Packard傘下のAurasma(米Hewlett-Packard)は9月17日、スペインの通信キャリアTelefonicaと提携すると発表した。提携金額や詳細は明かされていないが、Telefonicaがサービスを展開する世界約25カ国でモバイル広告などに活用するとしており、AR分野では大型の契約になるという。

 Aurasmaは英Autonomyが開発したARプラットフォーム技術。画像にデジタルのリッチコンテンツを紐付ける画像認識型の技術で、新聞やポスター、商品パッケージ、チラシなどの写真にモバイル端末のカメラをかざすと商品情報の動画や3Dアニメ、クーポンなどのデジタルコンテンツを取得できる。

 Aurasmaが提供するiPhoneやiPad、Android端末向けアプリ「Aurasma Lite」(無料)のほかにも、提携パートナーからAurasma対応アプリが提供されている。2011年6月のサービス開始以来8000社以上と提携し、アプリのダウンロードは400万を数える。

 今回の提携は、Telefonicaのビジネス事業部Telefonica Digitalと締結したもので、Telefonicaが広告主に提供するメディアサービス(マーケティングや広告)にAurasmaの技術を採用する。位置情報を利用したマーケティングやモバイルクーポンと組み合わせた提案も検討しており、自社の顧客向けにAurasmaアプリの配布も行う予定だ。

 Telefonicaは欧州、南米など世界各地でサービスを展開しており、加入者数は3億を数える。ARを活用したメディアサービスは、Telefonicaの英国ブランドであるO2を皮切りに順次拡大するという。

 ARはセカイカメラやLayerといったサービスの登場で注目が集まり、さまざまな分野でサービス開発が進んでいる。高性能なカメラや大きなディスプレイ、GPSなどを搭載したスマートフォンの普及に伴って市場が拡大するとみられており、調査会社のSemicoはAR市場が2016年には6000億ドル市場に成長すると予想している。

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