iPhone 5の快進撃、LTEの普及、データトラフィック倍増――Mobile Future、2012年の米モバイル業界を振り返る

» 2012年12月19日 22時14分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 モバイルが経済に与える影響についてはさまざまな指摘があるが、2012年の米モバイル市場は、iPhone 5の売上が米国全体の経済を最大で0.5%押し上げると予測するアナリストが登場するなど活況を呈している。それは米Mobile Futureが発表した「2012 Mobile Year in Review」からも見て取れる。

 米Mobile Futureは米モバイル通信関連企業による非営利組織で、Mobile Year in Reviewは同組織がその年のモバイル分野の主要なトピックをまとめたもの。第3回目となる2012年のリポートは12月18日に発表された。

 リポートによると、米国でスマートフォンの普及は加速しており、アメリカ人の半数以上がスマートフォンを所有しているという。米国製スマートフォンを代表するAppleのiPhoneは、最新モデルのiPhone 5が発売から3日間で販売台数が500万台に達するなど大きな成功を収めており、リポートでは2012年だけでApple創業以来のMacの累計販売台数を上回る数が販売されたと伝えている。iPhoneシリーズ全機種の第3四半期の販売台数は2700万台に達する見込み。リポートでは、iPhone 5が米国のGDPを年率換算で0.25〜0.5%押し上げる可能性があると指摘するアナリストがいることも紹介している。

 ネットワークについては、LTEの普及が挙がっている。世界各国で立ち上がり始めているLTEネットワークのサービスは、米国でも順調に加入者を伸ばしており、世界のLTE加入者の10人に7人が北米ユーザーだという。2012年のデータトラフィックは2011年から倍増し、そのうちの半分以上を動画が占める。通信キャリアは年間230億ドルをネットワークインフラに投じるなどインフラ投資に積極的で、これは、さまざまな業界の中で最も高い設備投資になるとのことだ。

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