“SoLoMo”が本格化、マーケティングの主流へ

» 2012年10月15日 14時54分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 ソーシャル、ローカル、モバイル――。この“SoLoMo”といわれるトレンドが無視できない存在になってきた。米Gartnerは、今後2年でこれらを利用するユーザーは急増して「主流の技術」になると予想、マーケティング担当者に明確な戦略を立てるよう助言している。

 Gartnerは、コンシューマーアプリケーションとサービスに関する調査レポートを発表し、SoLoMoことソーシャル(Social)、ローカル(Local)、モバイル(mobile)の3つの技術トレンドに関する予測や見解を示した。

 ソーシャルについては、モバイル端末からのソーシャルネットワーク(SNS)へのアクセスが増加し、2014年にはモバイルSNSの利用者は10億人になると予想する。Gartnerによると、モバイル利用者の15%がモバイル端末からSNSにアクセスしているという。すでにiPhoneやAndroidなどのスマートフォンの多くがTwitterやFacebookとの連携機能を提供しており、今後、さらなるシームレス化が進むことでさらに利用が進むとみられている。なお、Facebookは先に、全体の4割にあたる4億人がモバイルからアクセスしていると報告している。Gartnerはまた、大手から地元のサービスまでさまざまなSNSがある中、最終的に5社程度に統合されていくとも予想している。

 ローカルは位置情報ベース(LBS)のサービスをさす。Gartnerによると、すでにSNS、ニュース、情報、検索、エンターテインメントなどのサイトやサービスが位置情報技術を活用しはじめており、融合がみられるという。この結果、2012年末までにLBSを利用するユーザーは8億人に達するとみており、市場としては2015年に135億ドル規模にふくれると予想する。収益の多くは広告で、位置情報の活用分野としてはナビゲーション、検索、友人の発見/ソーシャルネットワークなどが当面の間、高い関心を集めるだろうとのことだ。

 モバイルでは、顧客との関係強化、顧客サポート、フィードバック収集などの手段としてのモバイルアプリが重要になると予想する。アプリを公開するストアとしては、配布力に優れ開発者コミュニティの規模が大きいアプリストアを推奨している。アプリストアが提供する機能としては、広告対応、ユーザーレビュー、ランキングや評価、おすすめアプリを提案するレコメンデーションエンジン、課金、レポートなどがあるといいようだ。

 デジタルマーケティングについてはバーコード、クーポン、AR(拡張現実)などを「注目技術」に挙げている。バーコードは航空券をはじめとした旅行やエンターテイメント業界が先行し、チケットやチェックインなどで利用が進んでいるが、今後2年から5年くらいでコンシューマーの認知と使い方への理解が進み、主流の技術になるとみている。

 クーポンはリピート購入や顧客ロイヤリティ対策として有用な技術だが、これまであまり受け入れられていなかった。Gartnerによると、自社調査ではスマートフォンユーザーの中ではモバイルクーポンを使ってみたいという回答が多く、企業はすぐにスタートすべきだとしている。Appleが「iOS 6」で導入した「Passbook」も、クーポンの普及に一役買いそうだ。

 スマートフォンのカメラを通して見た風景にデジタル情報を重ねて表示するARについては、Gartnerの成長曲線上では2010年に流行期を迎え、現在は幻滅期にある。GartnerはARについて、「技術的な懸念、プライバシーでの懸念は根強く残るものの、長期的には実質的な可能性をもつ技術である」とし、今後5〜10年で主流な技術になると予想している。

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